きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

134. 2019年九州場所11日目を勝手に語る

九州場所も本日より終盤戦へ突入し、優勝争いも佳境を迎える。

昨日記載した通り、上位陣+朝乃山は危なげない内容で白星。

 

唯一懸念材料のあった貴景勝は、碧山の叩きを変に意識せず『警戒するレベル』であり、相手を良く見ながら足も手も出ており完勝だった。

大関として初めての勝ち越しとなり、とりあえずホッとしただろう。

白鵬とは星の差2つだが、今場所数少ない上位陣の意地を見せて欲しいところ。

 

単独首位の白鵬は、竜電にもろ差しを許したが、立ち合いの踏み込み良く、両上手をしっかり引き付けていたため、危なげない内容だった。

相撲内容も徐々に厳しさを増してきており、終盤戦へ突入し、さらに加速していくか。

竜電としては持てるだけの力を発揮し、十分健闘した。

最高の形を作るも敗れてしまったが、これに関しては単純に力量の差である。

今後それを埋めるのは竜電の努力次第といえる。

 

朝乃山が1日ごとに強くなっていると言っても過言ではない。

立ち合いの圧力だけで勝利してしまった内容である。

相手はケンカ四つの宝富士であり、宝富士は左を固めて当たってくるが、意にも介さず朝乃山が自分の相撲を取り切った。

今場所が新三役であり、本来ならば私はすぐに『大関候補』と呼ぶことに対してあまり好ましく思わないのだが、今場所の内容をみていると思わずそう言いたくなるし、ましてや今大関に最も近い御嶽海よりも完全に上に見えてしまう。

それほど本日の内容は厳しく強かった。

 

一方その御嶽海だが、遠藤に敗れ6敗目を喫し、大関取りは事実上白紙に戻った。

左差し、最終的にはもろ差しを狙うような立ち合いだったが、まず遠藤相手にその立ち合いの選択が間違いだろう。

過去の対戦では遠藤の巧さにやられており、ましてや四つで遠藤に勝つなど困難である。

それよりも馬力では御嶽海が圧倒しているため、立ち合いで突き放しにいったほうが良かっただろう。

昨日苦手の竜電に敗れて気落ちしてしまったのか、本日はまるで良い所がなかった。

上記の通り、これで今場所の二桁勝利は消滅したが、まだ白鵬貴景勝、朝乃山という主要力士との対戦を控えているため、存在感を見せたいところ。

 

明日の注目の一番は何と言っても

『御嶽海-朝乃山』だろう。

現状、最も大関に近い者同士の対戦と言える。

そして本日の結果を踏まえると、私は朝乃山の方が大関に近付いていると感じた。

しかし御嶽海としても、17場所連続三役の地位を守っている力士として意地もあるだろう。

貴景勝戦といい、同世代の勢いのある力士を相手にする時の御嶽海はかなりの力を発揮する。

今年の夏場所、朝乃山が14日目に優勝を果たし、千秋楽に御嶽海と対戦したが、その対戦では御嶽海が圧倒している。

御嶽海が意地を見せるのか。

それとも朝乃山が越えていくのか。

今場所の優勝争いだけではなく、今後の大相撲を占う意味でも重要な一番になりそうである。

はてさて…

 

