大相撲名古屋場所まで残り2日。
場所の展望については明日記載しようと思うが、本日は大関について触れていきたいと思う。
昨日も少し記載したが、ここ数場所大関に対する評価は厳しいものがある。
先場所も御嶽海と正代の2大関が負け越し、唯一勝ち越した貴景勝も千秋楽ようやく勝ち越しに結びつける結果だった。
優勝争いどころか二桁すら難しい状況が続いているため、厳しい評価を下す気持ちは大いにわかるが、その中でも正代は格好の的となっている。
今場所で大関在位11場所目だが、二桁勝利は1場所に留まり、皆勤負け越しも3場所経験している。
そして先場所を終えて『8場所連続二桁勝利なし』となっているわけだが、歴代の大関で8場所以上二桁勝利なしという大関はどの程度存在するのだろうか。
詳細は以下の通りである(昭和33年以降に大関へ昇進した力士を対象)。
一桁連続場所数 |
期間 |
連続場所後の成績 |
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琴ヶ濱 |
8場所 |
昭和36年春 ~昭和37年夏 |
10勝5敗 |
前の山 |
10場所 |
昭和45年九州 ~昭和47年夏 |
7勝8敗(関脇在位) |
8場所 |
昭和47年九州 ~昭和49年初 |
10勝5敗 |
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8場所 |
昭和48年初 ~昭和49年春 |
10勝5敗 |
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8場所 |
昭和51年秋 ~昭和52年九州 |
10勝5敗 |
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9場所 |
昭和53年夏 ~昭和54年秋 |
昭和54年秋場所引退 |
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13場所 |
昭和60年名古屋 ~昭和62年名古屋 |
昭和62年名古屋引退 |
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18場所 |
昭和61年夏 ~平成元年春 |
平成元年春場所引退 |
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10場所 |
昭和62年夏 ~昭和63年初 |
10勝5敗 |
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8場所 |
平成19年初 ~平成20年春 |
14勝1敗(優勝) |
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20場所 |
平成19年名古屋 ~平成22年秋 |
12勝3敗 |
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12場所 |
平成20年初 ~平成21年九州 |
0勝4敗(関脇在位、引退) |
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9場所 |
平成26年秋 ~平成28年初 |
12勝3敗 |
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8場所 |
平成27年九州 ~平成29年初 |
13勝2敗(同点) |
過去は14名である。
晩年を迎えた中で達成(?)することが多い一方、前の山、三重ノ海、豪栄道、照ノ富士辺りは昇進してすぐに8場所以上となっている。
特に前の山、三重ノ海、豪栄道に関しては新大関からの記録である。
さらに三重ノ海は新大関から3場所連続一桁且つ2場所連続負け越しにより、大関を陥落。その翌場所特例復帰場所で関脇在位中に10勝を挙げたが、復帰場所から8場所連続一桁となっている。
そのため『大関としての連続一桁勝利場所』という考え方ならば『11場所連続』とも言える。
8場所以上二桁勝利から遠ざかっていると、ここからの期待は基本的に薄いのだが、貴ノ花、三重ノ海、琴欧洲、豪栄道、照ノ富士の5名はこれを経験した後に優勝を果たしている。
三重ノ海、照ノ富士に至っては横綱昇進まで果たしている(奇しくも両者ともに大関陥落経験者の横綱昇進)。
とはいえ上記の通り、基本的には晩年の大関による結果が多いため、今後の期待が薄いと言えるだろう。
正代も大関在位3場所目から現在に至るため、比較的早い段階で経験しているわけだが、年齢で言えば30歳ため若いとは言い難い。
正代ファンには申し訳ないし言い方は悪いが、ここ数場所の正代の相撲を見ていると、優勝争いを期待するだけ無駄だと思うのだが、この先正代が二桁勝利して連続一桁勝利場所数をストップし、且つ目覚ましい活躍が見られる時が来るのだろうか。