きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

427. 今年の御嶽海はどうだったのか?

今年の大相撲も90日間終了し、この2日間やや退屈しており、色々と記録を眺めている。

その中で御嶽海に注目してみた。

今年の御嶽海は年6場所幕内で全て勝ち越しており、これは自身2回目である。

1回目は平成29年であり、この時も年間最多勝次点であった(最多勝白鵬の56勝9敗25休、次点が御嶽海と貴景勝の54勝36敗)。

今回1回目と異なる点は『年6場所全て三役に在位していた』という点である。

前回は初場所が前頭筆頭であった。今回は全て三役に在位していたため、勝ち越しを確実に果たすことが出来るという安定感は十分評価できるだろう。

しかし爆発力に欠けるため、大関へ昇進できず三役で燻っているという考え方もできる。

今回の御嶽海のように年6場所三役に在位して且つ全て勝ち越しを決めた力士は過去に何名いるのか調べてみた。

記録は年6場所となった昭和33年以降、また平成23年、令和2年の年5場所開催は除外している。

結果は以下の通りである。

四股名

年代

名古屋

九州

合計

長谷川

昭和44年

9勝6敗

9勝6敗

9勝6敗

11勝4敗

8勝7敗

8勝7敗

54勝36敗

大麒麟

昭和44年

8勝7敗

9勝6敗

8勝7敗

8勝7敗

11勝4敗

11勝4敗

55勝35敗

逆鉾

昭和63年

9勝6敗

8勝7敗

8勝7敗

8勝7敗

9勝6敗

9勝6敗

51勝39敗

武蔵丸

平成5年

10勝5敗

10勝5敗

9勝6敗

8勝7敗

8勝7敗

13勝2敗

58勝32敗

魁皇

平成7年

8勝7敗

8勝7敗

9勝6敗

9勝6敗

11勝4敗

9勝6敗

54勝36敗

魁皇

平成8年

10勝5敗

9勝6敗

11勝4敗

10勝5敗

9勝6敗

11勝4敗

60勝30敗

若の里

平成16年

9勝6敗

8勝7敗

9勝6敗

8勝7敗

10勝5敗

11勝4敗

55勝35敗

琴光喜

平成18年

8勝7敗

8勝7敗

8勝7敗

8勝7敗

8勝7敗

9勝6敗

49勝41敗

安馬

平成20年

9勝6敗

8勝7敗

9勝6敗

10勝5敗

12勝3敗

13勝2敗

61勝29敗

御嶽海

令和3年

9勝6敗

8勝7敗

10勝5敗

8勝7敗

9勝6敗

11勝4敗

55勝35敗

昭和44年に2名存在するという珍しい光景である。

やはり多くの力士が大勝することが出来ず、一桁勝ち越しが多い。たまに二桁勝利を果たし、合計は9勝平均の54勝前後となっている。

この中で武蔵丸魁皇②、安馬が比較的合計勝利数が多いが、武蔵丸は翌場所12勝を挙げて大関へ昇進、安馬九州場所で13勝を挙げて翌場所には大関昇進している。

いわゆる大関期昇進への基点等が含まれるため、勝利数が多くなっている。

魁皇大関取りに何度も失敗しているため例外と言える。

ちなみに最強関脇と称されることの多い琴錦、連続関脇在位歴代1位の豪栄道といった力士は、年6場所全て三役在位且つ全て勝ち越しの条件を満たしていないため、ここには名前すらない。

 

以下には達成した年齢とその力士の大まかな記録をまとめた。。

四股名

達成した年齢

備考

長谷川

24~25歳

最高位関脇。3年後に優勝を果たすが、大関昇進はならず。

大麒麟

26~27歳

翌年も5場所連続で勝ち越しを果たし、九州場所大関昇進。優勝なし。

逆鉾

26~27歳

最高位関脇。優勝なし。

武蔵丸

21~22歳

翌年春場所大関昇進。平成11年に横綱昇進。優勝回数12回。

魁皇

22~23歳

23~24歳

唯一2年連続三役で勝ち越しを続ける。初優勝&大関昇進は平成12年とここから期間が空く。優勝回数5回。

若の里

27~28歳

最高位関脇。前年は九州場所で負け越しているが6場所三役で計57勝。大関取りは2回失敗。優勝なし。

琴光喜

29~30歳

翌年秋場所大関昇進。優勝は平成13年に達成している(この1回のみ)。

安馬

23~24歳

後の日馬富士。翌年初場所大関昇進平成24年横綱昇進。優勝回数9回。

御嶽海

28歳

優勝回数2回。

過去御嶽海を除く8名の内、横綱が2名、大関が3名、関脇が3名となっている。

そして優勝に関しては8名中6名が達成している。

御嶽海の場合すでに2回の優勝を果たしており、これは上記メンバーの中でも唯一である。

過去の実績と年齢を考慮すると琴光喜と同じ経路を辿るのか、それとも若の里と同じ経路を辿るのかといったところか。

琴光喜の場合早くから期待され、優勝も早々達成したが、中々大関へ昇進できず、この記録を達成した平成18年の段階で三役在位26場所(関脇18場所、小結8場所)となっていた。

若の里琴光喜と同年代の『ゴーイチ組』であり、この記録を達成した平成16年の段階で三役在位23場所(関脇15場所、小結8場所)となっていた。

また若の里は連続三役在位数19場所という史上最多記録を保持しており、大関取りも2回挑んだが、いずれも負け越しを喫して昇進はならなかった。

御嶽海は現段階で三役在位27場所(関脇17場所、小結10場所)となっており、上記2名を越えている。

うかうかしていると昇進のチャンスも逃してしまうということである。

長々記載したが、私個人の感想として『今年の御嶽海はどうだったのか?』の問いに対して、三役で勝ち越しを続け、さらに苦手の九州場所を11勝で締めくくったことは大きいと考えている。

来年初っ端から御嶽海にとってはターニングポイントの場所となるだろう。

むしろこれを逃せばもうチャンスはないと考えている。

はてさて…