きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

797. 2024年春場所9日目を勝手に語る

本日より後半戦へ突入した春場所だが、平幕好調の2名の勢いが止まらない。

関脇、小結でも止めることは出来なかった。

まず『阿炎ー尊富士』だが、昨日も記載したがどちらが勝つにしても早い相撲になると思っていた。
そしてそれを制したのが新入幕の尊富士だった。

立ち合い踏み込み良く、阿炎のもろ手突きを意に介さず、下から跳ね上げて出足で圧倒した。
阿炎も思わずすぐに引いてしまった。

実力未知数の新入幕だが、昨日も記載したように間違いなく先場所よりも強くなっているのだろう。

新入幕で役力士を倒しているのだから当然といえば当然なのだが、相撲の質が変わっているようにも感じる。

『出足』『速攻』と新入幕にして早くも尊富士の代名詞になるのではないだろうか。

阿炎相手にもこれだけの相撲を取ることが出来るというのは驚きだった。

一方阿炎は昨年名古屋場所で新入幕の伯桜鵬に敗れた苦い経験があるが、今場所も新入幕相手に完敗だった。
しかも今場所の阿炎は3大関2関脇に勝って好調にも関わらず新入幕に敗れてしまった。
これは屈辱以外の何ものでもないだろう。

3敗へ後退し、優勝争いという点でも星の差3つとかなり厳しい展開になったが、気持ちを切り替える事は出来るだろうか。

そして『若元春ー大の里』の一番。
正直言うとこの一番は若元春が勝つと思っていた。

昨日も記載したが、現状の大の里は当たりを止められてしまった後の対応が出来ていない力士である。
そのため若元春ならば当たりを受け止めて左四つに組んで対処出来ると思っていた。

しかし実際は大の里が若元春に左を差されても止まらなかった。
止まりかけたが構わず前に出続けた。

大の里の勝因としてはとにかく止まらなかったことである。
そして若元春相手にそれが出来たというのが驚きである。

先場所役力士との3連戦は全敗に終わったが、入幕2場所目にして早くも1つ壁をぶち破ったと言えるか。

それにしても尊富士と大の里。
両者ともに底知れない存在である。

敗れた若元春だが、得意の左を差したが、それでも止まらず大の里が前に出てきたため、落ち着く暇がなかった。

一瞬でも止めることが出来れば流れは変わったと思うが、大の里がそれを許さなかった。

若元春としては悔しい敗戦だが、まだ大関戦が2つ残っているため、腐らず切り替えていきたいところである。

尊富士、大の里が勝った後土俵へ上がった大関陣。
2敗の大関3名に明暗が分かれた。

まず琴ノ若は大栄翔を寄せ付けず7勝目。
この2日間は廻しに拘らず、圧力で圧倒している。
力のある関脇相手に良い相撲で連勝としているため、新大関という重圧から開放され、エンジンがかかってきたか。

角番貴景勝は苦手の翔猿に完勝。
常に翔猿を正面に置き、横への動きをうまく封じていた。
土俵際も冷静に対処し、貴景勝も相撲内容に厳しさが増している。

まずはあと1つ。
角番脱出を早々決めて、優勝争いに集中してほしいところである。

豊昇龍が翠富士に敗れ痛恨の3敗目。
本日は翠富士にしてやられたといったところか。
翠富士を褒めるべき一番ではあるが、豊昇龍としてはやはり小兵力士相手にあっさりもろ差しを許すという悪い癖は出ていた。

とにもかくにも痛恨の3敗目である。
まだまだ優勝争いに絡む力士との直接対決が残されているとはいえ、尊富士、大の里とは割が組まれる保証はないし、星の差3つはかなり厳しい状況である。

霧島が連敗を止めて3勝目。
相変わらずバタついているが、何とか白星を掴んだ。
この先上位陣との割崩しが行われる立場にあるかもしれないが、いずれにしても白星をきっかけに立ち直ってほしいと思う。

明日の注目の割は
『大の里ー尊富士』
平幕好調力士同士の割である。

優勝争いという点で見ても上位陣からすれば星の差が1つになるのか2つになるのかという重要な一番である。

そして単純に若手同士楽しみな一番である。

大の里の圧力が勝るのか。
それとも尊富士の出足が勝るのか。

今場所だけに限らず、この先順調にいけば両者何度も顔を合わせることになるだろう。
その初顔合わせというのが優勝争い(まだ終盤戦ではないが)をしている中というのが面白い。
そしてこの両者に熱海富士、豪ノ山といった力士が加わる未来予想もこれまた面白い。

この一番も早い相撲になると思うがはてさて。

余談だが、本日敗れて3敗へ後退した平幕の御嶽海。
明日は小結の阿炎と割が組まれた。

これは良い試みだと思う。
というのも尊富士と大の里が役力士と割が組まれて星を落とし、上位陣も星の潰し合いをしている中、ひっそり抜け出す可能性も考えられるからである。

それは湘南乃海、佐田の海にも言えることだが、湘南乃海に関しては本日2敗を守ったし、11日目はそれなりの相手と組まれるのではないだろうか。

まだ終盤戦に突入していないものの、大関同士の割を崩すわけにはいかないため、早めの対応が必要だが、如何せん尊富士、大の里ともに凄まじい勢いのため対応は中々難しいだろう。

霧島と残り3大関の割を中日辺りから組んでも良かったとは感じているが、とにもかくにもまずは明日の『大の里ー尊富士』。
この一番を全力で楽しもう。