きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

16. 協会よ。いい加減に考えるときだ。

本日、今場所唯一1敗で白鵬を追っていた千代の国が、勢に敗れて膝を負傷した。

 

そしてその次の取り組みでも、琴勇輝が膝を負傷し、二番続けて力士が車椅子で運ばれる光景を目にした。

 

そして幕下では、再起を懸けて土俵に臨む宇良-朝青龍の甥で注目を集める豊昇龍という注目の割が組まれたが、その一番で宇良が再び膝を負傷したとの事だった。

 

近年、大相撲の怪我は深刻化しており、大怪我を負うことにより、番付を一気に下降させてしまう光景を何度も目にしている。

 

上記の宇良、元大関 照ノ富士が代表例であり、番付を戻してきた力士としては、栃ノ心、竜電、豊ノ島常幸龍などが挙げられる。

 

怪我に関しては様々な意見が飛び交う。

『怪我をしない身体作りが重要』

『負担となりうる体重の増加が問題』

など。

 

古くからの言い伝えとしては

『怪我はする者が悪い』

『稽古しないから怪我をする』

『怪我は稽古をしながら治す』

といったものも存在する。

 

確かにどの意見も間違ったことは言っていないと思う。

相撲の基本である四股、テッポウ、すり足が出来ていない力士は、怪我をしない身体作りも出来ておらず、その結果負傷するという場合もあるだろう。

 

しかし全ての力士が、これに該当するかと問われるとそうではない。

 

特に上記に挙げている力士は『土俵上の事故』とも呼べる怪我だろう。

本日の千代の国戦を見ていただければすぐにわかる。

この一番を見て『この力士は稽古不足だ』と指摘する者は存在しないだろう。

 

上位に定着してきた力士、上位に迫ってきた力士が怪我で離脱していく。

近年、大卒出身力士が上位で活躍する姿を目にすることも多いが、一方怪我で離脱していく力士も多い。

 

その中御嶽海は、比較的怪我には強いタイプであったが、今場所負傷している。

 

プロ野球などでシーズン途中に怪我で離脱して『今季絶望』などとよく目にする。

期間にして約半年とした場合、大相撲では幕内力士が幕下まで陥落する恐れがある。

 

そして幕下に陥落した場合、給与もゼロである。

 

現在、公傷制度は存在しないため、遠藤のように騙し騙し土俵を務める力士も存在するのである。

 

大相撲は余程のことがない限り、2ヶ月に1回場所が訪れる。

今場所のように2横綱1大関が不在になるといった、経営面を考慮すると休場されるのも困るのだが、そのまま出場して悪化させ、再起不能になるのはもっと困る。

 

『怪我をしない身体作り』

これは間違いない。

しかし机上の空論になりつつある。

 

騙し騙し取り続けた結果、照ノ富士は三段目まで下降した。

遠藤は昨年やっとの思いで三役昇進を果たしたが、結局怪我により下降した。

 

もう限界である。

 

昨年、栃ノ心が幕下陥落を経験しながらも見事復活し、初優勝&大関昇進を果たした。

これは喜ばしく、素晴らしい出来事であることは間違いない。

 

しかし、全力士が『栃ノ心』ではない。

この出来事に酔いしれるだけではいけない。

 

具体案、解決策を模索しない限り、永久不滅の問題である。

 

本来ならば問題が起こってから事に取り掛かるようでは遅すぎる。

この間にも力士はもがき苦しんでいるのである。

最悪、復帰に務めていたが願い叶わず土俵を去る力士も存在する。

 

かなり前から具現化している問題なのである。

協会はしっかりとこの問題に向き合っているのだろうか。

少なくとも私の目からはそれは感じ取ることが出来ない。

 

若手が台頭してきて、世代交代の波も少しずつだが押し寄せてきている。

しかしその若手が、いつ怪我により離脱するかわからない。

 

満員御礼という目先だけの人気にあぐらをかいている場合ではない。

 

10年、20年、未来永劫続く大相撲発展のために、協会はすぐにでも解決策を考えて欲しいところである。