予想通り番狂わせは起こらず。
優勝争いの上位4名が好調平幕力士を退けた。
まず単独先頭の琴ノ若は阿武咲の当たりに全く下がらなかった。
今場所の琴ノ若の強さを象徴する内容である。
格下相手には今一番安定感のある相撲内容を取っていると言える。
その結果が関脇以下に11勝1敗の成績である。
しかし残り3日間は自分より番付上位であり、その3名全員が星の差1つで追いかけてきている。
しかも琴ノ若にとって合口も悪い。
どっしり構えた基本的に守りの相撲で3名を打ち崩せるかどうか。
星の差1つでリードしているが、ここから3連敗しても不思議ではない。
場所前の展望でも記載したが、私自身琴ノ若が11勝よりも上の成績が想像出来ない。
先場所から大相撲ファンの中では琴ノ若への評価が急上昇したが、正直琴ノ若への期待が過度だと思っていたくらいである。
だからこそ場所前の展望でも琴ノ若を優勝予想に挙げていなかった。
現在星の差1つでリードしている展開でも、横綱、大関の方が有利だと思っている。
もちろん私自身も琴ノ若には期待を寄せているのは間違いない。
極論このまま3連敗して11勝に終わり、来場所も同様の展開で11勝とした場合、いわゆる『3場所33勝』には到達するため、大関昇進も可能だろう。
しかし本当の意味で期待するのはこの先3日間次第だと思う。
この先3日間の展開次第では琴ノ若に対して大関だけでなく優勝、そしてさらにその上の番付の期待を抱かせるようになるのではないだろうか。
平幕力士相手に強さを発揮していることは証明できた。
あとは上位に対してどうか。
琴ノ若が私の想像を超える場所となるかどうか注目である。
横綱照ノ富士は新入幕大の里の挑戦を真っ向から受け止めて退けた。
照ノ富士にとって今場所一番の立ち合い、相撲内容だったのではないだろうか。
立ち合い左前ミツ早く、豪快な上手投げ。
これぞ照ノ富士の相撲だろう。
大の里としても立ち合い当たっていけたと思うが、左前ミツを引かれた瞬間、当たりは止められてしまった。
その中でも懸命に前に出ようとしたが、万全な体勢を作った横綱の前には無力だった。
この一番に関しては単純な力量差が出たと言える。
現状大の里は照ノ富士相手にまだまだ敵わないということである。
新入幕で横綱と対戦出来ただけでも十分価値がある。
大の里はまだまだこれからだ。
照ノ富士は日に日に状態が良くなり、標準を合わせたかのように明日琴ノ若戦である。
優勝のためには絶対落とすことの出来ない一番だが、数々の修羅場を乗り越えてきた照ノ富士にとって今更重圧などないだろう。
霧島は玉鷲相手に捕まえることは出来なかったが、離れる展開からでも慌てることがなかった。
連日突き押し相撲相手だが、負けじと突き返し、下から跳ね上げて相手の突きの威力を削いでいた。
本日も決まりてこそ叩き込みだが、劣勢ではなく前に出ているからこそ決まっている叩きである。
残り3日間。
全勝すれば横綱の地位が見えてくる。
しかし当たり前だが簡単な相手は存在しない。
とにもかくにも最後まで攻めの姿勢を貫くことは最低条件だろう。
豊昇龍は張り差しで隆の勝当たりを止め、昨日同様右下手投げで仕留めた。
前に出る相撲ではないが、余裕を感じさせる内容である。
連敗した時はどうかと思ったが、負けじと食らいついてここまでやってきた。
照ノ富士は復活優勝。
霧島は綱取り。
琴ノ若は大関への足固め、さらには大関昇進。
豊昇龍は今場所昇進のかかる場所ではないが、自身が優勝を果たして霧島に変わって来場所の主役に躍り出たいところだろう。
明日の注目の割は
『照ノ富士ー琴ノ若』
『霧島ー豊昇龍』
言うまでもなくこの2番である。
いよいよ4名による直接対決が始まる。
まず照ノ富士ー琴ノ若だが、本日の照ノ富士の相撲を見ると琴ノ若が勝つイメージが全く沸かない。
仮にもろ差しになったとしても両前ミツ引き付けて照ノ富士が万全という印象である。
照ノ富士は琴ノ若の守りの強さが発揮しづらい相手と言えるだろう。
霧島ー豊昇龍だが、立ち合いでほぼ決まるのではないだろうか。
どちらも基本廻しを引いて力を発揮するが、その廻しの引き方、どちらが早く有利な体勢に持ち込めるか。
霧島は突き放してから展開を作るのかそれとも初めから前ミツ狙いでいくか。
豊昇龍は張り差しかそれとも横に動いて上手を求めにいくのか。
この上記予想の展開で早く自分の体勢になった方が勝つと思うがはてさて。
明日から3日間。
照ノ富士、霧島、豊昇龍、琴ノ若の直接対決が始まり、展開も大きく動くことになる。
確実に明日最低でも1名は3敗へ後退する。
誰が抜け出す展開になるのか。
誰が脱落してしまうのか。
それにしてもしびれる展開になってきた。
明日が待ち遠しい…