きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

335. 2021年夏場所中日を勝手に語る

中日折り返しの大相撲夏場所

全勝照ノ富士、1敗貴景勝は共に白星を挙げて後半戦へ突入する形となった。

まず照ノ富士だが、大栄翔を問題にせず無傷で勝ち越しを決めた。

本日の内容に関しては照ノ富士云々よりも、大栄翔が何をしたいのかわからない一番だった。

本来ならばしっかり当たって突っ張り、ハズ押しで攻めていきたいところだっただろうが、立ち合いの当たりも弱く、突っ張りも見られなかった。

それをさせなかった照ノ富士の相撲というわけでもないため、大栄翔としては『右を差されたくない』という思いが強すぎたためか、持ち味を自ら消してしまう相撲だった。

精神論になるが、今場所の照ノ富士の威圧感は相撲を取る前から相手に影響を与えているのか。

難敵に相撲を取らせず全勝を守り、後半戦へ向けてエンジン全開である。

貴景勝はお得意様妙義龍を冷静に捌いた。

しっかり当たって相手の上体を起こし、相手が頭を下げたところを突き落とすという手順通りの相撲だった。

ここ2日間は押しの威力だけでなく、冷静さも加わっているため状態は上向きである。

恐らく14日目になるだろうが、照ノ富士と割が組まれるまで食らい付いていきたいところ。

昨日痛恨の2敗目を喫した高安が霧馬山に苦戦したが連敗を免れた。

とはいえ相撲がやや消極的になっている印象を受ける。

慎重と言えばそれまでかもしれないし、また左半身になっても我慢して相撲を取ることが出来る辺り、違った意味で高安らしい相撲と言えばそうなのだが。

昨日敗れて慎重になる気持ちはわかるが、考え過ぎて身体が固くなると先場所終盤戦の二の舞になるため、立ち合いの踏み込みは意識していきたいところである。

とりあえず連敗しなかったことが何よりか。

2敗同士注目の『正代ー御嶽海』の一番は、御嶽海が正代を圧倒した。

御嶽海はもろ差し狙いの立ち合いであり、そのもろ差しの形になることは出来ず、正代得意の左差しも許したが、腰をしっかり落としており、左ハズで正代の上体を起こして攻めた。

正代は得意の左を差しているとはいえ、あまりにも腰高であり、すくい投げも不発に終わり、あっさり土俵を割ってしまった。

2敗同士の対戦とはいえ、今場所の相撲の中身で言えば御嶽海の方が遥かに上であるし、御嶽海としては相手が番付上位とはいえ、実力は自分の方が上だと言わんばかりの内容だった。

照ノ富士とは星の差2つに加え直接対決も終わっているため、優勝を考えたとき厳しいと言わざるを得ないが、好調であることに変わりはないため、二桁目指して後半戦も集中力を切らさずに臨んでほしいところである。

上位で苦しんでいるのが朝乃山と隆の勝である。

朝乃山は昨日同様、得意の右四つ左上手の形を作りながらの屈辱的な敗戦である。

豊昇龍の内掛けは思わず声を上げてしまうほど鮮やかだったが、あっさり刈り倒される朝乃山は正直情けない。

そして何より右四つに組んでも左上手を引いても勝てないのが致命的である。

得意の形になっても勝てないのは何をしても勝てないことの裏返しである。

爆発力に欠けているが安定感を売りに大関へ昇進し、大関昇進後も途中休場した昨年の11月場所を除けば全て二桁勝利を収めてきた。

その力士が安定感すら失われている。
今場所だけならまだ目を瞑ることも出来るが、来場所以降も心配される程酷い負け方である。

後半戦も修正することは難しいだろうが、今出来ることをやっていくしかないか。
今場所は朝乃山にとって試練の場所である。

4場所連続関脇で近年大関候補との呼び声も高い隆の勝は4連敗で5敗目。

本日もしっくりこない立ち合いであり、相手の横の動きにも付いていくことが出来ていない。

今場所は立ち合いが悪く、さらには反応も乏しく我慢も出来ていない。

そのため相手の動きに付いていけず、粘りも少なく土俵を割ることが多い。

この力士は右差し速攻、足腰の良さを武器に上位へ定着したため、その長所が見られない前半戦である。

隆の勝にとっても今場所は試練の場所である。

平幕中位に目を向けると、栃ノ心の状態がかなり悪い。

優勝&大関へ昇進した頃の強い栃ノ心を知っているだけに、見ていて心苦しくなるレベルである。

元々ここ1年近く、栃ノ心らしい相撲は全然取ることが出来ておらず、時折上位へ顔を出しても大敗することが増えており、今年も負け越しが続いている。

そして前頭7枚目でも脆く土俵を割ったり、相手の投げにあっさり転がる姿を見ていると上記の通り心苦しい。

正直膝は限界を迎えており、そのため上半身だけで相撲を取り続けているのだろうが、照ノ富士大関復帰を果たして活躍している姿を見て触発されたら良いのだが。

この力士も復活劇を見せてくれた力士であるため、もうひと踏ん張りしてほしいところである。

明日の注目の割は
照ノ富士ー高安』
この一番に尽きる。

後半戦開始早々、今場所最大の焦点となる割が組まれたと言っても過言ではない。

そしてまだ場所も半分を残しているとはいえ、この一番の展開次第で今場所の優勝は決まってしまうと言っても過言ではない。

照ノ富士にとっては幕内復帰以降、4戦4敗の最大の鬼門である。

両者ケンカ四つだが、高安は右四つでも上手を取ることが出来たら力を発揮するため、過去の対戦でも右四つに組んでも最終的には高安に軍配が上がっている。

そして照ノ富士としても苦手意識があるためか、普段あまり見せないような頭で当たる立ち合いなど、やや自分を見失うような相撲内容にもなっている。

照ノ富士の理想としては右四つに組んで左上手を引いて、高安には上手を許さない形だろう。

今場所の照ノ富士ならば立ち合いしっかり踏み込み、圧力をかけながら慌てずどっしり構えていれば問題ないと思うが、高安も照ノ富士戦はある程度自信を持って臨むだろう。

照ノ富士が怪我をする前、高安戦で一度だけ時折見せる相手の腕を手繰る作戦で白星を掴んだことがあるが、それをすると立ち合いの踏み込みは甘くなるだろうから避けたいところである。

とにもかくにも変に意識せず挑むことだろう。

高安としては優勝争いのためには絶対に落とすことは出来ず、また大関昇進への足固めを考えても重要な一番である。

照ノ富士を下しての二桁は価値も大きいだろう。

どちらにとっても重要な一番だが、照ノ富士が勝てば今場所の優勝は照ノ富士だろう。

そう思っても仕方ないほどに、今場所のここまでの照ノ富士は圧倒的であるということである。

昨日も記載したが、1つ負ければ流れも大きく変わるだろう。

そしてこれも昨日記載したが、照ノ富士の負けを願っている訳ではないが、是非とも優勝争いは千秋楽まで縺れてほしい。

明日から後半戦だが、どのような展開が待ち受けているか…