きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

412. 2021年九州場所5日目を勝手に語る

序盤5日間が終了した大相撲九州場所

ここ3日間は上位陣安泰が続いていたが、その牙城が崩れた。

正代、御嶽海に土。
両者ともに良い相撲を取った翌日にあっさり敗れるというのはある意味見慣れている光景なのだが、両者ともにそれが同じ日とは。

正代は隠岐の海相手に何もできず完敗。
昨日上位陣は問題ないと記載したが、冷静に考えれば正代は何気に隠岐の海を苦手にしていることを忘れていた。

何せ優勝した場所にも敗れている相手なのだから、正代としては要注意人物だった。

それにしても内容が酷すぎた。
両者ともに左四つで力を発揮するが、その形にはあっさりと組み合い、そして隠岐の海がすぐに上手を引いて寄り切った。

隠岐の海とは思えないほど鋭い立ち合いを見せたのは間違いないのだが、それでも正代としては負け方があまりにも悪すぎた。

ここ3日間素晴らしい相撲を取り、復調していただけに残念である。

そして御嶽海だが、ある意味さすがと言ったところであり、期待を裏切らない。

今場所はどっしりと構えた相撲を取っていたため、立ち合いで若隆景に左前ミツを許しても何とかなるかと思いきや、強引に前に出て残され、そこからさらに形を悪くしてあっさり寄り切られてしまった。

若隆景は変化もある力士なので警戒すること自体は良かったと思うが、右四つに組んだ後が無策すぎた。

若隆景がうまく相撲を取ったと言えばその通りでもあるのだが。

調子が良いと思った御嶽海が翌日に負ける光景など何度も見てきているから驚きはないのだが、問題は初黒星を喫したことよりもこの先ではないだろうか。

連敗したり、中日終えて結局5勝3敗でしたとなればそれこそいつも通りである。

連敗せずに再び白星を積み重ねることが出来るかどうか。
最終的にどれだけ白星を積み重ねることが出来るかどうか。

御嶽海が本気で大関昇進を狙うならばここから先がカギとなるだろう。

そして上位陣で序盤無傷とした照ノ富士貴景勝

照ノ富士は隆の勝に攻められる場面があったが、冷静に対処した。

隆の勝は右の腕を返して照ノ富士の上手を遠ざけていたが、照ノ富士が慌てることはなかった。

隆の勝としては突き放してから右差しで走りたいところなのだろうが、どうしても右差しとなれば照ノ富士十分の四つでもあるため厳しい展開となってしまう。

隆の勝の攻めは良かったが、照ノ富士を脅かすまでには至らなかった。

今場所もどっしりと構えている照ノ富士だが、少し気掛かりなのが相手に攻められているという点か。

2日目にも記載したが、余裕があるだろうし、強さも発揮しているのだが、如何せん膝に爆弾を抱えているため、一歩間違えたらという気持ちもある。

またここまで5日間、立ち合いで左前ミツを引くことが出来ていない。

もちろん全力士が照ノ富士に組まれる、左前ミツを許したら終わりというのがわかっているから対戦相手も取らせない工夫をしているのだろうが。

まぁ言い換えれば磐石な照ノ富士に少しでもケチをつけるならば上記の点を挙げるってことであり、本音を言えば問題ないと思っているのだが。

中盤戦以降も照ノ富士中心に場所は展開していくだろう。

大関貴景勝はお得意様妙義龍相手に完勝。

先場所14回目の対戦で初めて敗れたが、そんなことお構い無しに迷うことなく自分の相撲を取り切った。

立ち合い先手を取って突き放して、左おっつけで妙義龍の上体が横を向いた。

かなり強さを発揮しているため、このまま白星を積み重ねていきたいところである。

平幕では高安、そして阿炎の存在が光る。

高安は連日長い相撲を取り、もはや15日分の時間に達するレベルだが、本日は速い攻めで圧倒した。

相手が軽量の豊昇龍であり、得意の左四つになった時点で自信はあっただろう。

土俵際で粘られたがうまく足を運ぶことが出来た。

数日前にも記載したが、今場所の高安は長い相撲になっても息は切らしていないし、突っ張るにしろ組むにしろ明確にしている様子である。

だからこそ3日目にも記載したが、妙義龍戦の黒星が残念である。

このまま白星を積み重ねて上位戦を迎えてほしいところである。
照ノ富士にとっては脅威になるだろう。

そして阿炎だが、本日も突きが炸裂して圧倒した。

今場所の阿炎は引き、叩きの気持ちが全くなく、突き切ってやるという気持ちが伝わる。

気は早いが、今の阿炎が照ノ富士相手にどれだけ通用するのか楽しみである。

最後に本日から出場した栃ノ心に触れよう。
復帰の土俵で白星を挙げた。

怪我の状態が心配されたが、むしろいつもの場所より良い動きをしたのではないかと思わせた。

まぁ合い口の良い輝相手だったから自信を持って臨めたのかもしれないが、とりあえず一安心である。

明日も上位陣の割を見ると、過去の対戦成績を踏まえると問題ないとは思うのだが、正代、御嶽海は気持ちの切り替えが出来るかどうか。

相手云々ではなく、自分の相撲を思い出して連敗だけは避けたいところである。

明日から中盤戦だが、貴景勝照ノ富士にどこまで食らいついていけるかどうか。

そして阿炎の存在が不気味である。