きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

793. 2024年春場所6日目を勝手に語る

役力士で勝ちっ放しが消滅し、全勝は平幕の大の里と尊富士。
そして横綱大関から1敗力士も消滅した。

私自身注目していた『琴ノ若ー阿炎』の一番は新大関が見事壁として立ちはだかった。

今場所だけに限ってみれば『好調の阿炎』『普通の琴ノ若』の対戦だろう。

しかしこのところ阿炎は琴ノ若の重い腰を崩すことが出来ず6連敗中である。

今場所は先手を取ることは出来た。
阿炎が攻め込んではいるものの、琴ノ若が崩れるまでには至らなかった。
琴ノ若としてはある程度余裕を持っての突き落としだっただろう。

今場所の両者の状態であっても阿炎が勝てないとなればこの先も阿炎にとって琴ノ若は天敵となるだろう。

これで今場所初黒星を喫した阿炎だが、元々このまま突っ走るとは考えにくかったため、気にせず明日以降も先手を取ることに集中するだけだろう。

敗れたことで変に考えて受け身に回っては阿炎の魅力が半減するため、切り替えて臨んで欲しいところである。

一方琴ノ若は重たい腰を活かした『らしい相撲』だった。
先場所の活躍と比較するとやや物足りなさはあるものの、まだまだ先は長いため白星を積み重ねていきたいところである。

その他大関陣に目を向けると、角番貴景勝が初顔の平戸海を下して連敗を免れた。

立ち合いの当たり良く、その後の突き押しも貴景勝らしい相撲だった。
久しぶりに貴景勝本来の相撲を見たような気がした。

平戸海はいわゆる小兵力士特有の変則的なタイプではないが、身体が大きいわけではないため、貴景勝としてはある程度やりやすさはあったか(いずれにしても貴景勝は小兵力士を比較的得意にしているが)。

角番脱出のためには平幕相手に取りこぼしは避けたいため、このまま白星を積み重ねることが出来るかどうか。

一方平戸海は真っ向勝負で清々しかったが、最後踏ん張り切れず足が出たのが勿体なかった。
おそらく残していても貴景勝が押し切る展開にはなっていたと思うが、あの続きを見たい気持ちもあった。

昨日初日を出した霧島が王鵬を下して連勝。
攻める意識はあれどバタついており、本来の姿とはかけ離れているが、それでも連勝とした。

白星が何よりの薬であり、この先内容も修正していけたら良いだろう。

本日敗れて2敗に後退した豊昇龍は翔猿にうまく取られてしまった。

本日は翔猿の前捌きのうまさが目立った一番ではあるが、それと同時に豊昇龍がずいぶん大人しい相撲を取っていた印象を受けた。

劣勢だから仕方ないと言えば仕方ないが攻める姿勢が見受けられないし、残すにしても必死さが伝わらなかった。

また豊昇龍は小兵力士相手にもろ差しの形を許すことが多い。
昨日の朝乃山戦同様、劣勢になっても何とかなるという気持ちがあるのか。

豊昇龍ファンには申し訳ないが、どうにも豊昇龍の相撲を見ていると自信ではなく過信に見えてしまい、良い印象を持たない。

横綱照ノ富士に関してはまず率直な感想として『今日出場するんだ』だった。
案の定本日も相撲になっていないし、自信も失っているような内容である。

長期休場後の復活を何度も目にしているため忘れかけていたが、引き際も難しくなっているかもしれない。

長期休場明けの場所で優勝を果たすのはもちろん素晴らしいことだが、とはいえ年間で1場所しか結果を残す事ができない、ましてや皆勤ですら1場所ないし2場所というのは致命的だと思う。

私自身も照ノ富士にはまだ壁として立ちはだかってほしいという気持ちは強い。
何度か記載しているが霧島、豊昇龍、琴ノ若、朝乃山、十両に下がっているが若隆景と照ノ富士戦未勝利の力士が多く存在する。

彼らには照ノ富士を倒して引導を渡して欲しいという気持ちも強いが、彼らに倒される前に照ノ富士が自分自身との闘いに敗れてしまっている。

さすがに明日は休場すると思うが、進退に関しても考える時なのかもしれない。

関脇に目を向けると、今場所初めて両者揃って白星。

連敗中の若元春は錦木相手に左四つの形で攻め切った。
これぞ若元春の相撲といったところだろう。
この2日間受け身に回っていたため一安心である。

大栄翔は曲者宇良相手によく見て突き放し、懐に入れず追い詰めることが出来た。

大栄翔のうまさが出た一番でもあるし、やはりこの力士は白星をきっかけに勢い付くタイプだと改めて感じた。

平幕に目を向けると、熱海富士が朝乃山戦初白星を掴んだ。

相四つで朝乃山の方が地力が上だが、熱海富士が持ち前のしぶとさを見せた。

完勝ではないが、それでも上手を引けば熱海富士もやはり強いと感じさせる内容だった。

一方朝乃山は昨日に続いて詰めが甘い。
元々朝乃山は大関在位中も土俵際の詰めの甘さが目立っていた力士だが、勢いに任せ過ぎな部分が大きい。

これが功を奏して昨年の秋場所では熱海富士との初顔の一番で白星を掴んでいるが、土俵際の落とし穴に気を付けるためには勢いだけではダメだろう。

初日の時にも記載したが、やはり今の朝乃山が大関復帰を果たすのは夢のまた夢に感じてしまう。

極論今の状態でも大関を維持できる力量はあると思う。
しかし大関に昇進する爆発力がない。
元々安定感を売りにして昇進を果たした力士ではあるが、この2日間の相撲を見ていると厳しいと言わざるを得ない。

今場所ここまで2勝4敗であるが、おそらく勝ち越しには結びつけてくるとは思う。
しかしそれ以上が見えてこない。

全勝の大の里は実力者明生を下して6連勝。
今場所初めて一瞬立ち合いの当たりを止められたかに見えたが、圧力勝ちしており結局は一方的な内容だった。

先場所から幕内では17勝4敗の成績だが、平幕相手には1敗しかしていない。
そしてその1敗の相手阿武咲と明日割が組まれている。

大の里は腰高が欠点であるが、その欠点を見事に突いたのが阿武咲である。
大の里としては先場所の反省を活かして相撲を取ることが出来るかどうか。

そしてもう一人全勝の尊富士。
本日も美ノ海を圧倒した。

場所前完全に幕内の土俵が未経験という点を懸念していたが、どこ吹く風である。

まずは髙安、御嶽海、正代といったところと割が組まれたらどうなるのか見ものだと思っている。
というか早くここらと当てて欲しいという気持ちが強い。
もたもたしていたらまた終盤戦の割が窮屈になる可能性も高い。

明日の注目の割は
『豊昇龍ー阿炎』
この一番である。

豊昇龍としては優勝争いを考えるとここで落とすわけにはいかない。
1敗の阿炎としては事実上最後の役力士戦になると思うが(たぶん照ノ富士が休場すると思うから)、ここをモノにすればかなり大きいだろう。

豊昇龍は比較的阿炎戦はうまく取っているが、阿炎の引き技を食ってしまうこともある。

阿炎としては如何にして先手を取るかどうかが鍵となるだろう。

優勝争いの予想はかなり難しいが、久しぶりに上位陣が不安定の中、充実した平幕若手の力士が2名も存在する。
大の里、尊富士ともに勢いがあるとはいえ、このままいくとは中々思えない。

はてさてどうなるものか。