きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

235. 2020年秋場所13日目を勝手に語る

上位陣による星の潰し合いが始まった秋場所13日目。

本日最大の注目である『貴景勝ー正代』は関脇正代に軍配が上がった。

立ち合いはほぼ五分だったが、その後は正代の方が攻める形となった。

貴景勝としては相手に合わせて相撲を取りすぎたようにも感じた。

本来ならば下から押し上げていきたいところだっただろうが、連敗中の内容は叩きや突き落としを食って敗れているため、それを警戒しすぎて相手を見すぎたか。

結果として正代に攻め込まれ、上体だけで攻める形で足が出ず、突き落としを食ってしまった。

正代としては立ち合いで圧倒出来ない展開になっても攻める気持ちは出ており、相手をしっかり見て冷静に対処した内容だった。

昨日照ノ富士が4敗目を喫した時点で、私の中では正代有利の展開になったと思ったが、本日2敗同士の対戦に勝利し、ますます有利な展開となった。

残り2日間の対戦相手は朝乃山、翔猿となるだろうが、自分の相撲を取り切ることが出来るかどうか。

大関昇進のためにもこのチャンスを不意にするわけにはいかない。

もう一人の2敗力士である新入幕翔猿は、隆の勝を下して2敗を死守した。

あっけない相撲で勝負が決まり、私はおそらく隆の勝が待っただと思ったのだろうと考えていたが、話を聞くとお互い待っただと思っていたとのことである。

これが好調力士の幸運、そして実力以上の力の発揮というものか。

今年の初場所、徳勝龍が優勝したときもそうだったが、神懸かったように全てがうまくいくし、運も味方につけている。

正直本日は隆の勝がある程度様子を見ながら突き放して、流れの中で右を差して前に出て圧倒する内容だと考えていた。

しかしその予想とは裏腹に、まさかの内容で翔猿が白星を掴む展開となった。

昨日も記載したが、いまの翔猿に恐いものなどないし、負けて元々の地位のため、残り2日間も楽しみである。

対戦相手は貴景勝、正代となるだろうが、もはや対戦相手など関係ないだろう。

3敗の朝乃山は苦手御嶽海を下して3敗を死守。

本日の朝乃山はとにかく集中力が凄まじかった。

立ち合いの踏み込み鋭く、右も差し勝ち、上手も早く、その後の投げも強烈だった。

御嶽海がだらしないと言えばそうなるのかもしれないが、それ以上に朝乃山の集中力が凄まじかったと感じた。

鬼門を突破し、展開次第ではまだ自力優勝の可能性も残されている。

とにかく残り2日間、全勝するしか優勝への道は開けないため、本日のように集中力を研ぎ澄まして臨んでほしいところ。

3敗の阿武咲は完璧という言葉以外思いつかないくらい完璧な相撲で3敗を死守した。

相手の宝富士が立ち合いで変わってくる相手でもないため、阿武咲としては思い切って相撲を取った様子である。

それにしても宝富士は昨日の正代戦といい、好調力士相手に佳いところなく連敗である。

上記の通り、立ち合い変化がほとんどないため、相手にとっては自信を持って臨んでいけるのだろう。

宝富士としても少し工夫が欲しいところである。

優勝争いとは異なる話題だが、琴奨菊が幕内残留のために必要な白星を挙げることが出来ない11敗目を喫した。

攻めても逆転を食らい、攻められたら抵抗なく土俵を割る。
とにかく相撲になっていない。

大関ということもあり、十両で取る姿は見たくないし、琴奨菊自身も再出場した理由は十両で取りたくないからだろう。

残り2日だが、琴奨菊の最後が近付いているのかもしれない。

明日の注目の割は
『朝乃山ー正代』
貴景勝ー翔猿』
『隆の勝ー阿武咲』
『御嶽海ー若隆景』
優勝争いに関する取り組み全てである。

最も注目の割は
『朝乃山ー正代』である。

立ち合いの当たりはだろうが、差し手争いはどうなるか。

朝乃山の右と正代の左がポイントになるが、差すことだけに執着していては劣勢に回る可能性が高いため、如何にして攻めながら自分の形に持ち込めるかが勝敗の鍵を握るだろう。

ここまで13日間の総合ならば正代有利だと考えるが、ここ数日朝乃山の相撲内容は厳しさを増しているため楽しみな一番である。

貴景勝ー翔猿』は1差同士の対戦である。

この割を見た瞬間『あぁ~割り崩しをしちゃった』と今場所も割の編成の不甲斐なさを感じた一方、その感情を抜きにすれば新入幕翔猿が大関相手にどれだけの相撲を取ることが出来るのかという楽しみもある。

貴景勝は小兵力士を相手にするのがうまい力士であるが、翔猿は上背はないものの、小兵力士とは言い難いバランスの取れた体型をしている。

様子を見ながら突き放していくだろうが、本日のように様子を見すぎて足が出ないと翔猿としては中に入るチャンスがあるかもしれない。

上記の通り、正直本日隆の勝戦で敗れると思っていたため、こんな展開になるとは思っていなかった。

もしも貴景勝に勝つようなことがあれば、千秋楽の割は間違いなく正代となるだろう。

そしてひょっとしたらひょっとするのかもしれない。

3敗の阿武咲は隆の勝との割が組まれたが、隆の勝側から見ると、三役昇進はほぼ確定しているとはいえ、これ以上上位圏外の力士に敗れるわけにはいかない。

本日は仕方ないと割り切るしかないが、明日以降しっかり引き締めて上位圏内で勝ち越したという称号に泥を塗らないような相撲を取ってほしいところである。

阿武咲としては優勝争いで現状自力優勝が消滅しており、追いかける立場のため、特に気にせず本日のような相撲を取り切ることが重要だろう。

最後に『御嶽海ー若隆景』だが、若隆景が役力士と対戦する姿を見るのも楽しみなところである。

今場所見せている力強さ、巧さをどこまで発揮することが出来るかどうか。

一方御嶽海は成績不振により割り崩しを行われ、貴景勝戦、正代戦が無くなってしまい、その屈辱の中で下位の力士相手に圧倒できるかどうか(厳密に言えば展開次第ではどちらか一方と対戦する可能性はあるがおそらくないだろう)。

正直ここで敗れるようならば、やはりそこまでの力士だったということだ。

そもそも今場所二桁勝利を果たすことができなかった時点で、この力士の大関昇進は無理なことなのだと感じた。

優勝争いも佳境を迎えている。

千秋楽は相星決戦になるのか。
それとも単独先頭の形となるのか。
はたまた決定戦に持ち込まれるのか。

明日も目が離せない。