※昨日の題名が『9日目を勝手に語る』と記載していましたが、『10日目』に訂正しました。

133. 2019年九州場所10日目を勝手に語る

九州場所も中盤戦が終了。

2敗力士も朝乃山1人となった。

その朝乃山だが、明生との注目の一番にて圧巻の内容だった。

立ち合い踏み込み良く、左上手が早く、右も差し勝ち、万全の形だった。

先場所は巻きかえを許したが、前へ圧力をかけているため、それも許さなかった。

新三役の今場所だが、ここまではほぼ完璧だろう。

終盤戦もこの内容が続くならば、先頭に白鵬がいても『ひょっとしたら』も出てくるだろう。

白鵬も磐石な内容で首位キープ。

得意な碧山ということもあり、勝つ自信しかなかったのではないだろうか。

碧山には悪いが、正直観戦しても期待できるものは何もなかった。

貴景勝も磐石な内容で3敗を守った。

琴勇輝も怪我から復調し、侮れない相手であったが、常時貴景勝の間合いで圧力をかけて突き放していった。

4連勝中の内容をみていると5日目、6日目の内容が悔やまれる。

貴景勝同様、復調の兆しをみせていた御嶽海が苦手竜電に敗れ、二桁を挙げるためには後が無くなった。

本日も立ち合い悪くなく、左四つ右上手を引いて万全だったが、竜電にも上手を引かれ残されてしまった。

御嶽海は左四つでもある程度相撲を取ることが出来るが、左四つで組み合うならば竜電の方が一枚上手である。

御嶽海としてはおっつけ、ハズ押しで攻めるか、もろ差しで攻めたいところだった。

これで5勝5敗となり、残りの対戦相手は白鵬貴景勝、阿炎、遠藤、朝乃山と皆役力士であり、厳しいと言わざるを得ないが、御嶽海の力量ならば不可能とも言い切れない。

反面あっさり負け越してしまいそうな印象もあるため、意地を見せられるかどうか。

特に朝乃山戦はターニングポイントになる可能性もある。

明日の取り組みは、上位陣、朝乃山にとっては自分の相撲を取りきれば問題ないと思うが、『貴景勝ー碧山』は波乱があるかもしれない。

貴景勝が連勝中の内容で相撲を取りきれば問題ないと思うが、碧山の叩きを変に意識して消極的になってしまうと墓穴を掘る可能性もある。

一度敗れたときが変化だっただけに、貴景勝は叩きを意識せず、しっかり足を出していけるかどうか。

貴景勝としては自分との戦いと言えるだろう。

明日から終盤戦である。

このまま白鵬が逃げ切るのか。
それとも誰かが引きずり下ろすのか。

貴景勝、御嶽海、阿炎辺りがその可能性を秘めているがはてさて…

132. 2019年九州場所9日目を勝手に語る

九州場所も本日より後半戦へ突入。

単独トップである白鵬は、琴勇輝を降して勝ち越し。

立ち合いがかち上げか張り差しかの違いはあれど、展開としては2日目大栄翔に敗れた内容と似ていた。

琴勇輝の場合、上体だけに力が入っており、足がついていっていないため、引きにばったり落ちてしまった。

白鵬としては冷静と言えば冷静かもしれないが、この内容に付け入る力士は今後多くなるだろう。

今場所で言えばそれが大栄翔だった。

まぁとにもかくにも1敗を守り、単独トップも守った。

朝乃山は『天敵』である大栄翔を降して2敗を死守。

立ち合い踏み込み良く、相手の突っ張りに対しても顎を上げず、前に圧力をかけて右が覗く形となり、相手がバランスを崩した所を叩き込んだ。

とにかく今場所は立ち合いの踏み込みが良く、そしてしっかり前に圧力をかけることが出来ている。

残り6日間の対戦相手は、御嶽海を除くと全員平幕である。

場所の展開からして、朝乃山に優勝争いを盛り上げてほしいと願うファンは多いだろうから、そのプレッシャーとの戦いにもなるだろう。

大関 貴景勝北勝富士との激しい押し合いを制した。

期待通りの熱戦であり、その上で貴景勝大関の意地をみせた。

まともな叩きは見せず、我慢して押していき、相手のいなしにもしっかり対応して、最後はタイミングの良い突き落としで勝負を決めた。

この3日間は貴景勝らしさが存分に出ている。

このまま連勝を積み重ねていけば、恐らく千秋楽に当たるであろう白鵬戦も期待が持てる。

関脇 御嶽海も同様に、御嶽海らしさが出てきた。

今日はお得意様の玉鷲相手に自信を持って相撲を取っていた。

この内容をみていると、3連敗が悔やまれる。

連敗中は勝ち越しすら危ぶまれたが、この流れならば二桁もまだチャンスはあるだろう。

平幕2敗の輝は、右を差して左からおっつける内容で2敗を守った。

本人の中でも差して攻める相撲に対して手応えを感じているかもしれない。

昨日も記載したが、窮屈なもろ差しよりも、どちらかの四つに組み、上手を引き付けて攻める、もしくはおっつけて攻めるという相撲が理想だと考えている。

