白鵬休場。
正直、優勝争いを考えたとき昨日も記載したが、戦意喪失した白鵬よりも両関脇の方が優勢だと感じていた。
それでも『白鵬ならばあるいは』という気持ちも心のどこかに存在していた。
それは強い白鵬を知っているから。
一方で後半急に失速する白鵬も知っている。
若手の台頭が著しい今場所。
独走展開は不満だが、それでも若手の壁となって立ちはだかってほしいという願いもあった。
今場所に限って言えば、それが見られないことが残念である。
さて優勝争いだが、単独トップに立つ玉鷲は、すごく良い内容かと言われたら難しいところだが、白星をしっかり掴んだ。
『待った』で気持ちを切らすことなく、立ち合い先手を許したものの、右のおっつけ(あてがい)が効果的だった。
明日の遠藤戦、しっかり腕を伸ばし、足が出ていけば問題ない相手だと思うが、遠藤の前さばきの巧さには注意しなければならない。
1差で追う貴景勝は完勝だった。
立ち合い強く当たって突き放し、左ハズで一気に持っていった。
明日の豪栄道戦、今場所の相撲内容ならば貴景勝優勢だろうが、元々の相撲の質、技術は豪栄道の方がはるかに上である。
下手に叩く動きを見せると厳しい展開になる可能性が高い。
今場所ここまでの相撲をしっかり取りきることが出来るかどうか。
本日の白星で俗に言う『3場所合計33勝』を達成したわけだが、審判部の見解としては連続優勝という声が挙がっている。
連続優勝云々より、まずは12勝にのせることが重要だろう。
明日で全てが決まる。
両関脇のどちらが賜杯を手にするのか。
玉鷲が苦節15年で初優勝を果たすのか。
それとも史上初の『関脇同士の優勝決定戦』へ縺れこむか。
その結果、貴景勝が史上初の『関脇以下の連続優勝』を果たすのか。
千秋楽も目が離せない。
白鵬の休場がなければ『白鵬ー高安』となっていたのだが、白鵬休場により『高安ー魁聖』と割が変更となった。
1972年初場所『栃東ー清国』以来47年ぶりとなる『平幕力士の千秋楽結びの一番』が見られると期待したのだが、さすがに審判部も優勝争いに絡む一番に加え、『大関ー関脇』の方が妥当であると感じたのか。
私個人としては、当然だと思う気持ち半分、見てみたかったという気持ち半分と複雑だった。