きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

668. 3場所34勝で大関昇進を果たした力士

照ノ富士が復活優勝を果たし、そして霧馬山が大関昇進を確実とした夏場所

場所前から霧馬山の大関取りは焦点であったが、貴景勝が負け越し、霧馬山の大関取りが失敗したら名古屋場所大関は消滅するところだった。

もしそうなっていたら大栄翔の大関昇進があったのだろうか?

話はやや逸れたが、貴景勝に関しても霧馬山に関しても杞憂に終わり、来場所からは2大関である(厳密に言えば明日確定するのだが)。

霧馬山は『3場所34勝』で昇進を果たした。

昭和33年以降、大関昇進を果たした力士の3場所合計の平均は『33.32勝』であるため、平均より上回る形となった(ちなみに平成以降の平均は『34勝』)。

大関昇進関連の記載は過去に何回かしたことがあるが、大関昇進時の成績とその後の大関の成績に相関関係はない。

夏場所引退を表明した栃ノ心は3場所37勝と歴代最多タイ記録だったが、昇進後は振るわず、大関在位7場所、大関勝率0.487と底辺レベルであった。

過去に3場所34勝で昇進を果たした力士は『12名』である。

昇進時の詳細成績は以下の通りである。

四股名

1場所目

2場所目

3場所目

大関場所

琴ヶ濱

関脇10勝5敗

関脇11勝4敗

関脇13勝2敗

(同点)

11勝4敗

栃光

西4 11勝4敗

関脇10勝5敗

関脇13勝2敗

(次点)

11勝4敗(次点)

前の山

関脇9勝6敗

関脇12勝3敗

(次点)

関脇13勝2敗

(同点)

全休

大受

小結10勝5敗

関脇11勝4敗

(次点)

関脇13勝2敗

2勝6敗7休

若島津

小結10勝5敗

関脇12勝3敗

(次点)

関脇12勝3敗

(次点)

10勝5敗

霧島

小結10勝5敗

小結11勝4敗

関脇13勝2敗

(同点)

9勝6敗

小結13勝2敗

(次点)

関脇8勝7敗

関脇13勝2敗

(優勝)

全休

雅山

小結12勝3敗

(次点)

関脇11勝4敗

関脇11勝4敗

6勝9敗

栃東

関脇10勝5敗

関脇12勝3敗

(次点)

関脇12勝3敗

(次点)

13勝2敗

(優勝)

朝青龍

関脇11勝4敗

関脇11勝4敗

(次点)

関脇12勝3敗

(次点)

10勝5敗

高安

小結11勝4敗

関脇12勝3敗

関脇11勝4敗

9勝6敗

貴景勝

小結13勝2敗

(優勝)

関脇11勝4敗

(次点)

関脇10勝5敗

3勝4敗8休

霧馬山

小結11勝4敗

(次点)

関脇12勝3敗

(優勝)

関脇11勝4敗

 

注目すべき点は『新大関場所の休場・負け越し』である。

大関の場所で全休、途中休場となった力士は8名存在するが、そのうちの半分が34勝で昇進した力士である。

皆勤負け越しを喫した力士は2名だが、そのうち1名は34勝で昇進した力士である。

まぁこれらの記録に関しては不安を煽るネタを強引に考えた結果であるが、それでも嫌なデータと言えるかもしれない。

 

次に34勝で昇進を果たした力士の大関在位中の主な記録に関して以下にまとめた。

四股名

大関在位数

大関優勝回数(通算)

大関勝率

琴ヶ濱

28場所

0回(0回)

0.549

栃光

22場所

0回(0回)

0.589

前の山

10場所

0回(0回)

0.545

大受

5場所

0回(0回)

0.484

若島津

28場所

2回(2回)

0.633

霧島

16場所

1回(1回)

0.647

4場所

2回(11回)

0.8

雅山

8場所

0回(0回)

0.496

栃東

30場所

3回(3回)

0.623

朝青龍

3場所

2回(25回)

0.844

高安※

15場所

0回(0回)

0.665

貴景勝

23場所

2回(3回)

0.640

※現役力士。令和5年夏場所終了時点の成績

 

この中には曙、朝青龍といったすぐに横綱へ昇進した力士も存在する。

大関は最低10勝』と言われているが、私のブログの中で何回か記載している通り、過去最高位大関で1場所10勝平均の勝率0.667を達成している力士は『朝乃山ただ一人』である(0.680)。

また大関では9勝6敗を 『クンロク』と揶揄されることが多いが、そのクンロクは勝率にすると『6割』である。

最高位大関でこれを達成しているのは『37名中14名』と過半数にも満たない。

34勝で昇進を果たした力士で最高位が大関は10名だが、そのうち5名が勝率6割を越えているため、この辺りは悪くない数字ではないだろうか。

もちろん霧馬山には大関に留まるのではなく、さらに上を目指してほしいわけだが。

ちなみに霧馬山の師匠の霧島も34勝で昇進を果たしている。

優勝1回、勝率も上位だが昇進が遅かったため、2年半ほどで関脇へ陥落している。

そして霧馬山自身、ある意味最大の重圧となるのは、過去モンゴル出身の大関は全員横綱へ昇進していることだろう(朝青龍白鵬日馬富士鶴竜照ノ富士)。

この中に仲間入りするのは並大抵の努力では難しいだろうが、この先の霧馬山の活躍に期待である。