昨日大関候補筆頭の御嶽海に関して記載したが、本日は私自身、御嶽海よりも大関昇進の期待を抱いている隆の勝に触れていきたいと思う。
隆の勝は2年前の春場所に平幕中位で12勝を挙げてからその後も勝ち越しを続け、上位へ定着した。
『右差し速攻』の相撲が板に付き、三役昇進後も勝ち越していたため、私自身は大関候補最右翼だと思っていた。
昨年にもこちらで隆の勝に関して記載しており、そして大関昇進の権利(?)を得ているのだが、昨年は関脇から陥落後しばらく低迷が続いていた。
ちなみにその権利とはあくまで私が勝手に決めたものであり『新三役が新関脇で且つ新三役から2場所連続勝ち越し』である(上記から過去の記載をご参照ください)。
過去これを達成している力士は佐田の山、大受、武双山、照ノ富士の4名であり、全員大関昇進を果たしており、佐田の山、照ノ富士は横綱まで昇進している。
隆の勝は3場所連続勝ち越しを果たしているため条件を満たしているのだが、上記の通りここ数場所は低迷していた。
その中先場所はらしさが戻って11勝を挙げ、関脇へ復帰した(余談だが、新三役が関脇で小結を経由せず一気に平幕へ陥落し、再び小結を経由せず関脇へ復帰したのは栃赤城以来2人目の珍記録である)。
隆の勝の三役在位は4場所であり、勝率はちょうど『0.500』である。
4場所の内訳をみると『8勝7敗、9勝6敗、8勝7敗、5勝10敗』である。
型があるため綺麗な勝ちパターンがあるのだが、勝ちきれない相撲も多く、三役では二桁勝利に届かなかったという印象である。
私自身の感想だが、強い相撲で勝てるのに負けるときはあっさりと叩きに手をつくなど、どこか御嶽海を彷彿とさせるものがあった。
そして隆の勝の致命的な弱点は『上位戦』である。
上位戦全体の勝率は『0.154』であり、大関戦だけでも『0.182』である。
昨日御嶽海について記載したが、御嶽海の大関戦勝率は『0.409』であるため雲泥の差である。
ちなみに隆の勝の上位戦の内訳は以下の通りである。
【大関戦】
・正代(1ー5)
・朝乃山(1ー4)
・照ノ富士(0ー2)
2勝11敗(0.182)
【横綱戦】
・白鵬(0ー2)
・照ノ富士(0ー2)
0勝4敗(0.000)
隆の勝の場合、上位へ定着し始めた頃は大関が同部屋の貴景勝と朝乃山しかおらず、後に正代が大関へ昇進したが、朝乃山が謹慎したため現在対戦する大関は正代1人である。
そのため対戦機会が少ないことも少し影響しているだろうが、この正代相手に最低でも五分の成績を残さなければ大関昇進は見えてこないだろう。
同格力士相手にも如何に落とさず星を積み重ねていくのかが重要である。
これに関しては隆の勝だけではなく、三役定着、大関昇進を狙う力士全員に共通することではあるのだが。
隆の勝は上位圏内で相撲を取り始めて9場所程になるが、二桁勝利を挙げたのは2020年秋場所と先場所の2回である。
回数として多いわけではないが、二桁勝てる力量は備わっているため三役へ復帰した今場所、ぜひともきっかけを掴んでほしいところである。