きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

116. 2019年秋場所千秋楽を勝手に語る

御嶽海が史上初となる『関脇同士の優勝決定戦』を制し、7場所ぶり2回目の優勝を果たして幕を閉じた大相撲秋場所

千秋楽は正に理想展開だった。

貴景勝隠岐の海に勝利したことで隠岐の海の『インチキ優勝』はなくなり、御嶽海が遠藤に勝利し、史上初の関脇同士の優勝決定戦を観戦することができた。

この展開に至った時点で、私の中では御嶽海、貴景勝どちらが優勝しても構わなかった。

その中で自分の相撲を取りきったのが御嶽海であった。

強いて不満を挙げるならば『12勝による低次元優勝』というところか。

横綱不在、大関不調の中、この成績では物足りないと感じる部分もあるが、12勝とはいえ『横綱を除けば一番地力がある』とも言える。

御嶽海としては貴景勝大関復帰を果たし、番付では先を越されているが、地力では負けていないという意地があったのだろう。

今場所の内容を振り返ると、今場所は元来得意の型である『押し』を主体としていた。

千秋楽本割、決定戦ともに立ち合い強く当たり、押し上げて圧倒する完璧な相撲だったと言える。

この力士はここ数年、もろ差しからの攻めの巧さも見せていたが、やはり立ち合い強く当たってから押し上げる展開の方が基本的には安定すると言える。

立ち合いから目的意識を持って挑むことが、大関昇進に向けてのカギとなるのではないだろうか。

そして何より今場所は連敗しなかったことが大きかった。

この力士は連敗癖があるため、負けた翌日の相撲が今後も重要になってくるだろう。

貴景勝は場所前からの最大の目標であった大関復帰を果たし、その後も優勝争いを引っ張り存在感を示した。

本割の隠岐の海戦は左ハズ押しで相手に全く相撲を取らせなかった。

優勝決定戦はすぐ引きにいってしまい墓穴を掘った。

特例復帰の場所で最高となる12勝を挙げるなど強さを発揮したが、気になるのが優勝決定戦を終えたあとに左胸を押さえていたことだ。

胸筋の怪我と言えば稀勢の里を思い出すが、貴景勝も大事に至らなければ良いが。

優勝は果たせなかったが、とにもかくにも大関復帰が喜ばしいところ。

角番の大関2人は明暗が分かれた。

豪栄道大関としてそれなりに存在感を示した。

私は終盤戦で『ベンチマーク』になると予想していたが、結果その通りになった。

終盤戦で豪栄道に勝った御嶽海が優勝を果たし、負けた貴景勝が優勝を逃した。

今場所の展開からすると、取りこぼしがなければ豪栄道自身も十分にチャンスはあったが、15日間強さを発揮できないのが豪栄道という力士である。

そして2度目の大関陥落が決まった栃ノ心

正直序盤の出来からすると6勝したのも十分健闘した方ではないだろうか。

来場所は2度目の復帰をかける場所となるが、今場所の相撲内容を見る限りでは、厳しいと言わざるを得ない。

来場所意地を見せられるかどうか。

序盤戦の出来から考えて最終的に残念だった力士は遠藤、朝乃山、明生である。

明生は終盤の3連敗が痛手だった。

前頭下位ならばあと1、2番ほしかったが、千秋楽朝乃山に勝って二桁に到達したのは地力が付いている証拠か。

朝乃山は中盤戦終了時点で優勝候補筆頭に挙げていたが、連敗が響いた。

とはいえ上位で初の勝ち越し、さらに二桁に到達したためまだ許容範囲と言えるか。

一番残念だったのが遠藤の8勝である。

前半戦の成績、内容を加味すると余裕を持って二桁を挙げると思ったが、後半失速した。

やはり懸念していた通り『同格に勝ちきれなかった』というところである。

また前半戦と異なり、土俵際の粘りもやや見られなかった印象である。

とはいえ琴奨菊戦、隠岐の海戦(結果は不運にも黒星だが)は見事だったが、千秋楽にの一番を見る限り、15日間遠藤の相撲を取り続けるというのは難しいということである。

