きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

170. 2020年春場所初日を勝手に語る

いよいよ初日を迎えた『無観客開催』の2020年春場所

無観客という想像出来ないものだったが、実際目にして見ると『想像以上の静けさ』だった。

廻しを叩く音、身体を叩く音、行司・呼び出しの声が響き渡り、さらには所作においても衛生面を考慮して力水を口に含まないなど、大相撲を25年以上観戦しているが、やはり感じたことのない独特の雰囲気だった。

そもそも『衛生面』という考え方をしてしまえば、今回のコロナウイルスだけに限らず、全ての感染症に通じることだろうから今更な感じは受けた。

そしてまだ初日のため断定出来ないが、無観客ということで力士のモチベーションに大きな影響を及ぼし、淡白な内容が多かったようにも感じる。

観戦者がいても淡白な内容は珍しくもないのだが、土俵際の粘りがほとんど見られなかった。

関脇以上が安泰ということもあり、そういう点では波乱もなかったわけだが、明日以降どのような内容になってくるだろうか。

さて取り組みに目を向けよう。

注目の大関取り朝乃山は初日白星発進。

寄っていくときやや腰高に感じたが、土俵際はしっかり注意を払い、何より自分の型で初日白星というのが大きいだろう。

立ち合いもしっかり踏み込んでいたし、明日以降も立ち合い集中して右四つに組む相撲を取っていきたいところ。

休場明けの両横綱も白星発進。

白鵬は先場所苦杯を舐めている遠藤を一蹴。

ここ2場所見せていた左からの張り手ではなく、右からだった。

張り差しの時点で遠藤の体勢が崩れたため、呆気ない一番となった。

白鵬としては先場所敗れた相手に白星を掴み、まずまずのスタートを切ったと言える。

横綱大関鶴竜は大栄翔に押し込まれたが、立ち合い頭から当たって踏み込んでいたため余裕を感じた。

場所前の報道通り、稽古は十分な様子である。

この立ち合いを続けていき、悪手を見せずまずは序盤戦乗り越えられるかどうか。

一人大関貴景勝は高安の当たりに下がらず、しっかり当たって突き放してから左へ突き落とし、その後も攻め続ける最高の内容だった。

貴景勝の場合、自分の相撲を貫くことだけを考えていれば結果は付いてくるだろう。

安易ないなしには頼らないことが重要だろう。

余談だが本日の取り組みの中で『貴景勝ー高安』が最も両者ともに力を出し切った一番に思ったが、激しいぶつかり合いの音は響くが、そこに声援がないということに寂しさを感じた。

関脇へ復帰した正代は先場所の覇者 徳勝龍を圧倒した。

左四つから前に出る圧力で圧倒したが、やはりここ数場所もろ差しに拘らず攻める姿勢を貫いている様子である。

先場所苦杯を舐めた徳勝龍の伝家の宝刀突き落としも全く意に介さなかった。

一方徳勝龍だが、得意の左四つに組んだが、それでも正代に圧倒された。

いわゆる『地力の差』だが、立ち合い自体は悪くなかったため、とにかく本日のように左四つに組むことが重要だろう。

明日の注目の取り組みは
白鵬ー大栄翔』
鶴竜北勝富士
横綱の2番である。

白鵬は先々場所敗れており、またそれ以前にも攻め込まれる場面があったため、油断ならない相手である。

白鵬としては早く組み止めたいところだろう。

立ち合い張り差しを選択するだろうが、大栄翔もそれはしっかりと認識しているだろう。

張り差しを気にせず攻め込むことが出来るかどうか。

鶴竜北勝富士は、鶴竜が本日のようにしっかり当たり悪手を見せなければ問題ないと思うが、北勝富士には何度か苦杯を舐めているため油断ならない。

如何せん北勝富士鶴竜に引かせるような相撲を取ってくるため、鶴竜は立ち合いで先手を取りたいところ。

異様な場所が幕を開けたが、場所の展開としてはまだ波乱は見られていない。

明日以降どうなるか。