きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

140. 2019年九州場所千秋楽を勝手に語る

白鵬が千秋楽もしっかり締めて、有終の美を飾った。

左から張って回り込んで、あっさり絶対的な型である右四つに組み止めた。

その後膠着状態に陥ったが、大技でも狙っていたのだろうか。

よくわからないが、右四つになった時点で貴景勝が勝てるわけない。

優勝インタビューでも、余計な発言はせず良かったと思う。

一方貴景勝大関として初めて勝ち越した場所となったが、勝ち越して以降は存在感がまるでなかった。

場所前は先場所千秋楽に負傷した胸の怪我の具合が心配され、場所に入ってからも精彩を欠いていたが、7~11日目の内容は素晴らしかった。

それで勝ち越しを果たし、気が抜けたのか、白鵬戦もまるで相撲にならなかった。

とりあえず怪我は癒えたようであり、勝ち越しも果たして明るい話題であるのだが、来場所以降は勝ち越しで満足せず、優勝争いに絡める力士になってほしいところである。

来場所は高安が関脇へ陥落し、豪栄道が角番であり、最悪の場合2場所後には1大関になる可能性もある。

若い貴景勝は来年大関としての真価が問われる年となるだろう。

そして今年飛躍した1人である朝乃山だが、千秋楽は正代に敗れて黒星。

本日は踏み込みが高く、上手の取り方も下からではなく上から取りにいくという雑な内容だった。

それでも右を差し、朝乃山の形に持ち込んだため何とかなると思ったが、本日は正代の気迫が勝った。

朝乃山としては最後の最後で課題が残る一番となった。

しっかり踏み込んで左の前ミツを狙うことを徹底すべきである。

雑に上手を狙いにいくと、本日のような展開に陥ってしまうことも多くなるだろう。

正代としては自分の方が上位経験が長いという意地もあったか。

以前も記載したが、本日のようにもろ差しに拘らず、上手を引いて引き付けて攻める相撲を覚えた方が良いだろう。

窮屈なもろ差しよりも攻めの幅が広がると思う。

御嶽海が阿炎に敗れて9敗目を喫し、17場所連続で在位した関脇・小結の座からの陥落が決定した。

昨日も記載したが、これで良いだろう。

来場所以降這い上がるかどうかは、本人の努力次第だろう。

いまや大関候補筆頭の座は朝乃山に奪われた。

ここで這い上がれないようではそれまでの力士だということだ。

平幕上位に目を向けると、2回目の上位挑戦となった明生は、2回目も跳ね返される形となった。

前回同様、力は出し切っているが、馬力不足が露呈されたように感じた。

突き放してからもろ差しになるという狙いが多く感じたが、馬力がないためあまり押し込めず、逆に相手に押し返されて体勢を悪くし、もろ差しも果たせないという展開が多かった。

高安戦のように動き勝つ内容もあったが、15日間この内容では身体がもたないだろう。

改善点としては馬力向上も考えられるが、私個人としては『さらなるスピード向上』を目指してほしいと思っている。

今場所は動きの良さを十分に見せ、立ち合いのスピードを向上させることで、立ち合いからもろ差しを果たすケースも多くなると考えている。

目指すは日馬富士のような相撲ではないだろうか。

来年は明生の躍進に期待したい。

そしてもう一人目を引いたのは隆の勝である。

序盤戦は目立っていなかったが、中盤戦以降は右を差して走る相撲が際立っていた。

正直特に気にしていなかった力士だが、今場所の内容に磨きをかけることが出来たら面白い存在になるかもしれない。

明生にも言えることだが、差して速攻を得意とする力士は、上位で通用するようになると必ず面白い存在になると信じているため、隆の勝も来年の躍進が期待される。

今年は5場所連続で異なる力士が優勝を果たしていたが、最後に白鵬が締めたことで6場所連続とはならなかった。

ここ数年で初優勝の力士が多く誕生しているが、昨日も記載した通り、白鵬が皆勤している場所で優勝を果たした力士は2年連続で鶴竜のみである。

結局本当の意味で白鵬を脅かすまでには至っていないのが現状である。

そして若手の台頭も著しく、皆力を出し切っており、実力伯仲であるが、悪い言い方をすれば『どんぐりの背比べ』である。

その結果、若手同士で星を潰し合うため星が伸び悩み、誰も白鵬を倒すことができず、白鵬が抜け出してしまう。

10年程前で言えば稀勢の里琴奨菊豪栄道栃煌山豊ノ島がこれに該当するだろう。

問題は『2場所以上連続で結果を残せるかどうか』である。

貴景勝は結果を残したため、大関へ昇進できた。

現状大関候補筆頭となった朝乃山は、先場所も平幕上位で二桁、今場所も三役で二桁と結果を残している。

しかし来場所もこれを継続できるかどうかが問題である。

千秋楽の正代戦のように雑な内容となり、ライバル達がそこを狙い、最悪の場合負け越しを喫するかもしれない。

御嶽海がよい例だ。

優勝の翌場所に結果を残すことが出来ない、2場所以上連続で結果を残すことが出来ないのである。

一時の爆発力ならば皆持っているが、それが15日間、2場所連続となると出来ない。

今場所は朝乃山が主役だったが、来場所は主役が変わるかもしれない。

どんぐりの背比べにならず、そこから抜け出すためにも、自分の勝ちパターンの習得は絶対条件であり、稽古はもちろんのこと研究も大切になってくるだろう。

朝乃山にはそれが出来ると信じている。

ちなみにこれで10勝、11勝としているが、来場所大勝しても大関昇進にはあまり賛成できない。

その理由として挙げられるのが『貴景勝大関昇進問題』である。

貴景勝は9勝、13勝(優)、11勝(次)で昇進を逃した。

この時の理由が『新関脇だったから』というものだった。

このとき私も千秋楽に完敗したため、昇進は見送っても良いと思ったが、理由はやや曖昧だと感じた。

朝乃山はおそらく来場所関脇へ昇進するが『新関脇』である。

さらに先場所は平幕であった。

貴景勝のときよりも条件は整っていないのである。

状況が異なる点は『大関の人数』である。

上記の通り、来場所豪栄道が負け越せば、大関貴景勝一人となる。

救世主がほしいという考え方で安易に昇進させてしまうと、昇進後苦労する可能性も高い。

直近で言えば豪栄道照ノ富士がそれに近い。

照ノ富士は8勝、13勝(次)、12勝(優)で昇進を果たしている。

3場所合計は33勝だが、8勝の場所は平幕であり、甘めの昇進と言えた。

低迷の原因は怪我であるが、結果論としてもう1場所様子を見ても良かったかもしれない。

豪栄道は12勝(次)、8勝、12勝(次)で昇進を果たしており、いわゆる『33勝』には届いていない。

そして何より気掛かりだったことは『三役で2場所連続二桁勝利を果たしたことがない』点である。

結果として昇進後はかなり苦戦を強いられており、全勝優勝を果たす力量はあるものの、安定した成績を残すことができていない。

救世主、新しい主役を誕生させたい気持ちは痛いほどわかるが、だからといってむやみやたらに甘めの昇進となると、昇進後苦戦を強いられる可能性が高いため注意が必要である。

朝乃山の場合、仮に昇進させるならば13勝以上の優勝くらい大きい条件だろう。

話は変わって三賞だが、昨日私が予想した通りの展開だった。

今場所は正代、大栄翔、朝乃山以外考えられなかったからこれで良かったと思っている。

今年の大相撲も本日をもって終了した。

私にとって九州場所が終了した時点で、1年が終了した気持ちに陥ってしまう。

明日から退屈になるものだ…