技術に関してはもはや修正するところが無い程完成しているため、あとは体力面ではないだろうか。

欲を言えば馬力もほしいところだが、遠藤にそれを求めるのはやや厳しいだろう。

巧さでカバーしていくためにも体力が重要になるだろう。

今場所も15日間終了したわけだが、最後に言わせてもらいたいのが『三賞選考委員は馬鹿か』。

昨日記載したが
敢闘賞:御嶽海、隠岐の海、剣翔
殊勲賞:朝乃山
技能賞:該当者なし
私はこのように予想していた。

そして実際は
(確定)
敢闘賞:隠岐の海、剣翔
殊勲賞:朝乃山
技能賞:該当者なし

(条件付き)
敢闘賞:御嶽海(優勝逃した場合)
殊勲賞:御嶽海(優勝した場合)、隠岐の海(優勝した場合)

条件付きが不可解極まりない。

何だ『優勝逃した場合』って。

敢闘賞はいわば『頑張ったで賞』に近い感覚で『大勝すれば受賞する』ことが多い。

とはいえ『敢闘』という字の通り『敢闘精神溢れる力士』に受賞されるものである。

何で優勝したら敢闘精神が無くなるのか?

場所を引っ張り、星を積み重ねた時点で御嶽海の敢闘賞は確定で構わないだろう。

そして優勝した場合殊勲賞受賞だが、御嶽海は2大関に勝利したということで百歩譲るが(正直不調の2大関に勝利しているだけなのでこれも不満)、上位戦皆無の隠岐の海に受賞させるなど以ての外だ。

確かに過去にも平成4年夏場所の曙、平成12年春場所貴闘力など不可解な殊勲賞受賞は存在した。

だからこそこれらを教訓に改善していく必要があるだろう。

感覚的には『優勝するんだったら三賞2つ付けてやるか』とか『御嶽海には何かあげなくちゃ』とか曖昧な考え方しか持っていないと思う。

横綱大関の昇進問題同様、三賞受賞に関しても多くの疑問が存在するが、近年三賞に関してはそれが特に顕著だと感じている。

今回敢闘賞を受賞している剣翔だが、これは『新入幕で10勝した』という点で受賞している。

新入幕で10勝しても過去に数名受賞出来なかったケースも存在するが、基本的には敢闘賞受賞が決定する。

それこそこれも『三賞とは異なる別の賞』を考えた方が良いと考える。

平成29年九州場所、久しぶりに幕内へ復帰した安美錦が8勝7敗ながら敢闘賞を受賞した。

正直成績だけを見たら受賞に何一つ値しないが、年齢を重ねながらも復帰を果たしたことによる『温情』による受賞だった。

確かにこのときの安美錦は素晴らしかった。
しかし三賞受賞となると話は別である。

そのため大相撲ファンの間でも囁かれているのが『カムバック賞』である。

このように新入幕の二桁勝利は『新人賞』、長期休場明けからの復帰は『カムバック賞』などを設けることで、曖昧な三賞の基準、人数調整などの円滑性も向上するのではないだろうか。

本当に今場所の三賞の条件付きは不可解極まりなかった。

そして『物言い』に関してだ。

これに関しては何度か記載しているが、曖昧な取り組みに関しては、積極的に物言いをつけるべきだと思う。

今場所で言えば何と言っても『遠藤ー隠岐の海』である。

昨日も記載した通り、蛇の目の砂に足跡が残っていないならば物言いをつけるべきだろう。

やたらと物言いをつけて進行の妨げになるのは問題だが、その境目など審判の業務を行っているものならば認識可能だろう。

『ばつが悪い』とかそんな考え方を持っているならば、審判をする資格などない。
というか消えてもらいたいくらいだ。

昨日の疑惑の一番のように『審判の目が絶対』と通すならば、行司もビデオもいらないことになるだろう。

自分の役割が何かを再度認識する必要があると思う。

これで本当に最後となるが、史上初の関脇同士の優勝決定戦を観られたことは本当に喜ばしいことだった。

相撲ファンの皆様も15日間観戦お疲れ様でした。