大相撲春場所は12日目を終了し、優勝争いも佳境を迎えている。
本日敗れたが、新入幕尊富士の相撲内容には驚かされる毎日である。
12日目終了して後続と星の差2つのため、絶対的有利な状況ではある。
尊富士が自滅しない限り、新入幕優勝がかなり近づいている状況ではあるが、あくまで新入幕のため油断はできない。
過去に単独先頭かつ後続との星の差を2つ以上付けた場所は年6場所制となった昭和33年以降『82回』存在する。
実は令和に入ってからは令和元年九州場所以来2回目であり、実に4年半ぶりである。
これは過去最長の期間である。
2年程前までは誰が優勝するのかわからない時代であり、昨年も年6場所関脇以上の優勝だったが混戦が多いため、久しぶりの展開に陥っているのだろう。
余談だが過去82回の内、星の差が3つ以上は15回存在する。さすがにこれを逆転したケースは存在しない。
そして尊富士には意地悪な事だが、単独先頭かつ後続との星の差を2つ以上付けた展開から逆転を許した回数は『4回』である。
詳細は以下の通りである。
場所 |
先頭力士 |
後続力士 |
優勝力士 |
昭和42年九州場所 |
11勝1敗(11勝2敗2休) |
9勝3敗(12勝3敗) 9勝3敗(11勝4敗) 福の花(西5) 9勝3敗(11勝4敗) |
|
平成11年初場所 |
12勝0敗(13勝2敗) |
千代大海(東関脇) 10勝2敗(13勝2敗) |
千代大海(優勝決定戦) |
平成17年秋場所 |
琴欧州(東関脇) 12勝0敗(13勝2敗) |
10勝2敗(13勝2敗) |
朝青龍(優勝決定戦) |
平成29年秋場所 |
10勝2敗(11勝4敗) |
8勝4敗(11勝4敗) 嘉風(西関脇) 8勝4敗(8勝7敗) 琴奨菊(西1) 8勝4敗(10勝5敗) 阿武咲(東3) 8勝4敗(10勝5敗) 千代大龍(西3) 8勝4敗(8勝7敗) 貴ノ岩(東9) 8勝4敗(8勝7敗) 荒鷲(西9) 8勝4敗(8勝7敗) 大栄翔(東11) 8勝7敗 遠藤(東14) 10勝5敗 朝乃山(東16) 10勝5敗 |
日馬富士(優勝決定戦) |
一番最初の大鵬に関してはややイレギュラーではある。
12日目に大鵬が豊山に敗れ、その翌日に休場したため、佐田の山が逆転優勝を果たした。
2回目~4回目に関しては全て優勝決定戦へ突入する展開となっている。
そして当然と言えば当然だが、1回目の佐田の山以外、逆転優勝を果たした力士は先頭力士との本割直接対決で勝利している(大鵬と佐田の山は直接対決なし)。
これを踏まえると豊昇龍のひょっとしたらも期待されるところである。
しかしこの直接対決に関しては2回目(千代大海)と4回目(日馬富士)は千秋楽に割が組まれ、3回目(朝青龍)は13日目に割が組まれている。
言い換えれば『勝てば星1つ差に出来るチャンス』をモノにしたという事である。
そういった意味で豊昇龍は本日尊富士との直接対決を終えたため、過去の逆転の事例とは異なる展開となっている。
『新入幕優勝』という歴史的快挙に立ち会うことが出来るのか。
それとも大逆転劇があるのか。
いずれにしても今場所は語り継がれる場所になる可能性を秘めている。
残り3日間注目である。