きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

756. 十両優勝に関して

最近大相撲に関する事を調べると、当然と言えば当然だが巡業に関する話題が大半である。

1横綱3大関が不在であり、体調面が心配されるところである。

私は巡業の話題ではなく、九州場所のとある記録について調べていた。

それは題名通り『十両優勝』である。

九州場所では琴勝峰が3回目の十両優勝を果たした。

琴勝峰は豊昇龍、王鵬と同学年であり、巷では『同部屋の琴ノ若よりも期待していた』という声をよく耳にする。

単純な若さという点からでもそうかもしれないが、先に上位挑戦をしたのも琴勝峰である。

また上位定着に関しては琴ノ若の方が定着しているが、あと一歩で幕内優勝というところまで迫ったのは琴勝峰の方が先である。

それが今年の初場所の話だから、九州場所十両に在位しているのが残念ではあるのだが。

上記の通り琴勝峰は3回目の十両優勝である。

私自身率直な感想として『3回目の優勝が早過ぎないか?』『十両優勝多い力士って大した活躍していないような気がする』という2点がある(後者に関しては失礼を承知の上だが)。

そこで今回、昭和33年以降で十両優勝3回以上の力士について調べてみた。

まず十両優勝の最多は5回であり、次いで4回、3回となる。

しかし最多の5回を除き、4回と3回に関しては中々の大人数である。

まず5回と4回の力士について以下にまとめた。

十両優勝回数

四股名

3回目優勝時の年齢

最高位

最終的な幕内、十両在位数

5回

益荒雄

27歳

関脇

幕内20場所

十両21場所

4回

朝登

25歳

前頭2枚目

幕内13場所

十両51場所

播竜山

24歳

小結

幕内32場所

十両23場所

大錦

26歳

小結

幕内53場所

十両55場所

鳳凰

27歳

関脇

幕内34場所

十両29場所

小城乃花

26歳

前頭2枚目

幕内26場所

十両29場所

若の里

24歳

関脇

幕内87場所

十両19場所

まず年齢を見ると播竜山、若の里が琴勝峰と同様24歳であり、やはり早くに達成した記録と言えるだろう。

また最高位を見ても関脇が最高であるが、大半の三役在位1~2場所の短命、勝ち越しなしである。

上位に跳ね返されることの多かった力士達と言える。

最多優勝回数の益荒雄は昭和63年九州場所に3回目の十両優勝を果たしたが、上位を脅かしたいわゆる『益荒雄旋風』は昭和62年初場所から夏場所のため、全盛期を過ぎ、力が衰えて十両に陥落した後に優勝回数を重ねたと言える(益荒雄の場合怪我の影響で番付を落としたと言えるが)。

例外が若の里であり、一度上位挑戦に跳ね返され、怪我もして十両に番付を落としたが、十両で連覇して2回目、3回目の優勝を達成した。

そしてそこからは『大関候補』『最強関脇』と呼ばれる活躍を見せた。

 

今回の琴勝峰と同じく十両優勝3回の力士は以下の通りである。

四股名

3回目優勝時の年齢

最高位

最終的な幕内、十両在位数

若乃國

31歳

前頭8枚目

幕内23場所

十両41場所

大潮

32歳

小結

幕内51場所

十両55場所

嗣子鵬

27歳

前頭2枚目

幕内17場所

十両32場所

鷲羽山

33歳

関脇

幕内49場所

十両32場所

若瀬川

25歳

前頭筆頭

幕内33場所

十両30場所

久島海

32歳

前頭筆頭

幕内35場所

十両23場所

大善

34歳

小結

幕内35場所

十両41場所

金開山

24歳

前頭6枚目

幕内17場所

十両23場所

把瑠都

22歳

大関

幕内41場所

十両5場所

栃ノ心

26歳

大関

幕内80場所

十両8場所

豊響

32歳

前頭2枚目

幕内52場所

十両14場所

妙義龍※

31歳

関脇

幕内69場所

十両6場所

千代の国

30歳

前頭筆頭

幕内34場所

十両24場所

琴勝峰※

24歳

前頭3枚目

幕内15場所

十両9場所

※現役力士

 

人数の多さにも驚かされるが、ここで目を引くのが把瑠都栃ノ心だろう。

3回以上優勝を果たした力士で大関昇進を果たしたのはこの2名だけである。

把瑠都の場合、若い時から怪我の繰り返しで十両陥落が多かったため、22歳で3回目の優勝と最年少記録である。如何せん十両在位5場所で3回の優勝を果たしている。

栃ノ心は大怪我で幕下まで番付を落とし、復活を果たして十両でも連覇し、2回目、3回目の優勝を果たしている。

ちなみにこの2名は『十両全勝優勝』を達成した数少ない力士でもある。

その他力士は全盛期の力は衰えて十両へ陥落してしまい、その中で優勝を果たした場合が多い。

特に鷲羽山は初の十両優勝が29歳の時であり、この時すでに関脇経験があり、三賞も8回受賞していた。

その中若瀬川、金開山は比較的若い年齢で3回目の十両優勝を果たしたが、若瀬川は上位で跳ね返され、金開山は幕内と十両のエレベーター力士になってしまった。

 

若の里把瑠都栃ノ心は例外と言えるが、やはり基本的には私自身が感じた『3回目が早過ぎないか?』『十両優勝多い力士って大した活躍していないような気がする』に当てはまっているような気がする。

冒頭の方でも記載したが、琴勝峰は期待の力士である。

しかし同年代の豊昇龍はもちろんの事、幕内定着という点から見ると王鵬にも劣っているような気がするし、同部屋の琴ノ若にはかなり差を付けられたと言って良いだろう。

過去に何回か記載しているが、初場所は千秋楽まで優勝争いし、貴景勝と相星決戦となったが、ここで優勝しなくて良かったと思っている。

ここ2場所の熱海富士同様、期待の力士は上位へ定着し、そして上位圏内で優勝を果たしてほしいと思っている。

琴勝峰もこんな所で燻っている力士ではないと思うのだが。

過去の大半の事例のようにこのまま燻るのか、それとも若の里把瑠都栃ノ心のように花開くことがあるか。

初場所は幕内で迎えるが、琴勝峰の活躍に期待である。