輝にとって今場所がターニングポイントになる可能性が高い。

明日の注目は
『朝乃山ー明生』
この一番だろう。

両者今年1年でかなり力をつけた者同士の対戦である。

朝乃山としては上記の通り、立ち合いに集中していけば問題ないと思うが、明生も立ち合いの踏み込むスピードはかなり向上しており、もろ差しになる巧さもある。

先場所は千秋楽に対戦し、明生がもろ差しを果たして朝乃山を降している。

期待の若手同士の楽しみな一番だが、朝乃山としては上を目指すならば、ここで落とす訳にはいかない。

どちらが立ち合いを制するのか。

131. 2019年九州場所中日を勝手に語る

九州場所も中日折り返し。

その中、角番高安が土俵入りに姿を見せながらも本日休場を表明した。

腰が原因とのことで、明日も割から外されており、これで事実上6敗以上が確定してしまった。

角番云々よりも状態が気掛かりである。

まだ角番脱出に望みがあるとは言え、今場所は治療に専念して、来場所に懸ける方が賢明だと思う。

土俵に目を向けると、2敗が早くも2名だけとなった。

朝乃山は阿炎との小結対決を制して2敗を守った。

阿炎のもろ手突きに下がらず、前に圧力をかけて左前ミツを引いて攻め切った。

どっしりと構えており、磐石な内容と言えるだろう。

もう一番注目である『北勝富士ー遠藤』の小結対決は、遠藤が制した。

遠藤は立ち合い張り差しから得意の右上手を引いて攻めたが、やや上手が深く、珍しく腰も高かった。

そのため北勝富士も残すことができ、上手を切って反撃に出たが、最初に攻められた分慌ててしまったのか、その後引いて墓穴を掘った。

とはいえ両者ともに力を出し切った熱戦だった。

単独トップの白鵬は、張り差しから得意の左上手を引いて危なげない内容で白星。

立ち合い2度合わなかったが、乱れることなく集中していた様子だった。

後半戦へ向けて徐々にエンジンがかかってきたか。

一人大関となった貴景勝は、力をつけてきている明生を一蹴した。

相手を正面に置き、前に圧力をかけて圧倒するというらしさが出た一番だった。

昨日、今日と内容良く、この流れのまま白星を積み重ねていきたいところ。

関脇 御嶽海もこの2日間はしっかり当たって自分の相撲を取っている。

貴景勝、御嶽海ともに白鵬戦は残されているため、存在感を見せてほしいところ。

平幕下位に目を向けると、正代が初黒星を喫してからもったいない内容が続き3敗目。

場所前から大勝ちする可能性は高いと予想していたが、この地位でもやや苦しんでいる姿を見ると、やはり相撲内容を変える必要があると感じる。

顎を上げて胸を出しながら当たる立ち合いはもちろんのこと、もう一つこの力士の致命的な問題は『もろ差し頼り』ということである。

右四つ、左四つどちらでも構わないが、浅く上手を引き付けて攻めるということができない。

ある程度前に攻めると意識は見られるが、大半が苦しい体勢からでももろ差しを求める傾向にある。

ここを修正しない限り、上位で結果を残すことは出来ず、さらには下位でも苦戦することになるだろう。

もう一人の2敗力士である輝は、以前から思っていることだが『双羽黒のような相撲』を目指すべきではないだろうか。

双羽黒は突っ張りから右四つに組んで攻める相撲だった。

輝の場合、足が長く、無理に突っ張りだけで攻めようとしても腰を落とせず、逆転を食ってしまう事が多い。

突っ張りで先手を取り、組み止めて上手を引き付けて攻めることで、安定感が増すのではないだろうか。

ここ数日、もろ差しを狙うことも多いが、長身なだけにそれも窮屈だろう。

今場所をきっかけに『化ける』ことが出来るかどうか。

明日の注目は
貴景勝北勝富士
『朝乃山ー大栄翔』
この2番である。

貴景勝北勝富士は激しい押し合いによる熱戦を期待したい。

その上で貴景勝としては大関の意地を見せてほしいところ。

ここで格の違いを見せつけることで、大関としての自信もつけていくことが可能だろう。

朝乃山ー大栄翔だが、朝乃山にとっては過去1勝7敗の『天敵』である。

朝乃山としては、本日の阿炎戦のように、立ち合いしっかり踏み込み、大栄翔の突っ張りに対して顎を上げないことである。

同格相手に対して、確実に白星を掴み取ることが出来るかどうか。

優勝争いを盛り上げるためにも負けられない一番である。

明日から後半戦である。

このまま白鵬が独走態勢に入るのか。

それとも誰かが引きずり下ろすのか。

私個人としては『2敗の優勝』を望んでいるがはてさて…

130. 2019年九州場所7日目を勝手に語る

4日ぶりに上位陣安泰。

1敗の白鵬は昨日記載した『余計なこと』はしなかったが、もろ差し狙いで来るとは思わなかった。

結果としてもろ差しは果たせなかったが、冷静に宝富士を捌いた。

