きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

777. 2024年初場所14日目を勝手に語る

正直ちょっと興ざめ感が否めない。
それは豊昇龍の休場である。

怪我をして土俵に立つのが難しい力士に無理してでも出場しろと言う気は全く無い。

問題は『割り返しができなかったのか?』という点である。
優勝争いに大きく関わる力士の終盤戦だからこそその思いが強くなる。

先場所から14日目の割も13日目の取り組みが終了してから編成されるようになった。
これ自体は良い試みだと思うが、結局休場が絡むことになればこの試みの良さが活かしきれていないようにも感じてしまう。

もちろん急な出来事であるため、対応は難しいかもしれないが、何とかならなかったものか。

今場所は朝乃山の途中休場により優勝争いの興味が半減した思いがあり、それを見事に番付上位の4名が素晴らしい展開へと導いてくれた。

しかし豊昇龍の休場により再び興ざめしてしまった。
これだけは強調しておくが、断じて豊昇龍を責めているわけではない。

このもやもやした気持ちをどこにぶつけたら良いものか…
本日結びの一番となった『霧島ー琴ノ若』。
全てはこの一番に期待が込められたと言える。

結果は琴ノ若が勝ち、照ノ富士琴ノ若が2敗で並び、霧島は3敗へ後退した。

霧島ー琴ノ若の一番を振り返ると、霧島の相撲を見ると中途半端な感じが否めなかった。

立ち合いから突き放していくが、何を目的とした突きだったのかいまいちわからなかった。

いつもならば突き放してそのまま前に出る、もしくは流れの中で廻しを狙いにいくが、本日は喉輪で距離を取るような展開となり、これが何をしたいのかわからないところだった。

2度立ち合いが合わなかったことによる影響なのか、思いの外琴ノ若を押すことが出来ない焦りからだったのか。
力を発揮出来ずに敗れてしまったように感じた。

本日の黒星により、自力優勝が消滅した。
それでも綱取りに一縷の望みを繋げるためには明日の照ノ富士戦に勝つしかない。

勝てば来場所に繋げる事が出来るはずだが、負ければ間違いなく綱取りは白紙である。
一度も勝ったことのない照ノ富士相手に力を発揮することが出来るかどうか。

一方琴ノ若は自身初となる上位圏内で12勝を挙げた。
大関相手から白星を挙げたことも大きいだろう。

立ち合いで2度突っかける形となったが、慌てることなくどっしり構えることが出来た。

霧島の問題もあるかもしれないが、霧島に食い下がる相撲を取らせず、喉輪をうまく外して体勢を崩すことに成功した。

いわゆる『3場所33勝』のためには琴ノ若にとって明日の一番が昇進に関わる大きな一番となるだろう。

私個人の思いとしては11勝→9勝→11勝→12勝としているため昇進させても良いと思うが、千秋楽平幕力士に敗れると印象も悪くなるか。

明日も勝って大関昇進と優勝の両手に花といきたいところである。

琴ノ若は昨日照ノ富士に敗れた時私の想像を超えることが出来なかったが、本日は霧島に勝って12勝を挙げたため、一つ私の想像を超える存在となった。

本日不戦勝により白星を伸ばした照ノ富士は良い休養になったのか、それとも間隔が空いたことで支障を来すことになるのか。

百戦錬磨の照ノ富士からすればあまり影響のないところか。

気が付けば先頭集団に立ち、復活優勝も近付いている。
万全とは程遠い中、徐々に調子を上げてくる辺り、さすが横綱といったところだろう。

千秋楽は優勝決定戦に突入する可能性もあるが、何だかんだで照ノ富士の優勝で幕を閉じるような気がする。

それはそれで素晴らしい展開であり『やはり横綱は凄かった』という思いが強くなるだろう。
はてさてどうなるか。

優勝争いの話題以外に目を向けると、昨日から再出場を果たした朝乃山が連勝とし、二桁に王手とした。

この2日間豪ノ山、熱海富士と割が組まれたが、この2名は次世代を担う三役を狙う若手力士である。

その力士相手に休場明けで手負いながらも圧倒するのだからさすがといったところか。

関脇以下との対戦における安定感と言えば今場所の琴ノ若だが、朝乃山も同じくらい安定感があると言える。

元々朝乃山が大関昇進を果たした際も爆発力よりは安定感を売りにしていた。

今場所の朝乃山の場合、7日目までの対戦相手が過去に上位圏内で相撲を取ったことのない力士が大半だったため、判断が難しいところでもあった。
しかし昨日、本日の相撲を見ると上位圏内にいても安定した成績を残すことが出来る可能性を感じさせる内容だった。

あとは関脇以上の力士に力を示すことが出来るかどうか。
明日の大栄翔戦は幕内へ復帰して以降3戦全敗である(不戦敗も入れると4連敗)。

朝乃山にとって二桁云々ではなく、来場所以降に影響を及ぼす一番と言えるかもしれない。

その他力士に目を向けると、正代が10敗目を喫した。
7日目に金星を挙げてから泥沼の7連敗である。
来場所は確実に上位圏外に番付を下降させるだろう。

以前正代と同格どころかそれ以上の実力者だった御嶽海も平幕中位で負ける姿が当たり前の光景になってきており、来場所は平幕下位まで下降。

遠藤も皆勤しながらも幕内残留へ瀬戸際の状況であり、宝富士は負け越して周りの状況次第ではあるが十両陥落されてもおかしくない成績である。

30歳過ぎてから力を発揮する力士が増えている一方、確実に力を落としている力士も多数存在する。

世代交代は必然であるが、やはり寂しい思いもある。

明日の注目の割は
照ノ富士ー霧島』
琴ノ若ー翔猿』
もちろんこの2番である。

本割で優勝が決まるのか。
それとも優勝決定戦か。
はたまた巴戦突入か。

琴ノ若と朝乃山の割が見たかった』という意見もあり、その気持ちも大いにわかるが、どんな結果であろうと優勝した力士は素晴らしいの一言になると思う。

上位陣が活躍した今場所の優勝は価値のあるものになるだろう。

最後に三賞予想をするが
・敢闘賞:大の里、島津海(条件)
・殊勲賞:若元春
・技能賞:琴ノ若
このように予想する。

琴ノ若が優勝したら敢闘賞辺りもプラスされるか。

殊勲賞は照ノ富士を下した若元春で決まりだろう。

大の里、島津海はお決まり(?)の『新入幕の10勝で敢闘賞』であるが、これ自体はまぁとりあえず良しとして、問題は仮に大の里も島津海も両者10勝5敗とした場合、番付の上昇幅は大の里の方が上にしてほしいという思いがある。

それは大の里が3日間役力士と対戦しているからである。
単純に考えて強い力士と対戦した方が勝ちづらくなるのは当然である。

それで同じ10勝5敗だからといって同じ上昇幅ならば、前半戦目立たないようにするために極論5連敗の後10連勝した方がお得ということになる。

周りとの兼ね合いもあるが、ここは考慮していただきたいところである。

豊昇龍の休場は残念だが明日の千秋楽。
冒頭で興ざめしたと記載したが、最後まで楽しませてもらおう。