きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

239. 2020年秋場所千秋楽を勝手に語る

横綱不在で始まり、良く言えば混戦、悪く言えばどんぐりの背比べである場所を、関脇正代が初優勝を果たして幕を閉じた2020年秋場所

審判部長が理事長に臨時理事会の開催を要請し、理事長が許可したため、正代の大関昇進がほぼ確定したと言える。

初優勝と大関昇進の両手に花となった。

3日目終了時点で私は
正代=御嶽海>貴景勝>高安
という予想を立てており、御嶽海、高安に関しては的外れもいいところだったが、正代に関しては予想通りとなり、少し嬉しい面もある。

本日の内容に目を向けると、相手を見ていった事もあるだろうが、それにしても身体は固く、ほとんど動いていなかった。

それでもどんなことがあっても冷静に対処しようという意識はあり、後退してから逆襲に転じる場面も無理に前へ出ず、いなされた瞬間、土俵際逆転の突き落としも余裕とまではいかないが、うまく対応出来たというところか。

今場所だけに限らず、昨年の九州場所からもろ差しに拘らず、前に出る意識が強くなり、そして今年に入ってから立ち合いの圧力、踏み込みが強くなり、上位でも結果を残せる力を付けてきた。

その一方、今場所浮き彫りになった課題でもあるが、立ち合いで圧倒出来なかった場合の対応である。

本日も課題を完全に克服した内容ではなかったが、冷静に相撲を取ったという点は良かったと思う。

正代の新入幕は4年半前だが、そこからすぐに上位へ躍進する姿を見ても、私は正代に対してそこまで期待を抱いていなかった。

三役と平幕を行ったり来たりする程度と思っていたため、今年に突入してからの目覚ましい活躍には驚くばかりである。

上記の通り課題も多いが、大関へ昇進しても攻めの姿勢を忘れずに取り組んでほしいところである。

一方正代に敗れた翔猿は昨日同様、本日も最高の相撲内容だった。

むしろ本日は昨日以上の内容であり、翔猿の全てを出し切った一番だと思うが、勝敗に関しては正代の経験が勝ったというところか。

終盤戦平幕好調同士の一番を次々と白星へ結び付け、負けたとはいえ14日目、千秋楽の相撲も大きな自信となるだろう。

新入幕としては十分すぎる活躍であり、大相撲ファンも15日間を通して翔猿の見方が変わっただろう。

28歳と決して若手と呼べる年齢ではないが、相撲内容自体は若々しいため、今後の活躍に期待である。

横綱不在の中、出場している力士の中では最高位である両大関に関しては後日別途記載したいと思う。

正代以外の関脇陣に目を向けると、御嶽海が見事に裏切ってくれた。

ある意味では実力通りと言えばそれまでなのかもしれないが、今場所は特に酷さを感じた。

まず本人も自覚してほしいことは、終盤戦へ突入して『割崩しをされてしまった』ことへの屈辱である。

正直14日目、千秋楽と翔猿が貴景勝、正代と組まれたことに関して、審判部には対応が遅いという文句、不満が多く募っていた。

まぁその感情は抜きにして、翔猿がこの2名と対戦するよりも、御嶽海が対戦した方が期待は持てると思っていた。

しかし蓋を開けてみれば翔猿の健闘、御嶽海は14日目こそ意地を見せたが、千秋楽は惨敗。

これを見て『これじゃあ割を崩されても仕方ねえわ』と感じた。

朝乃山戦もそうだったが、いつも朝乃山の妨害(?)をするときの気迫は全く見られず、意欲も何も感じなかった。

正代は相撲内容を変化させて大関の座を掴んだが、根本から変化させたと言えばそうではない。

むしろ一番変わったのは『相撲へ取り組む姿勢』いわゆる『気持ちの問題』だと思う。

御嶽海には大関へ昇進するという意欲はまるで感じさせない。

むしろ現状維持に満足してしまっているだろう。

貴景勝、朝乃山、そして正代と次々に昇進争いで先を越されてしまっている。

ここで奮起しないならばここまでの力士ということだ。

新関脇大栄翔は、正直大栄翔には申し訳ないが、大関昇進という概念から話を進めるならば何一つ期待していなかった。

ここ数場所上位に定着し、横綱からも白星を挙げるなどノーマークにできない存在である。

先場所も11勝を挙げたが、とはいえそれが2場所連続はないと考えていたため、私のブログに目を通している方なら気付いていると思うが、今場所大栄翔に関する話題は皆無だった。

意外だったのは二桁負け越しを喫したことか。

今場所は中堅~ベテラン力士が苦労した場所と言える。

ベテラン力士で言えば隠岐の海玉鷲、妙義龍、栃ノ心琴奨菊松鳳山である。

琴奨菊松鳳山に関しては平幕下位で全く結果を残すことが出来ず、十両陥落が確定である。

隠岐の海玉鷲、妙義龍、栃ノ心に関しては上位戦まるで歯が立たなかった。

隠岐の海は何気に今場所の覇者正代に土をつけているだが、15日間総合するとあっさり土俵を割る場面が多く目立っていた。

玉鷲も序盤戦は比較的良かったが、中盤戦以降は精彩を欠き、得意の突き押しがまるで通じず、むしろ四つ相撲相手に押し負けているレベルだった。

妙義龍も初日から3連勝と好調だったが、上位戦ではまるで歯が立たず、上位の力量ではないように感じさせた。

栃ノ心に関しては叩くことしか考えていないのではないかと思うくらい酷すぎる内容だった。
逆によく6勝もしたものだと感じさせた。

中堅に目を向けると遠藤、北勝富士が散々と言える内容だった。

遠藤は初日こそ朝乃山に勝利したが、元々同格力士相手に勝ち切れず、その後は良いところなく途中休場となった。

怪我もあったため仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが、遠藤らしい巧い相撲、粘りが見られなかったことが残念であった。

北勝富士に至っては、今場所出場していたのかどうかわからないレベルで印象に残らなかった。

貴景勝に勝利したが、その一番に関しても貴景勝が墓穴を掘ったという印象が強いため、北勝富士の強さを感じさせることはなかった。

両者ともに貴景勝、朝乃山、正代の大関へ昇進した力士に地力では完全に劣っており、さらには若手の台頭に押されている印象を受ける。

まだ完全に老け込むような年齢ではないため、奮起してほしいところである。

三賞に目を向けると、私の予想が大きく外れる結果となった。

若隆景、阿武咲が受賞できなかったのは意外だった。

それよりも私は隆の勝に受賞させたい思いが強かった。

上位圏内で二桁勝ち、素晴らしい相撲内容であったが、新入幕の翔猿に敗れたことが原因か。

今場所は始めにも記載した通り、混戦と言えば聞こえは良いが、安定して13勝を挙げられる力士が存在しないため、どんぐりの背比べ状態であった。

今場所は正代が13勝を果たしたものの、少し状態を崩せばどうなっていたか。

各々の地力の差はもちろんあるのだが、それを15日間安定して発揮できるかと言えば難しいところである。

横綱も年間を通じて万全であることはもうないだろうから、今後もこのような展開が続く可能性は高い。

来場所以降もどうなるか…