きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

317. 2021年春場所12日目を勝手に語る

単独先頭の高安、場所の焦点である照ノ富士、そして3大関安泰で荒れることのなかった12日目。

優勝争いは2敗高安、3敗朝乃山、照ノ富士の3名に絞られたと言っても過言ではない展開となった。

昨日敗れた高安は敗戦を引きずることなく、集中して相撲を取ることが出来ていた。

立ち合い左差し狙いではあるが、左差しに拘るのではなく、立ち合いしっかり当たり、攻め込むことを考えていた。

そして右の使い方が素晴らしく、しっかりおっつけ、ハズにかけることが出来た。

残り3日間も同格以下の相手とはいえ、簡単な相手は存在しない。
本日のように立ち合い集中することが重要だろう。

照ノ富士玉鷲相手に捕まえ切れず、やや手こずったが冷静に捌いて3敗を死守。

本日の白星で3場所33勝を強調しているが、これに関しては規定ではないし、そもそも直前場所を1桁勝利で昇進した例は過去に存在しない。

直近では貴景勝が13勝→11勝→10勝の合計34勝で昇進しているが、直前場所は14日目終了時点で9勝5敗だった。

この時は仮に千秋楽敗れていれば大関昇進は見送りとされる展開であった。

そして平成18年夏場所秋場所にかけて雅山が14勝→10勝→9勝の合計33勝としたが、この時は話題にすらならなかった。

それどころか春場所名古屋場所の10勝→14勝→10勝の合計34勝でも昇進が見送られているため、照ノ富士も正直9勝では話にならないだろう。

残り3日間大関戦3連敗となれば印象も悪いため、二桁は絶対条件だろう。

照ノ富士にとっては勝負の3日間となるわけだが、本日の取り組み後の表情を見ると、膝の状態はかなり厳しい様子である。

こういう時こそ膝に負担のかかるような抱え込む強引な相撲ではなく、前に攻める相撲で負担を軽減したいところである。

是が非でも大関戦で白星を挙げて二桁に乗せたいところである。

3大関は昨日同様、良さを発揮したのではないだろうか。

優勝圏内の朝乃山は鬼門とも呼べる御嶽海相手に立ち合い頭で当たっていき、すぐに右四つ左上手の万全な形を作った。

今場所の御嶽海相手ならばと思う反面、こういう時に力を発揮するのも御嶽海という力士であるため、鬼門を難なく突破したのは大きい。

ここにきて朝乃山の相撲内容に厳しさが増してきた。

貴景勝は角番脱出。
隠岐の海に出足を止められたが、引くことなく愚直に押していって白星を掴んだ。

大関である以上目指すべきが勝ち越しではなく、優勝争いに関与してほしいところだが、とりあえず今場所に関しては角番脱出を果たして一安心といったところか。

正代は磐石な内容とは言い難いが、前半戦と比較すると立ち合いの踏み込みもまともになってきた方である。

それこそ大関として目指すが勝ち越しでは如何なものかと思うが、絶不調だと思われた今場所でも勝ち越しまであと1番までこぎつける辺り地力がある証拠とも言える。

一方正代の対戦相手である隆の勝が中盤戦以降相撲内容が崩壊している。

立ち合いの踏み込みもなく、前に出ようという意識はあるが上体だけで足がついていっていないため、叩きや突き落としにばったりと手をついてしまっている。

間違いなくこの1年で地力を付けており、上位にも定着しているが、現状は三役で勝ち越すレベルであり、まだ上を目指せるレベルではないといったところか。

番付順にいけば千秋楽には高安戦も控えているため、その前に勝ち越しは決めたいところである。

場所前から私が期待を寄せていた若隆景、明生が上位圏内で勝ち越しを決めた。

両者ともに上位戦でも一方的に圧力負けすることはなく、むしろ攻め込む場面も多い。

両者ともにかなり力をつけてきており、今後の活躍も楽しみなところである。

明日の注目の割は
『高安ー若隆景』
『正代ー照ノ富士
この2番である。

高安の残り3日間の対戦相手の中で最も怖い相手と言えるのではないだろうか。

過去の対戦成績も1勝2敗と負け越しており、若隆景のおっつけに苦しめられている。

今場所の立ち合いの踏み込みならば大丈夫だと思うが、腰高で左差しに拘るとおっつけの餌食になるだろう。

また若隆景の場合、立ち合い変化する可能性もある。
過去に1度変化で敗れているため警戒しなければならないが、考えすぎると正代戦のように固くなる可能性もある。

迷わずに今場所の力を出し切ることが出来るかどうか。

正代ー照ノ富士は、正代にとっては勝ち越しのかかる一番であり、照ノ富士にとっては二桁をかける一番である。

正代としては立ち合いしっかり踏み込み、もろ差しからの攻めだろう。

またもろ差しになっても照ノ富士に極められないように気を付けなければならない。

もろ差しの形を作り、横から崩して攻めるのが理想か。

照ノ富士としてはもろ差しは絶対に避けなければならないが、今場所の照ノ富士は抱え込みにいくことが多く、もろ差しになるのがうまい正代相手ではもろ差しの形を許す可能性が高い。

立ち合い低く踏み込んで左前ミツを引き、右四つに組み止めたいところである。

先場所の両者の対戦は照ノ富士としては珍しく俊敏性を見せて大熱戦を制したが、現在の膝の状態からすると先場所のような動きは期待できないだろう。

正代の調子も上向きであり、照ノ富士にとっては厳しい相手かもしれない。

優勝争いも佳境を迎えているが、星の差、対戦相手を加味すると高安有利だろう。

平成24年夏場所は高安の兄弟子である稀勢の里が、11日目終了時点で後続と星の差2つをつけながら終盤戦で崩れて優勝を逃したが、その時の稀勢の里と比較したら対戦相手は上位陣ではないため、多少の余裕はあるだろう。

逆に同格に負けられないとか変な重圧に襲われなければよいが。

私個人としては13勝以上の優勝を好むため、このまま高安に突っ走ってほしいところだが、仮に3敗に後退となっても優勝決定戦ならば良いという思いも強い。

残り3日間。
どのような展開となるだろうか…