大相撲名古屋場所まで残り3日。
場所が近付いて高揚感はあるのだが、田子ノ浦部屋の力士がコロナウイルス感染の関係で休場ということ以外あまり情報を仕入れていない。
稽古状況に関しても不明だが、とりあえず私は思ったことを好き勝手に投稿していこうと思う。
今場所の焦点とまではいかないだろうが、先場所に引き続き若隆景には注目している。
先々場所に初優勝を果たし、先場所は期待された中で期待通りの結果とはいかなかったわけだが、それでも3大関を総なめにして9勝まで到達した辺り、地力を付けている印象は受けた。
元々初優勝以前から上位圏内で安定して勝ち越す力量は備わっていたし、良い意味で当然と言えば当然かもしれないが、前半戦で負けが込んでも腐らず相撲を取り切ったことは大きいだろう。
若隆景は2場所連続関脇で勝ち越しを決めているが、ここまで『12勝→9勝』としている。
今場所の成績次第では大関昇進の呼び声がかかる可能性も秘められている。
とはいえ俗に言う『3場所33勝』には最低12勝が必要だし、先場所が一桁勝ち越しであること、また現役の3大関がここ数場所不甲斐ない成績であることを考慮すると、安直に大関昇進というのは難しいところではある。
これが『9勝→12勝(優勝)』ならば印象も異なるのだろうが、これに関しては場所の流れもあるため何とも言い難い(ご都合主義と言えばそれまでだが)。
20年程前だが、琴光喜は『13勝(優勝)→9勝→12勝』の3場所合計『34勝』で大関昇進を見送られた例がある。
その一方で豪栄道は『12勝→8勝→12勝』の3場所合計『32勝』ながら大関昇進を果たしている。
豪栄道に関しては当時場所前に大関昇進場所とも位置付けられていなかったが、場所の途中で昇進ムードを手繰り寄せる形となった。
題名通りだが『二桁→一桁→二桁』の成績で大関昇進を果たした力士はどのくらい存在するだろうか。
過去の事例は以下の通りである(昭和33年以降に大関昇進を果たした力士を対象)。
1場所目 |
2場所目 |
3場所目 |
合計 |
|
10勝5敗 |
9勝6敗 |
11勝4敗 |
30勝15敗 |
|
清國 |
10勝5敗 |
9勝6敗 |
12勝3敗(次点) |
31勝14敗 |
輪島 |
12勝3敗(優勝) |
8勝7敗 |
13勝2敗(次点) |
33勝12敗 |
曙 |
13勝2敗(次点) |
8勝7敗 |
13勝2敗(優勝) |
34勝11敗 |
12勝3敗(次点) |
8勝7敗 |
12勝3敗(次点) |
32勝13敗 |
※四股名は当時
過去は5名だが、玉乃島、清國に関しては現在ならば昇進不可能と言って良いだろう。
当時大関昇進は『30勝前後』と大まかであったため、このような成績でも昇進を果たすことが出来た(余談だがその一方で琴ヶ濱は全て二桁を挙げて33勝でも昇進を果たせなかったが)。
それ以降の3名に目を向けると、若隆景にとっても希望が湧く結果ではないだろうか。
とはいえ全員が12勝以上かつ次点以上の成績を挙げているため、当然の如く厳しい闘いにはなるだろう。
最初の方にも記載したが、3場所33勝のためには単純計算12勝が必要なわけだから、今場所の昇進を目指すためにはやはり最低12勝は欲しいところだろう。
1場所目に優勝を果たした輪島は翌場所8勝に終わり、2場所合計は20勝。
曙は1場所目優勝には惜しくも届かなかったが13勝の好成績であり、しかしその翌場所は8勝止まりで2場所合計は21勝。
若隆景もここまで21勝。
今場所で昇進を決めることが出来るかどうか。
上記の通り、ここ数場所大関に対しては厳しい目を向けられているため、豪栄道のように32勝レベルならば昇進は出来ないだろう(単純に昇進場所が11勝と12勝では印象が異なる問題も大きいが)。
白星を積み重ねるだけでは昇進ムードに至らない可能性もあるが、ぜひとも若隆景には昇進をムードを手繰り寄せる程の相撲内容を期待したいところである。