きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

292. 2021年初場所14日目を勝手に語る

大栄翔が単独首位で千秋楽へ向かう展開となった大相撲初場所

まず先に触れておきたいのが敗れた正代の取り組みである。

見ごたえのある最高の一番だったと言える。

正代は優勝のためには絶対に落とせない一番であり、一方の照ノ富士大関復帰への足固めのために二桁に乗せたい一番だった。

まず立ち合いは照ノ富士が思い切り踏み込んできた。

正代としては自身が踏み込み、流れの中でもろ差しの形を作るという狙いだっただろう。

しかし予想以上に照ノ富士が踏み込んできたため、大きく後退する展開となった。

それでも今場所の正代は土俵際しぶといため、ある程度余裕を持って、回り込みながら叩いて照ノ富士の体勢を崩し、そして狙い通りのもろ差しの形を作ることに成功した。

腕を極めらない差し方もしており、うまく体を寄せたようにも感じたため、私はこの瞬間正代の勝ちを確信した。

しかしここから照ノ富士の粘りが驚異的だった。

何とかしようと小手に振るのはわかるのだが、その小手投げで正代の体勢が大きく揺さぶられる程だった。

そこから正代が再び回り込みながら叩いて照ノ富士の背後を取ったと思いきや、またもや照ノ富士が驚異的な反射神経でクルッと回り込んでこれを凌いだ。

最後は両者の体が少し離れたところ照ノ富士が叩き込んで勝負が決まった。

正代からみると昨日のようなまともな叩きではなく、うまく回り込み、さらには自分の形を作り、巧さ、強さ、冷静さ全てが揃っていたと言っても過言ではないくらい良い動きをみせていた。

しかし照ノ富士がこの一番は何としてもモノにしてやるという凄まじい執念を感じた。

この一番に関しては強引な相撲も解禁していただろうから小手投げが炸裂したし、それ以上に驚かされたのが『俊敏さ』である。

俊敏さは照ノ富士に唯一欠けているもの(照ノ富士の相撲内容を考えれば無くても構わないが)であり、こんな照ノ富士の相撲をみたのは初めてである。

ここ数日、優勝争いが佳境を迎える終盤戦において何よりも重要なのは白星であると記載していたが、この一番を見て正代を責める者はいないと思う。

正代にとっては悔しい黒星だが、まだ優勝の芽が完全に消えたわけではないので、腐らず千秋楽も本日のような相撲を取り切ってほしいところである。

勝った照ノ富士にも負けた正代にも拍手を送りたい。
本当に見ごたえのある素晴らしい一番であった。

そして単独首位に立った大栄翔。
本日も迷いのない立ち合いの当たり、突っ張りだった。

変化のない、同じ突き押し相撲相手ということも思い切りいくことが出来た要因でもあるだろう。

玉鷲の上体を起こすことに成功し、最後の叩きはややまともに感じたが、先手を取った分少し余裕はあったか。

昨日も記載したが、今場所の大栄翔は自分の相撲さえ取ることが出来れば負けることはないだろう。

これで優勝へ王手をかけた。
明日も自分との戦いとなるだろう。
悔いのない相撲を取ってほしいところである。

優勝争いとは別の話だが、関脇隆の勝が勝ち越しを決めた。

場所前にも記載したが、これで隆の勝は『新三役かつ新関脇から2場所連続勝ち越し』を決め、これを果たした過去の力士は皆大関以上へ昇進している。

隆の勝も過去のデータ通り今後大関へ昇進できるかどうか。

期待しているだけに楽しみである。

その一方御嶽海だが、まぁこれも御嶽海か。
深くは語るまい。

明日の注目の割は
『大栄翔ー隠岐の海
もちろんこの一番である。

大栄翔にとっては過去合い口の悪い相手である。

懐の深い力士であるため、突っ張っても吸い込まれるように差してしまうのだろう。

今場所の力を発揮すれば大丈夫だと思うが、隠岐の海も勝ち越しがかかっているため必死になってくるだろう。

また土俵際のうまさもあるため注意が必要である。

上記の通り、迷いなく自分の相撲に徹することだろう。

6年連続初場所初優勝誕生か。
優勝決定戦へ持ち込まれるのか。
正代の逆転優勝はあるのか。

千秋楽が待ちきれない…

最後に千秋楽前日ということで三賞の予想もしておこう。

・敢闘賞:大栄翔、琴ノ若(条件)、明瀬山(条件)
・殊勲賞:大栄翔
・技能賞:翠富士

大栄翔が役力士を総なめにしたことで殊勲賞は確定であり、今場所の活躍からして敢闘賞も受賞すると思われる(敢闘賞に関しては条件付きの可能性もあるが)。

今場所は好成績という点では大栄翔以外の力士はやや乏しく、その他の予想が難しいところである。

私個人の考えとしては、今場所は大栄翔のみで良いと考えているのだが、上記予想とした。

琴ノ若は若手が二桁に乗せたという点、明瀬山は苦労人が久々の幕内の土俵で活躍したという点が評価され、もう1勝ほしいというところで条件付きの予想とした。

そして新入幕の翠富士だが、本日6敗目を喫したため『新入幕二桁で敢闘賞』といういわゆるお決まりに届かない成績となったが、代名詞ともなっている肩透かしを評価されての受賞があるかもしれない。

過去に新入幕で二桁に届かなくても三賞を獲得した力士は存在し、霧島、舞の海は技能賞を受賞している。

とはいえ大栄翔以外の3名、皆十両力士に敗れているため、それがどのように評価されるか。

上記の通り、私個人としては大栄翔のみで良いと考えている。

はてさてどうなるか。