取り組みでは余計なことをしなかったが、勝負がついたあとダメ押しとは異なるが『左手を振り回す』余計な動きが見られた。

なぜ余計なことをしてしまうのだろうか。

こんなどうでもいいことで大横綱の名が汚れてしまうのはバカバカしいため、本当に止めていただきたい。

大関は連敗を止めた。

高安は玉鷲相手に土俵際まで攻められたが、相手の突っ張りをうまく下から跳ね上げて形勢逆転した。

気迫だけは衰えておらず、本日も気迫だけで相撲を取っていたような感じだった。

今場所の高安に内容を求めるのは酷だろう。

気迫を全面に出しても昨日までのように、気持ちと身体がバラバラになることも多いだろうが、何とか白星を積み重ねて流れを掴みたいところ。

貴景勝は合い口の良い妙義龍を冷静に捌いた。

左から張られても慌てず、前に出ることだけを考えていた様子である。

何度も記載しているが、安易な叩きわいなしに頼らず、押しに徹することだろう。

新小結朝乃山が立ち合いから左上手を引き、右四つの自分の形なって白星を掴んだ。

踏み込みも良く、攻めの姿勢を貫いていたが、一つ気掛かりなのが『上手が一枚のまま攻めている』ことである。

これでは十分に引き付けることが出来ず、相手の差し手も殺すことが出来ないため、逆転を許す可能性も生まれてしまう。

本日は攻めきれたから良かったが、ここらへんは今後の課題だろう。

本日終了し、三役以上は白鵬、朝乃山を除く6名が3敗以上である。

期待の若手が上位に躍進してはいるが、やはりまだ安定して二桁勝利できるような力量は持ち合わせていないということである。

ましてや優勝ラインの13勝などは想像しにいくのが現状だ。

連日記載しているが、今場所の白鵬は磐石とは言い難い内容である。

それでもここまで唯一の1敗で単独トップである。

今場所の大栄翔のように単発では白鵬を脅かすことが出来ても『15日間総合しての力量』という点では、未だに白鵬と肩を並べる力士がいないということである。

今場所の場合、何とか朝乃山には食らい付いてほしいところだが。

明日の注目は
『阿炎ー朝乃山』
『遠藤ー北勝富士
小結同士の対戦2番である。

4小結はそれぞれ持ち味を発揮して好調であるため、熱戦を期待したい。

そして朝乃山としては阿炎の突っ張りに対して、顎を上げないこと、そして土俵際に注意することだろう。

今場所の阿炎は、突っ張りに重みが出てきているため要注意である。

明日で早くも折り返しの中日である。

はてさて…

129. 2019年九州場所6日目を勝手に語る

中盤戦へ突入した九州場所は、開始早々8名いた1敗力士が1名だけになった。

残った1名が第一人者 白鵬である。

注目の明生戦はあっさり勝負がついてしまった。

明生としては、結果的に待ったとなってしまった最初の立ち合いを出来なかったことが悔やまれる。

あの立ち合いも白鵬得意の右四つにはなっていたが、明生としては良い当たりをしたと言える。

2度目の立ち合いは、白鵬の左張り差しでバランスを崩してしまい、全く勝負にならなかった。

白鵬としては冷静に捌いた一番となり、今場所磐石とは言い難い内容ながらも、周りが崩れていくという追い風が吹き始めている。

百戦錬磨の白鵬としてはこのチャンスを不意にするはずがないだろう。

期待の新小結 朝乃山は遠藤に敗れ2敗に後退。

本日の一番は遠藤を褒めるべきだろう。

立ち合いは朝乃山がしっかり踏み込み、右も覗かせ圧力も十分かけていた。

しかしそこから遠藤が左をうまく巻きかえた。

遠藤の巻きかえの巧さ、前さばきの巧さは現役力士の中で白鵬と肩を並べるほど群を抜いている。

本日は遠藤が良すぎたため、朝乃山としては気にせず明日以降も立ち合いに集中してほしいところ。

大関陣が2日連続揃って黒星。

貴景勝は足が出ておらず、さらにはバタついており、ちぐはぐな内容である。

今場所はすぐいなしにいってしまっていることが気掛かりである。

足を出すことへの意識、そしてもう少し我慢してしつこく攻めていく必要があるだろう。

そしてさらに深刻なのは高安である。

相撲内容が崩壊している。

思えばよく初日にあれだけの相撲を取ることが出来たのか不思議な程だ。

連勝すれば流れも変わる可能性があるが、今の高安からは覇気も感じられない。

まだ場所は半分以上残されているが、かなり厳しくなってきた。

大関昇進を目指す御嶽海も全く相撲にならず4敗目。

高安以上に覇気がなく、攻める意識がまるで感じられない。

明日の注目は
白鵬ー宝富士』
この一番である。

過去は13ー2と白鵬が圧倒しているのだが、白鵬平成28年春場所名古屋場所まで33連勝していた頃、宝富士はその際に連勝が始まる前の一番と連勝を止めた一番をモノにしている。

