きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

323. 2021年春場所千秋楽を勝手に語る

照ノ富士が本割で貴景勝を下し、大関昇進&優勝と両手に花で幕を閉じた2021年春場所

史上初となる関脇以下で3回目の優勝を果たした。

まず本日の相撲内容を振り返ると、立ち合い当たって貴景勝の腕を手繰りにいこうとした。

これが不発に終わり、貴景勝の押しに後退する展開となったが、右が覗いており、左のおっつけも効いていたため、残すことが出来た。

貴景勝が小手に振る所、うまく足を運んで押し出した。

立ち合いに関しては失敗だったが、慌てず冷静に対処したという点では良しといったところか。

これで3場所36勝と大関昇進に関して何一つ文句はないし喜ばしいことだが、優勝の成績に関してはやや不満が残る。

本割で決めてくれたことには安堵の気持ちだが、やはり12勝という成績が物足りないということである。

この展開に陥った戦犯は終盤戦に大崩れした高安にあるが、前半戦で早々3敗以上を喫した大関陣にも問題がある。

朝乃山、貴景勝は10勝で場所を終えたが、大関としては及第点と言えるだろう。

しかし両者ともに照ノ富士には完敗してしまい、自力優勝のチャンスを不意にしてしまった。

横綱不在の中、横綱の次の番付である大関に期待をしたくなるのは当然の事とも言える。

しかしそこで確実に結果を残せるかどうかは別の話となる。

もし仮に毎場所のように13勝以上の成績を残せるような力士ならば、それは間違いなく横綱へ昇進できる力量を持った力士だろう。

歴代で最高位が大関である力士の勝率が皆『1場所平均10勝未満』というのはそういうことである。

良くも悪くも現在の大関陣は『大関の力量』しか持ち合わせていないということである。

場所中に鶴竜が引退を表明し、白鵬も7月場所に再起をかけるとしているため、来場所の休場が確定している。

年齢から考えても白鵬の引退は刻一刻と迫っており、多くのファンは新しい横綱の誕生を求めている。

そのため番付上最も横綱に近い3大関に対する期待は大きくなるのだが、上記の通り大関としては及第点の成績を残せても、横綱に昇進する力量を持ち合わせた力士が存在しないということである。

このまま大関として終わるのか、それとも横綱の力量を持ち合わせる力士へ成長を遂げるのか。

後者の場合、とにかく努力・精進しかないだろう。
来場所大関復帰を果たす照ノ富士も含め、今が絶好のチャンスである。

現在の3大関に関してはまず相撲内容を見直す必要があるだろう。

朝乃山は何度も記載しているように上手の取り方である。

今場所も照ノ富士に完敗したが、付け焼き刃のもろ手突きでは何の解決策にもなっていない。

現在の右四つの完成度では調子の良いときの栃ノ心逸ノ城よりも下と言っても過言ではない。

上手の取り方、廻しを切る技術、腕の返し方などとにかく稽古しかないだろう。

貴景勝は場所前に17kg減量し、これに関しては今後良い方向に働いてくると思っている。

如何せん以前までは増量し過ぎであり、膝への負担も大きかった。
あとは如何にして身体を慣らしていくかどうかだろう。

この力士に四つは不可能であるため、どれだけ押しに徹することが出来るか、序盤戦の取りこぼしを減らしていくことが鍵となってくるだろう。

そして皆勤負け越しを喫した正代だが、今場所は正代らしい立ち合いが皆無と言っても過言ではない程だった。

そして安易な引き技が癖になっているように感じる。

立ち合いの踏み込み良く、相手に圧力をかけられているときは引き技もうまくいくが、圧力が伝わっていない場合は墓穴を掘ってしまう。

立ち合いを修正して来場所は巻き返しを図りたい所である。

関脇・小結に目を向けると、まず終盤戦で大崩れした高安だが、終盤戦に関しては語るまい。

あそこまで酷く落胆し、分かりやすく相撲内容が崩壊する力士も珍しい。

しかし中盤戦までの強さ、安定感は本物だった。
そして今場所は右の使い方が巧かったため、相手に力を伝えることが出来ていた。

照ノ富士大関復帰を果たし、是非とも自分もという気持ちを持って来場所以降も臨んでほしいところである。

一応10勝には乗せたため、基点の場所にはなってくるだろう。

隆の勝はある意味今場所最も期待を裏切った力士とも言える。

後半戦はまるで良いところがなかった。
決して調子が良いわけではない朝乃山、正代にも完敗しており、とにかく負ける相撲が一方的だった。

序盤戦に記載していたが、立ち合いで立ち遅れることが多い。

この力士は出足で勝負する力士のため、立ち合いがかなり重要となってくる。
そのため立ち合いを見直す必要があるだろう。

先場所の覇者 大栄翔が千秋楽に勝ち越しを決めた。
初日から4連敗を喫した中、よくここまで盛り返したという思いがある一方、今場所二桁に乗せることが出来なかったという残念な思いも強い。

小結の場合、初日から上位陣と割が組まれるため、仕方ないと言えば仕方ないのだが。

御嶽海も千秋楽に勝ち越しを決めたが『あぁそうですか』といったところである。

今場所初日、2日目は良かったのだが、その後の展開はある意味いつも通りと言えばいつも通りだった。

15日間総合しての安定感に欠けているのはもちろんのこと、一発勝負における絶対的な強さにも陰りが見え始めている。

今年で29歳と決して若手と呼べる年齢ではないため、うかうかしていると三役の維持すら危うくなるだろう。

最後に三賞だが、予想の方で高安の存在をすっかり忘れていた。
結局千秋楽敗れたため受賞はならなかったが。

私個人としては明生の受賞を望み、おそらく厳しいという予想を立てていたが、条件付きとなり、結果受賞となったことは良かった。

今場所は場所前から期待していた若隆景、明生が期待通りの相撲で活躍し、三賞も受賞したため喜ばしいことである。

両者ともに前ミツ引き付けて食い下がる相撲を覚えたら更なる安定性向上に繋がると思うが、今後の活躍にも期待である。

また場所前展望にて照ノ富士の優勝も予想しており、結果的に的中させたわけだが、上記の通り素直に喜べない部分もある。

大相撲春場所もこれにて千秋楽。
数日後には4月へ突入し、春を迎えるが大相撲の春は終了した。

明日から退屈になるものだ。
ちなみに照ノ富士に関してはまだまだ書き足りないため、後日記載したいと思う。

無事と言っていいかはわからないが、今場所も15日間終えられたことは何よりである。

土俵上で熱戦を繰り広げてくれた力士達には感謝の気持ちでいっぱいであり、また大相撲ファンの皆さんも15日間お疲れ様でした。