4ヶ月ぶりの本場所である大相撲七月場所が初日を迎えた。
本当にこの日を待ちわびていた…
この空白の4ヶ月は相撲観戦出来なかったことはもちろんのこと、私自身も色々なことがあったため本当に苦しかった…
4ヶ月ぶりにいつも通り勝手に語っていきたいと思っていますのでよろしくお願い致します。
今場所は本来の名古屋ではなく、東京開催となっており、また観客数は満員時の4分の1以下であり、さらに声援は自粛されている。
しかしそれでも先場所のような無観客開催よりも力士達にとっては励みになるだろう。
そして観戦者としては、声援が無かったとしても無観客開催よりは十分盛り上がりを感じている。
さて取り組みに目を向けよう。
注目の新大関朝乃山は、私も期待を寄せている勢いのある隆の勝相手に立ち合いの踏み込み良く、圧力もしっかりかけており、磐石の内容だった。
左で上手を引いた瞬間、相手の腰が浮き上がるほど強烈なものであった。
通常の稽古が出来ない中での初日、新大関として迎える初日、ただでさえ不安が募る初日であるが、初日の内容としては完璧な内容だろう。
まだ初日のため何とも言えないが、明日以降もこの立ち合いの踏み込みが続けば流れに乗ることは間違いないだろう。
もう一人の大関で角番の貴景勝は、まずまずの内容で初日白星とした。
豊山相手に攻め返されたが、得意の左からのいなしで崩して押し出した。
電車道の内容ではないものの、初日としては十分な内容だろう。
気掛かりなのが、場所前に膝を負傷し、稽古も不十分だったとの情報である。
押し相撲にとって稽古不足は致命的であり、さらに今場所前は余計影響を受けることになるだろうがどうなるか。
押し相撲は白星を積み重ねることで波に乗ることが多いため、序盤戦白星を積み重ねていきたいところである。
両横綱は初日で早くも明暗が分かれた。
白鵬は勝手知ったるお得意様の隠岐の海相手に、少しヒヤリとする内容だった。
白鵬は立ち合い踏み込んで左前ミツを狙うが果たせず、さらには相手十分の左四つ右上手を許したが、すぐに体を開いて肩透かしにいく辺りの対応力はさすがと言ったところか。
こういう相撲をモノにする辺り、他の力士との大きな差とも言えるが、磐石とは言えない内容なため、明日以降修正が必要だろう。
立ち合いの踏み込みは悪くなく、右前ミツも早く引き、万全な形だったが、出し投げを打った直後に裾払いが空振りして墓穴を取った。
元々鶴竜は外掛けなど足癖もある力士だが、あの場面は出し投げを打ったあとに頭を付けるべきだっただろう。
器用なだけに、それが裏目に出る形となってしまった。
とはいえ、立ち合いの踏み込み自体は悪くないし、前ミツ引くのも早かったため、立ち合いの感覚はこの状態を維持しつつ、明日以降修正していきたいところ。
関脇に復帰した御嶽海は、宝富士相手に右おっつけを効かせて磐石な内容だった。
出世争いのライバルである貴景勝、朝乃山に先を越されたが、実力を出し切ればこの2名よりも爆発力を秘めていることは事実である。
この力士に求められるのは『15日間の総合力』である。
初日良いスタートを切ったため、このままの流れを保ちたいところである。
番付下位に目を向けると、久々に幕内へ復帰した照ノ富士が初日白星を挙げた。
立ち合いの踏み込みも比較的良く、引くことも抱え込むこともせず、廻しに拘らず攻める姿勢が見られた。
腰も落とすことが出来ているため、無理なことさえしなければ今場所台風の目になる可能性も十分秘めているだろう。
春場所に大怪我を負い、前頭13枚目まで番付下降した高安だが、まず土俵復帰したこと自体に驚かされた。
正直半年以上は要する怪我ではないかと思っていたので、番付の下降を防いだという点でも、治療に専念できたという点でも先場所中止になったことがプラスになったと言える。
相撲内容は相変わらず腰高であり、得意の左四つに組んでいても上手を引かずに攻めるから逆転を許した。
怪我による影響よりも、稽古不足及びそもそも力量が衰退している影響の方が大きいのではないだろうか。
今場所は栃ノ心、高安、琴奨菊、照ノ富士と元大関が4人も平幕に在位しているが、元大関としての意地を見せることが出来るかどうか。
解説の北の富士も発言していたが、初日の取り組みを見る限り、土俵際の粘りがかなり少なく感じる。
こればかりは稽古不十分による相撲勘、土俵感覚の問題が大きく影響しているため、場所の中でどのように修正していくことが出来るかどうかが鍵となるだろう。
早く感覚に慣れたものが、今場所活躍する可能性を秘めているだろうし、場所中に調子を上げていくのがうまい力士は第一人者 白鵬である。
他力士も早く土俵感覚を取り戻したいところである。
明日の注目の割は
『鶴竜ー大栄翔』
『朝乃山ー遠藤』
この2番である。
鶴竜は悪癖である引き、叩きさえなければ大きな問題はないと思うが、大栄翔もしばしば上位を食らうようになったため油断できない。
鶴竜としては早く初日を挙げて波に乗りたいところ。
今場所注目の朝乃山は2日目で早くも苦手の遠藤と組まれた。
本日のような立ち合いの踏み込みで圧倒したいところだが、喧嘩四つである相手に差し手争い敗れてしまい、もろ差しを許してしまうことが多い。
先場所は小手投げでねじ伏せたが、相撲の旨い遠藤はその辺りも織り込み済みだろう。
朝乃山としてはここで落とすことなく、しっかり白星を積み重ねることで波に乗っていきたいところである。
上記の通り、まだ初日のため何とも言えないが、立ち合いしっかり踏み込めている力士が今場所流れを作る可能性を大いに秘めている。
異例の今場所どうなるか。