大相撲11月場所もいよいよ終盤戦へ突入。
1敗、2敗力士は直接対決を除けば全員白星を挙げた。
立ち合いしっかり当たり、少し押し込まれる場面があったが、タイミング良く得意の左突き落としで決めた。
昨日も記載したが、正直琴勝峰が勝つイメージは土俵際逆転の突き落とししかないと思っていた。
しかし敗れたとはいえ、突っ張り合いでわずかだが反撃する場面も見られた。
決して悪い内容ではなく、今後に繋がる内容だろう。
この先も攻める気持ちを持って臨んでほしいところである。
貴景勝は昨日まで恐々突き放している印象を受けたが、本日はそのような心配もなかった。
明日以降も迷いなく、押しに徹してほしいところである。
妙義龍相手にもろ差しを許したが、両腕を強烈に極めて圧倒した。
本日の場合、常時前へ圧力をかけていたため、浅いもろ差しを許してもある程度余裕があっただろう。
出来ればもろ差しを許したくないところだが、本日のような内容ならばそこまで心配することはないか。
とはいえ、この内容ばかり続くならば厳しいのではないだろうか。
残り4日間。得意の右四つにしっかり組んでいくことが出来るかどうか。
立ち合いはもちろんのこと、四つに組み止められない時、慌てず対応できるかどうかが鍵となるだろう。
1敗の幕尻志摩ノ海は、志摩ノ海らしい相撲を取って1敗を死守。
今場所はとにかく我慢して頭を上げず、そしてそこからしぶとくおっつけ、ハズ押しで攻める形が光っている。
本日も立ち合いからやや押し込まれたが、決して頭を上げることはなかった。
そして頭をつけてから左からのいなしも絶妙だった。
好調力士というのは何をしてもうまくいくものであり、そしてさらにそこから奇跡を起こすには『運』も必要になる。
その運は9日目に片鱗を見せた。
13日目以降、どのような割が組まれるのか注目である。
平幕2敗同士の宝富士ー竜電は熱戦の末、竜電が2敗を死守した。
宝富士としては2日連続の熱戦となり、持ち味は発揮したが及ばずといった展開である。
得意の左四つに組み、十分の上手も引いて寄ったが、竜電も左四つで十分であり、上手が1枚だったがそれが命綱となった。
そこからは竜電のしぶとさが光り、頭をつけて最後は出し投げで崩して勝負を決めた。
1枚廻しでよく我慢した内容だった。
今場所の竜電は要所で出し投げの巧さを見せているが、正直ここまで2敗で迎えているほど印象に残っているかと問われるとそうではなかった。
ここ数場所は前ミツを引くことも少なく、また長所であるしぶとさが全く見られず、あっさり土俵を割る場面が多かった。
今場所は大きく番付を下げている影響もあるだろうが、この地位ならば頭ひとつ抜きん出るということか。
良いときの竜電の相撲が全面に出ている様子である。
元々実力者ではあるが、終盤戦に来てノーマークに出来ない存在となった。
明日の注目の割は
『貴景勝ー宝富士』
『御嶽海ー照ノ富士』
『竜電ー志摩ノ海』
優勝争いに関わる取り組み全てである。
まず貴景勝ー宝富士だが、今場所の内容を見る限り、宝富士が好調とはいえやはり貴景勝有利と考える。
今場所の宝富士はどっしり構えているが、ここ2日間長い相撲が続いており、体力面の心配もあるのだが、それ以上に貴景勝としては比較的押しやすい相手とも言える。
貴景勝が迷いなく、自分の相撲に徹することが出来れば問題ないと思うが、宝富士としても照ノ富士への援護射撃を果たしたいところだろう。
照ノ富士ー御嶽海はここ数日の内容を見るならば俄然照ノ富士有利だろうが、こういう時に力を発揮させるのが御嶽海という力士である。
また照ノ富士は圧倒しているとはいえ、もろ差しを許しているという事実はある。
差し身の良い御嶽海相手に、安易な気持ちで抱え込みにいくことだけは避けたいところ。
目指すは2場所前、優勝を決めたときの御嶽海戦だろう。
あの時は両外前ミツを引いて圧倒した。
優勝争いを考えたとき、ここで落とすわけにはいかない。
竜電ー志摩ノ海の平幕好調同士の一番は、両者ともに持ち味のしぶとさを発揮している。
基本は竜電が四つ、志摩ノ海が押しであるが、志摩ノ海も前ミツ引いて頭をつける相撲も取ることが出来るため、どちらが相手に嫌がられる相撲を取ることが出来るかどうか。
そして貴景勝、照ノ富士の13日目の割が気になるところである。
この流れならば千秋楽『貴景勝ー御嶽海』の割が崩される可能性もあるが、私個人としてはその展開は避けてほしいと考えている。
しかし割を崩さない限り、貴景勝としては竜電、志摩ノ海どちらかと割が組めない状態となる。
だから昨日の妙義龍との割が悠長なんだよ。
まぁ愚痴はこれくらいにして、明日の3番を楽しみに待っていようか。