きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

259. 2020年11月場所9日目を勝手に語る

本日より後半戦へ突入した大相撲11月場所。

そして早速だが、まず翔猿に謝らなければならない。

翔猿が全勝の貴景勝相手に殊勲の星を挙げた。

正直翔猿が貴景勝に勝つイメージがまるで沸かなかった。

まず今場所の翔猿は先場所と異なり、身体の動きが全く良くなかった。

番付を上げたことで単純に翔猿の動きが通用しないとも考えていた。

要するに翔猿にとって前頭4枚目という地位はまだ家賃が高いということである。

そして何より、貴景勝は小兵力士を相手にするのが非常にうまい力士である。

上記の理由より、貴景勝が高確率で勝つと予想していたが、これが一発勝負の恐ろしさである。

貴景勝としてはいつも通り小兵力士相手に見せる『見ながら突き放す』ことを選択した。

そしていつも通りそれで先手を取ったが、翔猿がそこから引き、いなしなどで崩そうとするのではなく、逆に突き返していった。

しかもその威力はなかなかのものであり、逆に貴景勝を引かせることに成功した。

貴景勝としては引いたことでやや冷静さを失い、少し距離が出来て阿字ヶ浦揃ってしまったところ引き技を食ってしまった。

貴景勝としてはいつもと異なる小兵力士の反撃に対応することが出来なかったことが敗因だろう。

いずれにせよ本日の翔猿は本当に素晴らしかった。

先場所の活躍もフロックではないことの証明にもなっただろう。

そして翔猿関、申し訳ありませんでした。

本日最も注目していた『照ノ富士ー高安』の取り組みは熱戦の末、高安が制した。
これにより照ノ富士が連敗を喫した。

本日は高安が終始先手で攻め続けた。

照ノ富士は何度崩されても何とか残していたが、残すのに精一杯という形だった。

そして何より、高安らしからぬと言ったら失礼だが、高安の攻めが早かった。

まず立ち合いしっかり踏み込み、高安得意の左は覗く形であったが、差すのが難しいとみるやすぐにいなして照ノ富士の体勢を崩した。

その後も何度か右四つになる展開となったが、高安は右差しの形になってもすぐに肩透かしで照ノ富士の体勢を崩し続けた。

最後は左上手を引いて頭をつけてうまく出し投げを決めた。

昨日も記載したが、やはり右四つになっても上手さえ取れば高安は力を発揮するし、そして当たり前と言えば当たり前なのだが、右四つでも照ノ富士が形を作る前ならば力は発揮できないということである。

本日の照ノ富士の相撲を見ると、昨日の黒星を引きずることなく、集中して取り組んでいる様子だった。

そうでなければ最初のいなしで勝負は決まっていただろう。

しかしそれでも結果的に連敗となってしまった。

この連敗により集中力が途切れてもおかしくないし、また初日前から懸念していた通り膝への負担も気掛かりである。

連勝中は無我夢中で気にならないだろうが、負けが込むと痛みも意識してしまうものだろう。

何とか切り替えていってほしいところだが。

4連勝とエンジンがかかってきたように感じていた御嶽海だが、2回の待った(御嶽海としては突っ掛け)で余計なことを考えてしまい墓穴を掘った。

ここ数日のようにしっかり当たり、圧力をかけていけば良いものを、待ったにより集中力が切れたのか、中途半端な上手を狙った変化で墓穴を掘ってしまった。

集中力を欠いてしまった御嶽海に問題があるのは承知の上だが、とはいえ正直本日の妙義龍の立ち合いにも疑問が残る。

先に自分が手を下ろしているのに、なぜ御嶽海が当たりにくると待ったをするのだろうか。

両者合わせなければならないのはもちろんだが、正直本日の妙義龍の立ち合いは見ていて不快だった。

1敗の平幕力士2名は両者ともに白星を挙げ、勝ち越しを決めた。

そして両者ともに、好調だからこそできる動きを見せた。

まず宝富士だが、隠岐の海相手に逆転の突き落としを決めた。

両者相四つの左四つであり、なかなか上手が引けない展開だったが、隠岐の海が流れの中でうまく右前ミツを引いて攻め立てた。

隠岐の海としては最高の形であり、宝富士としては下手も引いておらず圧倒的不利な体勢であったが、土俵際逆転の突き落としを決めた。

これは好調の時にしか出せないものであり、俗に言う『実力以上の力』というものだろう。

記憶に新しいのが、今年の初場所の覇者である徳勝龍である。

あのときも実力以上の力を発揮して5日連続の突き落としを決めて、奇跡の優勝を手繰り寄せた。

そしてそれは志摩ノ海にも言えることかもしれない。

志摩ノ海はここまで8日間、自分の相撲を取り切って7勝を挙げていた。

今場所の志摩ノ海の相撲内容は本当に素晴らしいのだが、しかしそれだけではどこかで崩れるだろうという思いは強かった。

そして本日実力以上の力を発揮した一番になったのではないだろうか。

豊山に終始攻められ、おっつけで横を向くような形となったが、そこからうまく身体を回転させ逆転に成功した。

宝富士、志摩ノ海ともに本日は相撲内容において実力以上の力を発揮させた。

そして貴景勝が敗れて星が並ぶ展開となった。

好調力士に『運』が加わると本当にわからなくなるものである。

明日の注目の割は
照ノ富士ー翔猿』
この一番である。

本日の相撲で翔猿としてはかなり気分を良くしただろう。

一方照ノ富士は連敗を喫し、集中力が途切れてもおかしくない展開である。

照ノ富士としては嫌なタイミングで小兵力士と組まれたが、とにかく強引な相撲だけは避けたいところである。

どっしり構えて翔猿に相撲を取らせないことが重要だろう。

そして昨日記載したが、何も考えず貴景勝ー妙義龍の割を組んでしまったようである。

本日翔猿戦を見せてもわかるが、勝負に絶対はない。

しかし明らかにこのタイミングで組む割ではないだろう。

玉鷲、遠藤辺りを先に当てては何か問題でもあるのだろうか。
本当に不可解である。

とはいえ初黒星を喫した貴景勝は、明日切り替えて相撲を取ることが出来るかどうか注目である。

明日で中盤戦が終了する。

全勝力士が消え、まだまだ波乱が起こりそうである。