6月は早くも残すところあとわずかとなり、2020年も半分を終えようとしている。
基本6月は大相撲の場所が開催されない月であるが、4月からずっと相撲観戦をしていないから、さすがにストレスが溜まってしまう。
プロ野球は開幕されたが、プロ野球だけでは残念ながら満たされることはない。
場所が開催されていない時でもブログの執筆をしたいのは山々だったが、気分が全く乗らないというのが本音だった。
しかしさすがに1ヶ月で1つも投稿しないというのは如何なものかと思い、久々に投稿することにした。
さて本題に移るが、大相撲ファンならば大相撲のネットニュースを目にすることも多いだろうが、その中でも『吉井』に興味を持ったファンは多いのではないだろうか。
中学横綱で、中学卒業後すぐに入門したいわゆる『叩き上げ』である。
昨年夏場所にデビューしてから6場所全て勝ち越して、幕下へ昇進した。
近年の大相撲力士は大学相撲出身が多くを占めており、中卒叩き上げ力士は減少傾向である。
現在幕内の番付を見ると中卒力士は、隆の勝、阿武咲、輝、照強、勢(入門は18歳)、高安、千代丸、錦木の8名に留まる。
昔は中卒叩き上げ力士が出世するのが当たり前とも言える光景であり、大卒力士で横綱へ昇進した力士は輪島しかおらず、これは大相撲ファンの中で有名な話である。
ちなみに年6場所制となった1958年以降28名の横綱が誕生しているが、内訳を見ると
中卒:19名
高卒:8名
大卒:1名
という結果となる。
厳密に言えば中卒でも入門は18歳、特別対応で高卒にしてもらった、旭富士のように大学中退など様々なパターン存在するので概念がやや難しい点もある。
この記録を見てもわかるように、やはり中卒叩き上げが番付上では結果を残す形となっている。
ちなみに外国出身力士の横綱に目を向けると
中卒:3名
高卒:3名
という結果であり、早く入門したことに越したことはないということか。
ならば中卒だけでなく、そこに『中学横綱』というタイトルがプラスされていたらどれだけ素晴らしいのだろうか。
これに関しては先に結果を述べると『中学横綱と大相撲の出世に因果関係はない』。
以下に中学横綱経験者で大相撲に入門した力士を表、グラフでまとめた。
学歴 |
最終番付 |
|
栃司 |
大卒 |
関脇 |
若ノ海 |
中卒 |
|
秋本 |
高卒 |
幕下 |
大輝煌 |
大卒 |
前頭 |
増健 |
大卒 |
|
出羽平 |
大卒 |
|
大卒 |
||
大卒 |
小結 |
|
高卒(大学中退) |
||
大卒 |
小結 |
|
杉田 |
大卒 |
幕下 |
中卒 |
前頭 |
|
(琴奨菊) |
高卒 |
|
市原 |
大卒 |
前頭 |
朝拓也 |
中卒 |
序二段 |
(栃煌山) |
高卒 |
関脇 |
(貴景勝) |
高卒 |
|
(深井) |
大卒 |
三段目 |
(竜虎) |
高卒 |
|
(塚原) |
高卒 |
幕下 |
(栃神山) |
高卒 |
幕下 |
(吉井) |
中卒 |
幕下 |
()は現役力士。現役力士の番付は過去最高位を表す。
吉井は中学横綱にて中卒で入門したが、このケースは4人目である。
最高位は玉飛鳥の前頭であり、過去3例は残念ながら大成したとは言い難い結果である。
大関でも3名しかおらず、しかもこの3名は皆高卒である(雅山は大学中退)。
表の通りまだ現役力士も多く、表の貴景勝以下の力士達は若手のためこの番付も変化があるだろうが、はたして三役以上となるとどうだろうか。
今回話題になっている吉井も、現状は平成の大横綱貴乃花と肩を並べるほどのスピード出世だが、この先どうなるか。
過去のデータではあまり良い結果を残していない中学横綱だがはてさて。