大相撲七月場所が明日から初日を迎える。
本当に待ち遠しかった。
この一言に尽きる。
場所の焦点となるのは新大関朝乃山だろう。
上位で4場所連続二桁勝利を果たしており、安定感は証明しているが、白鵬への未勝利、上位で12勝以上なしといった『爆発力』に関する課題もある。
また今場所の場所前は出稽古が禁止されており、部屋での稽古が中心となるため、朝乃山の所属する高砂部屋は幕内力士が朝乃山しか存在しないため、力を出し切る稽古もやや難儀だったのではないだろうか。
序盤戦で白星を積み重ね波に乗りたいところだが、2日目には早くも苦手の遠藤戦が組まれているためどうなるか。
先場所は怪我の影響もあっただろうが、精彩を欠く内容がほとんどだった。
以前も記載したが、増量し過ぎて膝に負担がかかり、持ち味の機動力が失われているように感じる。
場所前の稽古でどれだけ修正できたのか。
ぶつかり稽古がしばらくできなかったことは押し相撲にとって厳しい状況だっただろうがはてさて。
全力士に共通することだが、4ヶ月期間が空いたことにより、相撲勘・土俵感覚に大きな影響を与えるだろう。
その中で重要なのは経験だろうが、経験がモノをいうのは第一人者 白鵬だろう。
平成22年名古屋場所。
平成23年技量審査場所。
そして今年の春場所。
異例の場所をいつも引っ張ってきた第一人者は今場所も強さを発揮してくれるだろう。
先場所だけに限らず、ここ数年は雑な相撲も見受けられたため、周りの力士はそこに付け入ることができれば面白くなるだろう。
もう一人の横綱鶴竜は昨年名古屋場所を最後に1年優勝から遠ざかっており、しばらく精彩を欠いていたが、先場所は千秋楽まで優勝を争い、復調の兆しをみせた。
この力士の場合、とにかく悪癖である引き、叩きをみせないことだろう。
私個人、今場所期待している力士は
隆の勝、阿武咲、霧馬山、照ノ富士
この4名である。
まず隆の勝だが、ここ数場所で『右差し速攻』の型を確立しており、それが先場所開花して大勝した。
この相撲が上位でどれだけ通用するのか楽しみである。
勝ち越せば満点、6~7勝でも内容次第では及第点だと思っているがはてさて。
次に阿武咲だが、怪我をしてから精彩を欠いていたが、先場所白鵬に勝利し、上位総当たりの地位に番付を戻してきた。
元々ライバルの貴景勝よりも先に上位で活躍していた力士だったため、上位で活躍する姿をみたいものである。
霧馬山は元々かなり期待を寄せている力士なのだが、入幕3場所目で早くも上位総当たりの地位へ番付を上げてきた。
足腰の強さ、しぶとさ、これにスピードと馬力が加わればすぐにでも三役へ昇進できるだろうが、今場所はどうだろうか。
出稽古が禁止されていても、部屋には横綱鶴竜がいるため、稽古相手に不足することはなかっただろうから、今場所は大いに期待している。
最後に照ノ富士だが、元大関が序二段まで番付を下げ、そこから幕内まで戻ってきた。
正直相撲内容は怪我する以前の抱え込む相撲も多いのだが、出来るだけ膝に負担がかからないように相撲を取ろうとする意識は見受けられる。
元々横綱候補とまで呼ばれていた力士である。
実力さえ出しきれば、今場所も大勝は十分可能だろう。
28歳とまだ腐るには早い年齢のため、早く上位へ戻ってきてほしいところである。
上記の通り、やはり経験で勝る白鵬が場所を引っ張るのか。
それとも鶴竜が先場所の雪辱を果たすのか。
はたまた新大関の勢いか。
久しぶりの大相撲、大いに期待を寄せて観戦したいと思う。