要はこの一番『白鵬次第』と言える一番である。

白鵬が余計なことをすれば宝富士にもチャンスが生まれるのである。

この時期の白鵬は『左張り差し、右かち上げ』を主体とした立ち合いをしており、宝富士はしっかりこの対策を練っていたため勝利することが出来た。

順当に白鵬が左前ミツ狙いの立ち合いに徹すれば全く問題ないと思う。

白鵬の立ち合いに注目である。

早くも全勝が消え、1敗も白鵬はだけとなってしまったが、好調の小結北勝富士、朝乃山が何とか食らい付いてほしいところである。

128. 2019年九州場所5日目を勝手に語る

九州場所も序盤5日間終了。

平幕の若隆景が休場、そして正代の黒星により、全勝力士が消滅した。

まず本日最注目の取り組みであった『北勝富士ー朝乃山』だが、朝乃山が完勝した。

立ち合い踏み込み良く圧力もあり、当たった瞬間右を差すことに成功した。

その後左はおっつけ、腰もしっかり落として磐石な攻めだった。

北勝富士としては朝乃山の右を得意のおっつけで封じたかっただろうが、それをさせないほど朝乃山の立ち合いが厳しかった。

序盤4勝1敗と好成績であるため、中盤戦以降も注目である。

第一人者 白鵬が妙義龍を一蹴した。

昨日私は白鵬の立ち合いについて『高い』『遅い』『軽い』と記載したが、本日の立ち合いは『速さ』を感じた。

高さに関してはまだ少しだけ高いという印象を受け、圧力もそこまで感じなかったが、速さで圧倒したような内容だった。

昨日、今日と立ち合いはしっかり明確化しており、あとは細かな修正をしていけば、やはり優勝候補最右翼と言ったところか。

大関は黒星。

貴景勝はタイミング良く突き落とされて黒星。

この力士の場合、こういう負け方はある程度仕方ないと言える。

これが続くようならば問題だが、余計なことをしても解決策にはならないため、とにかく自分の相撲を貫くしかないだろう。

問題は高安である。

昨日も記載したが、気持ちと身体がバラバラである。

本日も途中叩きは見られたが、それでも攻め切るという気持ちが伝わる内容ではあった。

しかし腰高であり、突っ張りも軽いため、明生に腕を手繰られてしまう。

明生の辛抱勝ちと言えばそうなのだが、立ち合いの圧力、突っ張りの重さがあれば同じ結果になったとは考えにくい。

これで角番場所で序盤黒星先行。

左肘の怪我の影響もあるのだろうが、とにかくまずは連勝してきっかけを作りたいところ。

大関昇進を目指す御嶽海が絶望とも言える序盤で3敗目。

立ち合いの強さが全く無い。

四つ相撲の隠岐の海相手に立ち合い押し負けているくらいだ。

目の怪我の影響もあるのだろうが、正直闘志も感じられない。

このままでは勝ち越しすら危ういだろう。

大関復帰を懸ける栃ノ心が休場した。

数字上はまだ可能性があるとは言え、事実上大関復帰が叶わなくなった。

気力だけで相撲を取るのも限界があったようだ。

大怪我からの復活を何度も見せてくれただけに残念である。

平幕に目を向けると、全勝だった正代は正直かなりもったいない一番と言える。

相手の琴奨菊はここまで4連敗であり、さらには今場所の琴奨菊はとにかく『脇甘』だった。

立ち合いしっかり踏み込んでいけば、差し身の良い正代ならば簡単にもろ差しを果たせただろうが、立ち合いの圧力は全然なかった。

もちろん琴奨菊は元大関の実力者であるし、正代よりも土俵経験も豊富だが、今場所の内容を加味すると正直もったいないと言わざるを得ない一番だった。

一方琴奨菊は5日目に初日を挙げた。

得意の左四つとは逆の四つだったが、構わず攻めた内容だった。

地元九州場所で心に期すものもあるだろうが、ここから巻き返しなるか。

明日の注目は
白鵬ー明生』
この一番である。

勝敗云々ではなく、明生が白鵬相手にどれだけ相撲を取ることが出来るかどうか注目である。

初の上位総当たりだった2場所前は4勝と跳ね返されたが、その場所も明生らしさを存分に発揮できていた。

今場所は『らしさ』だけではなく、ここまで成績も伴っている。

この一年で着実に力を付けており、その中白鵬にどれだけ相撲を取ることが出来るか。

白鵬としても雑な攻め方をすれば、もろ差しを許す可能性もある。

この2日間のように左前ミツを狙う立ち合いがベストだろう。

序盤から荒れている九州場所だが、中盤戦どのように場所が動くだろうか。