きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

332. 2021年夏場所5日目を勝手に語る

本日で序盤戦が終了。

注目の『照ノ富士ー若隆景』の一番は照ノ富士が大きい相撲を取り、ただ一人序盤戦無傷とした。

若隆景としては安易に中に入ろうとせず、ハズ押しで攻めて流れを掴む作戦だった。

狙い通り攻めることが出来ており、その後右を深く差して左前ミツを狙おうとした瞬間、照ノ富士が左から小手に振り、体勢を入れ換えて押し出した。

昨日記載したが、好調な若隆景とはいえ、照ノ富士に勝てるイメージが沸かなかったため、ある程度予想通りともなってしまった。

照ノ富士としてはどっしり構えて、差してきたところを小手に振ると決めていたのだろう。

若隆景が緻密に計算して攻めていっても、技術を上回る圧倒的なパワーで粉砕した内容だった。

たらればもいいところだが、これで膝に爆弾を抱えていなければどれだけ恐ろしい力士だったのだろうか。

膝を負傷する以前より相撲技術自体は向上しているだけに、余計そのように感じてしまう。

昨日の御嶽海もそうだが、照ノ富士と対戦する力士は決して無策ではない。
むしろ途中までは計算通りに事を運んでいるとも言える。

しかし単純に照ノ富士が強い。
ただそれだけである。

序盤戦を見ていると、大関へ復帰したことへの安堵感で苦戦するといった姿はまるで見られない。

むしろ『自分(膝)との闘い』といったところであり、ここまでは強さを存分に発揮している。

しかし平成27年秋場所のように、独走態勢に入ってから膝を負傷し、逆転優勝を許した経験もあるため、強引な相撲だけは避けたいところである。

残りの大関陣も安泰。

貴景勝は霧馬山に右を差されかけたが、うまく回り込んで叩き込んだ。

押し切ることは出来なかったが、15日間全て完璧な相撲を取ることなど基本的には出来ないため、しっかり白星に繋げたことが何よりだろう。

角番正代は明生相手にやや時間はかかったが、角番の序盤戦で4勝は十分な成績と言える。

得意の左を差していたため、ある程度余裕もあっただろうし、全体通して気持ちにも余裕が生まれてきているのかもしれない。

正直絶対的な強さには程遠く、この先優勝争いに顔を出すようには感じないが、現状の正代の力量は良くも悪くも『大関を維持するだけの力量』と言ったところか。

向上心がないのはいただけないが、とりあえず今場所のノルマは角番脱出だろう。

朝乃山が翔猿を下して白星先行。
立ち合い変化に対応し、上手投げも足を掴まれ縺れたが、何はともあれ序盤戦白星先行は最低限だろう。

中身のない相撲が続いているが、今は我慢して白星を掴んでいくしかないか。
どこかできっかけをつかみたいところである。

三役に目を向けると、昨日敗れた高安は実力者の大栄翔を圧倒した。

立ち合いの当たりも良く、しっかり圧力もかけられており、完璧な内容だった。

正直大栄翔の突き押しに後退するのではないかと思っていたため、これだけの力強い相撲には驚かされた。

そして昨日照ノ富士に敗れた時点でこのまま下降線を辿ると思っていた御嶽海だが、苦手の隆の勝を下して4勝目をあげた。

照ノ富士に敗れたことによる集中力低下、その翌日に苦手相手と連敗要素だらけであったが、我慢して白星を掴んだ。

いつも隆の勝の右差しに苦戦していたが、本日は右を覗かれても我慢してハズ押しに徹底しており、逆に我慢出来ずに引いてしまった隆の勝を押し出した。

期待はしないが、それでも集中力切らさずに相撲を取ったことは何よりである。

一方隆の勝は我慢負けである。
正直今場所は絶対的な強さを感じさせない。

新三役から3場所連続で勝ち越しており、間違いなく地力はあるが、勝ち越しが関の山である力士なのか。

朝乃山同様、どこかできっかけをつかみたいところである。

明日の注目の割は
照ノ富士ー豊昇龍』
この一番である。

ついに期待の若手豊昇龍が初の上位戦である。

とはいえ現状照ノ富士とは歴然たる差である。

身体能力はピカイチであり、それで白星を挙げていることが多く、まだ相撲内容が確立されておらず、相撲自体も大き過ぎる印象である。

照ノ富士に勝つとしたら前ミツを引いて食い下がることだろうが、本日の若隆景同様、照ノ富士は大きな相撲を取るため中々難しいか。

とにもかくにも持てる力を全て発揮してほしいところである。

本日で序盤戦が終了したが、誰が照ノ富士を止めるのか。
照ノ富士の膝は最後まで持つのか。

中盤戦以降も注目である。