白鵬に土。
今場所早くも『優勝は誰か？』ではなく『白鵬全勝なるか？』が焦点となりつつあったが、再出場してきた御嶽海が素晴らしい内容で白鵬を降した。
再出場した力士がその日に横綱と対戦して勝利したのは、年6場所制以降では初である。
本日は右の使い方が素晴らしかった。
白鵬の左を下から跳ね上げて封じ、白鵬が僅かに引いたところを見逃さず押し出した。
今後の展開、また数年先を見たときはまだわからないが、本日だけで評価するならば再出場してきた価値は非常に高い。
そして途中休場もあり忘れられているが、今場所は3横綱を総なめにしている。
高安にも勝利すれば上位総なめとなる。
是が非でも勝ち越しに結びつけたいところだろう。
そして白鵬側からみると、珍しく呆気ない相撲であった。
組んでも離れても相撲を取ることができるが、基盤が四つ相撲のため、離れる展開で下から跳ね上げられると、さすがに白鵬と言えども厳しいか。
白鵬が1敗したことにより、場所に動きが見られたが、とはいえ百戦錬磨の大横綱のため、1敗しただけで崩れるとは考えにくい。
明日は2敗の玉鷲戦。
これに勝てば優勝はほぼ決まりだろう。
一方、2敗を守った玉鷲だが、完勝とは言い難いものの勝利への執念を感じた。
昨日記載したが、決して油断ならない相手であり、琴奨菊得意の左ものぞきかけたが、強引に左から掬って難を逃れた。
形はどうであれ2敗を死守し、そして思いもしなかった白鵬の黒星と、願っても無い形で白鵬戦を迎える。
白鵬戦未勝利だが、本日の御嶽海が見せたように、下から跳ね上げる動きを見せることができるかどうか。
貴景勝が勝ち越しを決めた。
引きたくなる場面、張り手の大振りを繰り出したくなる場面も多かったが、我慢して何度も頭から二の矢、三の矢で攻め続けて勝利した。
大きく崩れることなく11日目に勝ち越しを決めたが、昨日記載した通り、今場所番付上位の力士にはまだ未勝利である。
