きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

798. 2024年春場所10日目を勝手に語る

尊富士が大の里との好調平幕同士の一番を制し、後続との星の差を2つ付けた。

全勝:尊富士
2敗:琴ノ若、大の里
最終成績はどうなるかわからないが、それでもこの3名に優勝争いは絞られたのではないだろうか。

もちろんまだ5日間、いわゆる終盤戦が丸々残されているわけだが、そう思えてならない展開である。

さて本日注目の『大の里ー尊富士』の一番。
昨日も記載したが、出足が勝るのか、圧力が勝るのか。
そして早い相撲になると思っていたが、出足の尊富士が勝る結果となった。

立ち合いの踏み込みは尊富士が勝り、左も差し勝ち、あとは今場所これまで通り出足で圧倒した。
大の里の圧力が通じず、むしろ尊富士が当たり勝ってもいた。

この出足を止めるにはどうすれば良いのだろうか?
そう思ってしまうほど素晴らしい出足である。
低く鋭いだけでなく、圧力があることも証明した一番と言える。

これで後続との差が2つとなったが、優勝に対する意識がどのくらいあるか。
この先は重圧に加え、対戦相手も格段にパワーアップしてくるだろう。

変わらず出足が冴え渡るのかどうか楽しみである。

一方大の里は立ち合い当たり負け、そして差し負けたことが全てだろう。

そして改めて弱点が露呈された。
やはり止まった後の工夫がない。

極論当たり負けてもあれだけの体格があれば、どっしり構えて胸を合わせるように相撲を取るという事も出来るだろう。
それをさせない尊富士の出足というのはもちろんあるが、我慢できずすぐに右から投げを打って体勢を崩してしまった。

立ち合いの馬力で圧倒出来なかった時の対応が今後の課題だろう。
先場所、今場所と平幕中位〜下位、何ならある程度平幕上位ですら圧力だけで圧倒出来る力量があることは証明されている(今後研究されたらどうなるかわからないが)。

しかしそれだけでは足りないというのが先場所の役力士との対戦、そして本日新入幕の尊富士相手でわかっただろう。

若元春を圧力で圧倒している事実がありながらも入幕2場所目にこれだけ求めるのも酷だが、それだけ期待しているという証拠である。

2敗の大関陣に明暗が分かれた。

大関琴ノ若は王鵬を圧倒して勝ち越しを決めた。
王鵬の当たりを受け止め、左おっつけから流れのある相撲内容だった。

いつぞやか力量が『3場所ほど前に戻った』と記載したが、ここ数日の内容は『ここ2場所の力量に戻った』印象を受ける。

守りの強さだけではなく、廻しに拘らず前に出る相撲が冴えている。

これも数日前に記載したが、こういう展開になると守りの強さが光る安定した琴ノ若が有利かもしれないと記載したが、その展開になりつつあるか。

現状自力優勝は出来ないが、それでも明日尊富士戦が組まれている。
とにもかくにもここに勝たないことには何も始まらない。

貴景勝が土俵際の落とし穴で痛恨の3敗目。
立ち合いの当たり、その後の攻めも悪くないように感じたが、最後足が出ず、大栄翔の突き落としもタイミング良く決まる形となった。

早く角番脱出を果たしたいのはもちろんのこと、優勝争いという点では痛恨の3敗目である。
まずは角番脱出を早めに決めてほしいが、明日以降対戦相手はさらに厳しさを増してくるため、うかうかしていられない部分はあるだろう。

焦りもあるだろうが、落ち着いて押しに徹することが出来るかどうか。
苦難の場所を何度も乗り越えているため、精神面は大丈夫だと思うがはてさて。

昨日3敗目を喫した豊昇龍は若元春を下して7勝目。
立ち合い変化で決めたが、この力士は1場所に何度か見せるため、ここで見せたかという思いである。

中途半端なことをせず思い切ってやる分には良いのではないだろうか。

小結阿炎は御嶽海に敗れて4敗。
立ち合い変化が失敗に終わった。
阿炎は1場所に何度か変化を見せるため、昨日の敗戦が本日の変化に至った背景というわけではないと思うが、決めることが出来なかった。

上記の通り本日豊昇龍が変化で白星を掴んだが、変化するにしても確実に決める技量がなければ墓穴を掘るということである。

変化に対しては賛否あるが、私個人としては変化するならば
『中途半端は避ける』
『確実に決めにいく』
この2点がしっかりしているなら好感が持てる。 

本日の阿炎は決める事が出来なかった。
『変化=必勝』ではないということである。

関脇の大栄翔と若元春がともに5勝5敗となった。
片や初日から3連勝、片や初日から3連敗だったが、中盤戦終えて同じ成績である。

良くも悪くも関脇の力量といったところか。
若元春に関しては今場所強さを発揮していたが、役力士戦になるとやはり状況は変わるものである。

明日の注目の割は
貴景勝ー大の里』
琴ノ若ー尊富士』
この2番である。

平幕好調の2名が大関と割が組まれた。

まず『貴景勝ー大の里』だが、大関に失礼を承知で言うと『貴景勝が勝つイメージがあまり沸かない』ということである。

大の里は腰高のため、下から押し上げていくというのが勝ちパターンだと思うが、貴景勝は大型力士相手に苦戦を強いられる事があるため、大の里の圧力に屈してしまうのではないかとイメージが強く湧いてしまう。

そのため昨年夏場所、初顔の金峰山相手に不覚を取ったことがある。

経験豊富な大関のためぜひとも若手の壁として立ちはだかって欲しいところだがどうなるか。

琴ノ若ー尊富士』は尊富士の出足が守りの強い琴ノ若相手に通用するのかという点が一番の注目点である。

仮に出足を止められてもうまく崩すことが出来るのか、そもそも尊富士にその力量、技量があるのか。
注目すべき所は多い。

琴ノ若としてはまず出足を止めることが最優先であり、その後じっくり攻めるという狙いになるだろう。

冒頭の方にも記載したが、まだ終盤戦が丸々残っているが、優勝争いは尊富士、琴ノ若、大の里に絞られたように感じている。

最終成績が12勝まで落ちる可能性はあるが、如何せん豊昇龍、貴景勝が残り全勝というイメージがあまり沸かない(両者の直接対決もあるから余計そう感じる)。

明日尊富士が琴ノ若に勝つような事があれば、大関陣との星の差は3つとなり、さすがに大関陣はそれぞれ直接対決も残されているため、厳しいと言わざるを得ない状況に陥るだろう。

新入幕優勝という歴史的快挙を目にするかもしれないという喜びもないわけではないが、やはり私個人としては大関陣に壁として立ちはだかってほしいという気持ちが強い。

明日の大関と平幕好調の2名の割。
目が離せない。