きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

234. 2020年秋場所12日目を勝手に語る

優勝争いも星の潰し合いの中絞られつつあり、2敗の直接対決、3敗の直接対決でそれぞれ敗れた若隆景、照ノ富士が後退する形となった。

さすがにこの終盤戦で4敗目は脱落と言えるだろう。

実は私自身密かに正代、照ノ富士が3敗で決定戦と予想していたのだが、その予想が崩れる照ノ富士の4敗目となった。

まず2敗平幕同士『若隆景ー翔猿』から振り返ろう。

昨日私はおっつけのうまさがあるため若隆景有利と予想していたのだが、若隆景が自分の相撲を信じることが出来ず、立ち合い左に変化してしまった。

決めにいく変化でもなく、一応左で廻しを狙う形ではあったが、それにしてもやや中途半端な変化に感じた。

昨日の阿武咲もそうであったが、動きの良い新入幕が相手ということで自分を見失ってしまうのか。

若隆景が今場所見せてきた力強さ、動きの良さを発揮することが出来なかった。

一方の翔猿は相手の事などお構いなしに自分の相撲を貫き、この2日間星の潰し合いを制している。

今場所新入幕であり、さらには自分の相撲を取り切っており、いまや恐いものなどないだろう。

明日が今場所初めて、というかは新入幕のため全てが初めてであるが、上位圏内の力士と割が組まれた。

ここでも変わらず攻めの姿勢、動きの良さを発揮することが出来るかどうか注目である。

3敗平幕同士『照ノ富士ー阿武咲』は、阿武咲が昨日のうっぷんを晴らすかのような内容で優勝圏内に残った。

立ち合いは五分であり、その後も照ノ富士がしっかり腰を落とし阿武咲に攻めさせず、むしろ照ノ富士がうまく取っているように見えたのだが、阿武咲が左下手を引き、強烈な右ハズ押しで形勢逆転した。

完全に照ノ富士の展開であると思っていたため、あの右ハズ押しには驚かされた。

昨日もこれだけ思い切った相撲を取れたら展開も変わったのだろうが、こればかりは仕方ないか。

阿武咲としては残り3日間も本日のような相撲を心掛けることが重要だろう。

一方の照ノ富士
『初日から連敗を喫しての優勝』
『平幕連続優勝』
この2つの夢はほぼ絶たれた。

終盤戦へ突入し、膝への負担ももちろんあるのだろうが、それ以上に隆の勝、阿武咲が照ノ富士に対して最高の相撲を取ったという印象の方が強い。

いまや照ノ富士は一発勝負で考えるならば、横綱を除けば御嶽海と並ぶ存在だろう。

しかし15日間総合と考えると、まだ課題もあるというところか。

いずれにせよ先場所は復活優勝、今場所は上位圏内でしっかり勝ち越しているため、結果を残しているだろう。

とにかく今場所は二桁目指して残り3日間臨んでほしいところである。

上位陣の優勝圏内の力士に目を向けると、2敗の貴景勝が不戦勝により2敗を守った。

これで今場所大関の不戦勝は3つ目である。

これに関して貴景勝、朝乃山に罪はないのだが、確実に批判の声も多くなるだろう。

かれこれ20場所大関の優勝が見られず、さらにはその間関脇以下の優勝が8場所を数える。

今場所は初日から横綱不在、さらに不戦勝の追い風がある中優勝を果たせなかった場合、非難轟々になる可能性は高い。

ましてや優勝しても『不戦勝があったから』とケチをつける者も存在するだろう。

貴景勝にしろ朝乃山にしろ、白星の上積みはもちろんのこと、圧倒的な内容な周りを黙らせるしかないだろう。

本日の朝乃山は、かつて苦手としていた大栄翔相手にやや攻め込まれる場面もあったが、慌てることなく攻め切って3敗を死守。

十分に捕まえる展開にはならなかったが、大栄翔の突っ張りを下から跳ね上げ、逆転を狙った突き落としにもしっかり足を運ぶことが出来た。

とにもかくにも朝乃山としては全勝以外優勝への道は開けない。

残りの3日間、苦手御嶽海、2敗の正代、貴景勝と対戦するが、引きずり下ろすことが出来るかどうか。

2敗の正代はお得意様の宝富士相手ということもあってか、自信満々に自分の相撲を取り切った。

気分良く明日以降の上位戦へ臨むことが出来るだろう。

明日の上位割は
貴景勝ー正代』
『朝乃山ー御嶽海』
『隆の勝ー翔猿』
見所多くこの3番だろう。

その中でも最も注目なのが
貴景勝ー正代』の上位2敗同士の取り組みである。

勝った方が優勝へ大きく近付く一番である。

この対戦は一時期貴景勝が正代をカモにしていたが、このところは正代が2連勝中である。

昨年の九州場所から正代を立ち合いの踏み込み、圧力が増しており、それにより貴景勝に当たり負けしなくなったことが最大の要因である。

貴景勝としては立ち合いは五分だとしても、その後愚直に押していくしかないだろう。

下手にいなすのではなく、ハズ押し、おっつけ、突っ張りでとにかく前に出ることだろう。

一方の正代も立ち合いの踏み込みだけで圧倒することは出来ないだろうから、その後どのように対応していくかが鍵である。

これに関してはここ数日記載しているが、今後の課題でもある。

どちらが前進し、どちらが後退するのか。
楽しみである。

そして『朝乃山ー御嶽海』だが、この一番に関しては、朝乃山の真価が問われる一番である。

何度かきさいしているが、15日間総合しての強さは朝乃山の方が上だが、一発勝負ならば御嶽海の方が上である。

朝乃山が大関取りの場所でも、新大関の場所でもいつも立ちはだかるのは御嶽海だった。

今場所も初日から泥沼の3連敗と地獄を見たが、その後見事に復調し、その中での御嶽海戦である。

この壁を乗り越えない限り、朝乃山の真価を発揮することはないかもしれない。

一方の御嶽海も、三役で2場所連続二桁勝利のためには1つも落とすことが出来ない。

出世争いで先を越されたライバルに一矢報いることが出来るかどうか。

最後に『隆の勝ー翔猿』だが、この一番に関しては隆の勝に意地を見せてもらいたい気持ちが強い。

事実上割り崩しが困難になった状況の中、翔猿の残り3日間は隆の勝、照ノ富士+αという形だろう。

そのため展開次第では、上位陣が星の潰し合いをしている中、うまいこと抜け出して優勝してしまう可能性も高いのである。

そういった意味でも隆の勝の役割は重要だし、さらには貴景勝への援護射撃にも繋がる一番である。

今場所の相撲内容だけを考慮するならば、翔猿の押しの力の向上、動きの良さがあっても、隆の勝の圧力、右差し速攻の前では通用しないのではないだろうか。

それだけ今場所の隆の勝は、上位で結果を残しているということである。

しかし阿武咲、若隆景のように警戒し過ぎると、翔猿のペースに巻き込まれるため、隆の勝としてはとにかくここまでの自分の相撲を貫き通すことだろう。

優勝争いも佳境を迎えている。

2敗力士は1人になるのか、それとも2人になるのか。

明日が待ち遠しい…