きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

477. 今場所も触れてみよう~割の編成に関して~

ここ数日『勝手に語る』の方でも記載したが、今場所は好調平幕力士の割の編成の対応が比較的早い方だとは思っている。

先場所までならば『千秋楽で帳尻合わせするからいいでしょ』といったような考え方が見受けられ、窮屈な割の編成により当たり前のように上位同士の割崩しが行われていた。

昨年九州場所に関しては、最終的に12勝を挙げた大関貴景勝と11勝を挙げた関脇御嶽海の割が崩されるほどの醜態である。

さらに言えばこの場所は、正代が最終的に9勝6敗で終えているが、これに関しても13日目までは9勝4敗であり、割が崩されるほどの酷い成績ではなかった。

この場所の阿炎が好調であることは序盤戦からわかっていたし、ある程度備えておかなければならないのに、終盤戦で強引に割崩しを行ったため、上記のような展開となった。

その点今場所は、後半戦開始早々に高安、琴ノ若ともに上位圏内の力士と割を当てる動きは見られた。

照ノ富士休場、貴景勝と隆の勝が同部屋、豊昇龍と明生が同部屋、大栄翔と遠藤が同部屋など比較的組みやすい展開にあったとはいえ、以前はこのような場合でも全く動きが見られなかったため、少しは進歩していることだと思う。

しかし今場所も完全なる理想形態にまで近づけることは困難であると言える。

まず理想形態としては

①上位(大関、関脇)総当たり

②高安、琴ノ若が優勝争いに関与する上位圏内の力士と割が組まれる

この2点だろう。

まず①に関してだが、番付通りにいけば以下の通りになるだろう。

  正代 貴景勝 御嶽海 若隆景 阿炎
正代  × 15日目 14日目 13日目 12日目
貴景勝 15日目  × 13日目 12日目 14日目
御嶽海 14日目 13日目  × 15日目 11日目
若隆景 13日目 12日目 15日目  × 10日目
阿炎 12日目 14日目 11日目 10日目  ×

ここで枠が空くのは

御嶽海:12日目

若隆景:14日目

阿炎:13日目、千秋楽

この4つである。

ちなみに明日は『若隆景-高安』の割が組まれている。

展開次第でどうなるかはわからないが、御嶽海の1枠は高安で埋まると考えられる(日にちに関しては調整を施す可能性はある)。

そうなると『御嶽海-琴ノ若』の割を組むことが困難ということである。

ここで考えられるのが、5勝5敗の正代、6勝4敗の阿炎の存在である。

優勝争いからは脱落しているし、いざとなれば割崩しを行えばいいだろうと安易な考え方を持ってはいけない。

まず正代だが、今場所は角番の場所である。

もちろん負け越せば関脇へ陥落するわけだが、仮に割崩しが行われ、上位力士と対戦せずに勝ち越しを決めたらどう思われるだろうか。

間違いなく『上位と対戦していないから救われた』等批判の対象になるだろう。

私は割の編成に関して何度も記載してきているが、安易な割崩しはこのような批判の対象も生まれるため危険なのである。

優勝争いの展開を面白くするのはもちろん大切であるが、番付の重みに関しても忘れてはならない。

そして阿炎だが、空いている2枠に高安、琴ノ若を入れる分には問題ないが、上位との割崩しは出来るだけ行いたくはないところである。

仮に上位戦の割を崩されて今場所二桁の白星を挙げたとしよう。

関脇で二桁のため大関昇進への基点となるだろうが、上位戦なしだとこれもケチを付けられる可能性が高い。

この先どのように星が動くのかわからないし、高安、琴ノ若が突如全敗するかもしれない。本日敗れた御嶽海も崩れるかもしない。

そうなれば割崩しも行わなくて済むわけだが、その考え方では対応が遅れるばかりである。

ベストな対応かどうかはさておき、今場所は比較的対応が早かった。

しかしもう一歩踏み出していく必要はあるだろう。

正代が初日から4連敗を喫した時点で中盤戦から大関同士の割を組む、番付通りに当てるのではなく1日早めて余裕を持たせるなど対処方法は様々である。

毎場所割の編成に関しては文句が多くなるが、とりあえずこの先どのような割を編成するのか注目である。