大相撲九州場所は本日から後半戦へ突入した。
平幕一山本が1敗で単独先頭という展開である。
もちろんこのまますんなりいくとは思えないが、一山本は私と同じ北海道出身であるため、いやが上にも気になってしまう。
中日の時点で単独先頭に立っていたが、本日も仕事中に『一山本調子いいね』と声をかけられることが多かった。
一山本は先場所十両に在位しており、新鋭の大の里の初日からの連勝を9で止め、そして自身が13勝2敗で優勝を果たすという結果を残した。
あまりにも気は早いのだが、題名通り十両⇒幕内の連覇となればいつ以来となるだろうか。
先に答えを言ってしまうと、年6場所制となった昭和33年以降はおろか、15日制が定着した昭和24年以降でも達成されていない記録である。
この記録が達成されたのは今から109年前の大正3年春場所、夏場所の両國だけである。
この時の成績はそれぞれ『7勝0敗1休』⇒『9勝0敗1休』というものだった。
このため年6場所制以降では達成されていないが、『十両優勝⇒幕内次点以上』ならばどの程度存在するだろうか。
詳細は以下の通りである。
四股名(場所) |
十両場所成績 |
幕内場所成績 |
優勝力士 |
大鵬※ (S34九州-S35初) |
東十両3枚目 13勝2敗 |
西前頭13枚目 12勝3敗(次点) |
14勝1敗 |
豊山※ (S36九州-S37初) |
西十両7枚目 15戦全勝 |
東前頭9枚目 12勝3敗(次点) |
13勝2敗 |
陸奥嵐※ (S42初-S42春) |
東十両4枚目 11勝4敗 |
東前頭14枚目 13勝2敗(次点) |
北の冨士(大関) 14勝1敗 |
琴風 (S54九州-S55初) |
西十両11枚目 14勝1敗 |
西前頭14枚目 12勝3敗(次点) |
15戦全勝 |
(S61初-S61春) |
東十両4枚目 11勝4敗 |
西前頭12枚目 12勝3敗(次点) |
保志(関脇) 13勝2敗 |
(H12秋-H12九州) |
東十両4枚目 14勝1敗 |
西前頭9枚目 13勝2敗(次点) |
曙(横綱) 14勝1敗 |
(H19秋-H19九州) |
西十両9枚目 13勝2敗 |
東前頭16枚目 11勝4敗(次点) |
12勝3敗 |
(H22秋-H22九州) |
西十両筆頭 14勝1敗 |
西前頭9枚目 14勝1敗(同点) |
14勝1敗 |
(H27秋-H27九州) |
西十両6枚目 13勝2敗 |
西前頭10枚目 12勝3敗(次点) |
13勝2敗 |
阿炎 (R3秋-R3九州) |
東十両5枚目 13勝2敗 |
西前頭15枚目 12勝3敗(次点) |
15戦全勝 |
竜電 (R4名古屋-R4秋) |
東十両筆頭 12勝3敗 |
西前頭12枚目 11勝4敗(次点) |
玉鷲(東前頭3枚目) 13勝2敗 |
熱海富士 (R5名古屋-R5秋) |
西十両筆頭 11勝4敗 |
東前頭15枚目 11勝4敗(同点) |
11勝4敗 |
四股名当時
※は新入幕
過去は12名である。
記憶に新しいのは先場所の熱海富士である。
もう一歩で偉業達成となっており、最速優勝にも王手を懸けていたため、実に惜しい結果であった。
この中で豊ノ島が成績、結果ともに最高峰と言えるか。
十両、幕内ともに14勝挙げており、2場所合計28勝は最多勝であり、さらには優勝決定戦にも出場しておる。
単純な結果ならば熱海富士と同様だが、勝ち星は6勝差のため、ある意味では豊ノ島が最も結果を残していると言えるか。
琴光喜は合計白星は27勝、幕内では次点と豊ノ島に及ばないが、幕内の場所で1横綱3大関から白星を挙げている。
この場所琴光喜にとっては実質的な新入幕の場所(新入幕は全休で翌場所十両陥落)であり、この場所の活躍を機に大関候補と呼ばれるようになった。
12場所の内、九州場所が絡む回数が8回、今場所の一山本のように『秋場所⇒九州場所』という回数が5回である。
九州場所および秋場所⇒九州場所という流れが何か引き寄せるものがあるのだろうか。
『勝手に語る』の方でも記載したが、このまま一山本が突っ走るとは考えにくいし、ここから6連敗しても驚きはない。
しかしかつて『相撲大国北海道』と呼ばれていたため、相撲に関する話題で北海道が明るくなるのは良い出来事だと思っている。
終盤戦は役力士との割も組まれると思うが、どんな結果であろうと全力で挑んでほしいと思う。