きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

260. 2020年11月場所10日目を勝手に語る

大相撲11月場所も本日で中盤戦が終了。

中盤戦を終了して、出場している幕内力士の最高位と最下位がトップに立つ展開となった。

まず貴景勝だが、お得意様の妙義龍を下して連敗は免れた。

とはいえ昨日今日とやけに恐々取っている印象を受ける。

昨日は小兵力士相手ということもあり、よく見て突き放したと言えるが、本日妙義龍相手にそれが必要だったかと問われると疑問である。

しかも『よく見て突き放した』というよりは『恐々取っていた』ように見えたため、終盤戦に影響しなければ良いのだが。

とりあえず連敗しなかったことが何よりであり、終盤戦以降も積極的な押し相撲に専念してほしいところである。

連敗中の照ノ富士が翔猿相手に豪快なつり出しを決めた。

豪快と言えば聞こえは良いが、出来れば中に入られる展開を避けたいところだった。

本日は翔猿がまともに二本差してきたことが幸いした。

こういう相撲はたまに見る分には良いが、膝に負担をかけないためにも避けたいところである。

とりあえず照ノ富士も連敗を止めて勝ち越したことが何よりか。

大関昇進への基点とするために二桁へ乗せたいところであり、優勝争いという点でもまだ貴景勝との直接対決は残されているため、食らいついてほしいところ。

そして本日最も見ごたえのあった一番が『北勝富士ー宝富士』である。

両者ともに狙いがはっきりしており、意地と意地のぶつかり合いとなった。

まず宝富士としては自分の型である左四つに組むため、左を固めて何度も当たっていった。

一方北勝富士としてはその左を差させないために、徹底して左を封じにいった。

北勝富士のしつこいおっつけ、ハズ押しを見せる中で右四つに組む展開となった。

当たりを止めて組めば宝富士が有利かと言われたらそうでもない。

宝富士としてはやはり左四つにならなければ力は半減し、逆に北勝富士は組まれても上手さえ取らせず、頭をつける形を作ればまだ相撲を取ることができる。

最後は北勝富士が右を深く差して頭をつけて攻めていったが、宝富士も好調だからこそ逆転の小手投げを放ち、際どい一番となった。

そして結果取り直し。
取り直しの一番も両者の狙いは同じである。

取り直し前と同様の激しい攻防の展開となったが、最後は北勝富士が粘り勝ちした。

宝富士はこれで2敗へ後退したわけだが、この一番の黒星に対して文句をつける者など存在しないだろう。

押し相撲と四つ相撲の執念がぶつかり合ったわけだが、押し相撲と四つ相撲でこれだけ長い時間相撲を取るのは珍しい展開である。

それだけ本日この一番は本当に素晴らしい取り組みだった。

もう一人の1敗力士である幕尻の志摩ノ海は、千代の国相手に完勝。

立ち合いしっかり踏み込み、右を差しながら相手の引きに乗じてうまく体を寄せた。

昨日は運も味方につけた展開となり、本日は『こんなに強かったか?』と思わせる相撲だった。

今年は幕尻優勝が2場所あるため、この先恐い存在になる可能性は高いだろう。

貴景勝照ノ富士、宝富士とはどのタイミングで割を組むのか。

もたもたしている暇はないだろう。

両関脇に目を向けるが、両者ともに『何やってるんだ』と言いたくなる内容だった。

まず本日白星の隆の勝だが、なぜ本日の相撲をこの3日間取ることができなかったという点で上記の思いが生じた。

本当に3連敗がもったいない。
それだけ本日の相撲は完璧だった。

右差し速攻は良い型であるが、まずはしっかり当たって突き放していくことが重要ということか。

改善、修正の余地があり、まだまだ成長できる要素があるため、頑張ってほしいところである。

そして御嶽海だが、昨日の敗戦で集中力が切れた内容である。

この力士の場合、15日間に強さと弱さを混在させるため、本日は弱い一面を見せたと言えばそれまでなのだが、それにしても落胆させる内容であった。

まだ1敗、2敗力士との対戦は残されているため、3敗で踏み止まってほしかったのだが、やはりこの力士に期待するというのは難しい注文のようである。

明日の注目の割は
貴景勝ー琴勝峰』
この一番である。

貴景勝が自身より若い力士と対戦すること自体もなかなか珍しいことであり、若手期待の琴勝峰がどこまで力を発揮するか注目である。

何度か記載しているが、正直現在の琴勝峰は『絶対的な強さ』は見られず、どちらかと言えば『懐の深さ』を生かした逆転勝ちが大半である。

しかしその懐の深さを生かしてこの2日間、両関脇から白星を挙げた。

貴景勝としても、この懐の深さに注意しなければならない。

特に土俵際は注意しなければならないが、だからといって本日のように恐々突っ張りにいっては肩越しからでも上手を引かれる可能性が高い。

貴景勝隠岐の海戦で見せたように、立ち合いしっかり踏み込み、ハズ押しで一気に攻める相撲が理想だろう。

明日から終盤戦へ突入するが、今場所も幕尻力士が不気味である。

終盤戦へ突入しても貴景勝は、1人大関という重圧に潰されることなく、自分の相撲に集中出来るかどうか。

終盤戦も目が離せない。