きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

215. 2020年七月場所14日目を勝手に語る

本日より8月へ突入。

年6場所制以降、初めて8月にまたがって場所が続いている2020年大相撲七月場所。

その七月場所も14日目を終了し、優勝争いも佳境を迎えている。

それにしても二転三転する場所である。

昨日、今場所最大の焦点とも言える割となった『朝乃山ー照ノ富士』。

それに勝利して完全復活を印象付けたとともに、劇的な復活優勝も目の前に迫ったところで、照ノ富士の黒星。

そしてこの時点で自力優勝の可能性が生まれた朝乃山。

俄然気合いが入る展開となったわけだが、チャンスをモノにすることが出来ず、終盤戦で痛恨の連敗。

まず照ノ富士の相撲から振り返ろうと思う。

昨日の強さはどこへやらと言いたいところだが、正直本日の照ノ富士の相撲内容に悪いところは無かったように感じた。

立ち合いはしっかり踏み込み、昨日同様左前ミツを引くことにも成功した。

3年ぶりの対戦となった両者だが、照ノ富士が正代に勝つパターンは大体いつもこのパターンだった。

そして本日も立ち合いでほぼ万全の形を作った。

しかし本日は正代の立ち合いの強さ、巧さ、そして気迫を感じた一番だった。

照ノ富士に左前ミツを引かれたものの、立ち合いの踏み込みの強さ、前に出る圧力で先手を取り、照ノ富士がやや慌てて攻めようとするところをうまく右からいなして照ノ富士の上体を崩すことに成功し、あとは攻めるだけである。

とにかく正代の立ち合いの圧力の強さに尽きるのではないだろうか。

そして正代という力士はあまり闘志を表に出すタイプではないのだが、本日は闘志、気迫が伝わる内容であり、勝負がついたあともそれが見受けられた。

今場所は凌いで勝つ相撲が大半を占めていたため、強さという点では御嶽海戦くらいに感じていたのだが、本日も相当な強さを感じさせた。

照ノ富士としては昨日の一番を見てもわかるように、完全復活を果たしたと言っても過言でないくらい強さを発揮しているが、本日は白星に繋がらなかった。

改めて相撲の面白さを感じさせる一番になったとも言える。

そして連敗の朝乃山。

朝乃山に関しては後程別途記載したいと思う。

自力優勝の可能性が生まれた関脇御嶽海は、琴恵光相手にやや劣勢だったが、何とか3敗を死守した。

今場所は総合すると、不必要な所で負けるいつもの姿が見受けられるため、あまり強さを感じさせる場面は少ないのだが、何だかんだで3敗を守った。

地力がある証拠だろう。

上位圏内で初となる2場所連続二桁勝利を果たし、優勝の可能性も生まれ、来場所大関取りの場所にするためにも明日は負けられない。

明日の注目の割は
『御嶽海ー照ノ富士
『朝乃山ー正代』
当然優勝に関わる2番である。

やはりともいうべきか、予想通りの割となった。

そしてこの割は照ノ富士が敗れた瞬間、巴戦が確定する割である。

3人による優勝決定戦は1994年春場所の曙、貴ノ浪貴闘力以来26年ぶりとなる。

とにもかくにも自力優勝の芽が出てきた御嶽海の存在が不気味である。

照ノ富士としては御嶽海の当たりを止めて、右四つに組み止めたいところ。

御嶽海としてはもろ差し、もろハズから攻めていきたいところ。

照ノ富士としては強引に引っ張り込むことはせず、昨日今日のように左前ミツを狙う立ち合いがベストだろう。

御嶽海としては左前ミツを取られないことはもちろんの事、照ノ富士の右を使わせないことも鍵となるだろう。

朝乃山ー正代は、ここ数日の相撲だけで考えるならば朝乃山得意の右四つに組むイメージがまるで浮かばない。

立ち合いの当たりも正代が勝るような気がするし、差し手争いも正代が制するような気がする。

朝乃山としては12日目までの相撲を思い出せるかどうか。

とにかく気持ちを切り替えていくしかないだろう。

この一番が千秋楽結びの一番のため、この一番の前に優勝が決まってしまう可能性もある。

そうなった場合、モチベーションを維持できるのは正代の方だろう。

正代は1つでも白星を重ねることで、大関取りへの足固めとなるが、朝乃山としては綱取りの足固めにはやや弱い成績である。

もし優勝が決まっていた場合、そこら辺も大きく影響するのではないだろうか。

そして三賞に目を向けると、私の予想は以下の通りである。

敢闘賞:正代、照ノ富士
殊勲賞:御嶽海、大栄翔
技能賞:照強、照ノ富士

受賞内容に関しては違いはあれど、受賞者は上記5名になると思われる。

照ノ富士は元大関とはいえ『カムバック賞』も兼ねて2つ受賞する可能性が高い。

本来ならば敢闘賞と殊勲賞が一番良いと思うが、やはり白鵬を下して場所の流れを大きく変えた大栄翔、御嶽海が殊勲賞となるのではないだろうか。

正直技能賞の照強は、私個人としてはあまり乗り気ではないが、本日の援護射撃及び見事な足取りを評価されて受賞する可能性は高い。

他の力士に目を向けると、若隆景辺りは技能賞に選出されても不思議ではないほどキレの良い動きを見せていたが、今場所は三役陣及び照ノ富士の活躍で霞んでしまった印象である。

明日でいよいよ千秋楽を迎える。

あえて触れていなかったが、途中不祥事もあった。

それでも感染者が出ることなく、場所を終えられそうなことは本当に喜ばしいことである。

まだ波乱はあるのか。
明日の千秋楽、本当に楽しみである。