きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

212. 2020年七月場所12日目を勝手に語る

土俵に目を向ける前に、貴景勝が本日より休場。

昨日勝ち越しを決め、角番脱出を果たしたところで休場を表明した。

これについては賛否あるだろうが、私は賛成である。

元々今場所の相撲内容を見る限り、こんなに早く勝ち越したのが奇跡とも言えるレベルだった。

昨日の御嶽海戦はある意味全てをかけた一番だっただろう。

怪我をした状態、ましてや勝ち越しを決めて気の緩んだ状態で、この先の上位戦に挑まれるよりは休場を選択した方が自身にとっても賢明だし、観戦者にとっても良いことかもしれない。

なぜなら考え方によっては照ノ富士が上位と割が組まれるきっかけになったとも言えるからである。

とにかく来場所までに万全な状態に仕上げてほしいところである。

さて本日の土俵に目を向けよう。

終盤戦へ突入して2日目だが、白鵬が連敗。

とはいえ昨日ほどの驚きはない。

それは相撲内容からも窺える。

立ち合いは右張り差しを選択。
張り差しにより御嶽海の当たりを止め、得意の左ではないが、右で上手を引いたこと自体は問題ない。

しかしその後左の使い方及び攻め方があまりにも雑だった。

左が使えていないため御嶽海に右巻きかえを許し、さらには腰高で前に出るから逆転の突き落としを許す。

本日は白鵬が寄っていった瞬間『土俵際何かあるぞ』と私自身感じた。

そしてその通りになってしまった。

昨日の敗戦が余程影響したのか。

そもそも今場所の立ち合いの踏み込みの良さを考えたら、張り差しでいく理由もよくわからず、張り差しにいったためはじめから腰高であった。

白鵬にしては珍しく自分の相撲を信じることが出来なかったか。

しかも詳細は不明だが、足を気にする場面も見受けられた。

白鵬が初日から10連勝して連敗したケースは昨年の初場所であり、この時は3連敗した挙げ句14日目から途中休場した。

この二の舞だけは避けたいところであるが、本日の相撲を見る限りだと厳しいと言わざるを得ない。

一方の御嶽海だが、結果論で話を進めるならば霧馬山に敗れた一番が本当に悔やまれる。

先場所は平幕とはいえ、上位圏内で10勝しているため、今場所残り全て勝てば来場所に繋がることは間違いないだろう。

とにかく残り3日間集中して取り組んでほしいところ。

残る1敗力士2名はともに白星。

朝乃山は北勝富士相手に危なげない相撲で1敗を死守。

立ち合いしっかり踏み込み、北勝富士の攻めを下から跳ね上げ、右差しに成功した。

右を差した後、無理に攻めることはせず、圧力をかけてから豪快なすくい投げを決めた。

考え方によっては左上手を引いて寄り切ることが理想だったかもしれないが、終盤戦で重圧のかかる中、十分良い内容だっただろう。

これで11勝とし、朝乃山としてはあと1勝で『上位圏内で初の12勝』となる。

ここまで来たら目標はそんなところではなく、新大関での優勝だろう。

あと3日間。
自分の相撲を取り切ることが出来るかどうか。

大関の再入幕照ノ富士は、玉鷲との熱戦を制して1敗死守。

好調の平幕中位~下位のストッパーになることの多い玉鷲だったが、照ノ富士を止めることは出来なかった。

両者突き合い、押し合いの展開となり、単純に突き押しの土俵ならば玉鷲が有利だが、圧力で勝っていたのは照ノ富士だった。

玉鷲の突き押しに怯むことなく逆に押し返し、常時圧力をかけて圧倒した。

こういう展開になると無理に掴まえようとして抱え込みにいったり、棒立ちになる可能性も高かったが、腰を落とし膝を曲げ、じっくり構えていた。

大関に昇進した頃と異なり、勢いや力任せな相撲だけでなく、冷静さも加わったように感じる。

その中で明日
『朝乃山ー照ノ富士
今場所中に観てみたいと願っていたこの割が13日目に組まれた。

相四つのため、右四つに組み合うのだろうが、正直細かい展開は全く予想がつかない。

照ノ富士の全盛期を5年前としたとき、その当時の照ノ富士と現在の朝乃山が対戦したならば、右四つがっぷりの状態から体格で勝る照ノ富士が有利と予想できるが、如何せん現在の照ノ富士が右四つがっぷりになった場合、どの程度相撲を取ることが出来るかどうかである。

昨日栃ノ心戦で右四つがっぷりの相撲になったが、栃ノ心の力量が下降気味であるため、状況としてはやや異なるものがある。

朝乃山相手にがっぷりになった場合どうなるのか。
これが全く予想出来ない。

換言すれば現状の照ノ富士の『右四つにおける底力』が不明である。

またがっぷり前提の話をしているが、両者ともに狙いとしては『自分十分相手不十分』だろう。

とにかく自分が左上手を引き、相手には引かせない形だ。

ある程度突き合いになってから右四つに組む可能性もある。

単純な突きの威力ならば照ノ富士の方が上だろうが、突き放してから右四つになる展開はここ数場所朝乃山がよく見せる戦法である。

この一番は今後の大相撲を見据えた上でも、かなり重要な取り組みになりそうである。

大関の勢いか。
大関の意地か。

どちらもさらなる高みを目指す上では負けられない一番である。

そして本日の展開を見ていると、勝った方が今場所の優勝と言っても過言でないがはてさて…