大相撲名古屋場所初日まであと2日。
本日初日と2日目の割を目にしたが、貴景勝の四股名がない事にすぐ気が付いた。
先場所気力で角番脱出を果たしたが、その代償は大きいものだったか。
膝の怪我は完治せず、それどころか悪化している可能性もある。
貴景勝に関しては後日記載するとして、本日は『豊昇龍』『大栄翔』『若元春』の3名の大関取りについて触れていこう。
3力士全員が直近2場所三役にて連続二桁の白星を挙げている。
先場所千秋楽の取組後にも明言されているため、名古屋場所は3力士全員が大関取りの場所である。
状況を整理すると、各々の2場所の成績は以下の通りである。
合計 |
|||
豊昇龍 |
10勝5敗(西関脇) |
11勝4敗(西関脇) |
21勝9敗 |
大栄翔 |
12勝3敗(東小結2) |
10勝5敗(東関脇2) |
22勝8敗 |
若元春 |
11勝4敗(西小結2) |
10勝5敗(西関脇2) |
21勝9敗 |
いわゆる『3場所合計33勝』とするならば、大栄翔が11勝、豊昇龍、若元春が12勝必要となる。
星の上では大栄翔が最も白星少なくすむ展開ではあるが、だからといって簡単な数字ではない。
如何せん先場所まで大栄翔は実力者でありながら関脇で勝ち越し経験がなかったのだから。
豊昇龍はこの3力士の中で三役での勝ち越しが豊富だが、二桁の白星となると3場所に留まる。
若元春は急激に力を付けた印象だが、経験という点ではこの3力士の中で最も浅いと言って良いだろう。
全員大関を狙う力量が備わっているのはここ数場所を見ていてもわかることだが、それでも大関取りは一筋縄にはいかないということだ。
上記表はここ2場所に関する最終的な成績であるが、今年に入ってからの成績(要は初場所を追加)を深堀りしてみると以下の通りになる。
横綱戦 | 大関戦 | 関脇戦 | 小結戦 | 平幕戦 | 合計 | |
豊昇龍 | 0勝1敗 | 0勝1敗 | 1勝4敗 | 7勝2敗(不戦敗1) | 21勝8敗(不戦勝1) | 29勝16敗(不戦勝2、不戦敗1) |
大栄翔 | 対戦なし | 0勝2敗 | 7勝3敗 | 5勝3敗 | 20勝5敗(不戦勝1) | 32勝13敗(不戦勝1) |
若元春 | 0勝1敗 | 1勝1敗 | 4勝4敗(不戦勝1) | 6勝2敗 | 19勝7敗 | 30勝15敗(不戦勝1) |
※それぞれの項目最大勝利数を赤字としている。
照ノ富士の休場、そして貴景勝の一人大関時代へ突入していたため、横綱・大関戦は最大でも若元春の3回である。
そのため全員が小結以下にしっかり勝ち越している結果となっている。
勝率にすると以下の通りである。
横綱戦 | 大関戦 | 関脇戦 | 小結戦 | 平幕戦 | 合計 | |
豊昇龍 | 0 | 0 | 0.2 | 0.778 | 0.724 | 0.644 |
大栄翔 | 対戦なし | 0 | 0.7 | 0.625 | 0.8 | 0.711 |
若元春 | 0 | 0.5 | 0.5 | 0.75 | 0.731 | 0.667 |
それぞれ見ていくと、豊昇龍の場合関脇との対戦成績が悪い。
また『関脇以上』という括りにしても1勝6敗であるため、豊昇龍としては下位に取りこぼさないのはもちろんの事、同じく大関取りの2名との対戦がカギを握るのではないだろうか。
上記の通り、連続三役在位という点では勝ち越しの安定感は最もあるという証拠だろう。
名古屋場所では爆発力を発揮できるかどうか。
大栄翔は春場所次点の成績を残したこともあり、合計白星が最も多い力士である。
上記の通り、ある意味最も大関に近い力士と言えるだろう。
そして大栄翔は大関戦2敗であり、これは貴景勝戦2敗を意味する。
今場所その貴景勝がいないため、ますます有利な展開に思えるが、新大関霧島には決定戦を含めて3連敗中のため、ここが鬼門と言えるか。
また小結戦の成績が最下位のため、ここもカギを握るだろう。
若元春は3名の中でほぼ真ん中の成績を残している。
これを安定感と捉えるのかどうかはわからないが、ここ数場所急激に力を付けているのは間違いない。
先場所が新関脇の場所であり、3場所間で関脇戦4勝4敗は番付上位を倒してのし上がってきた証拠でもあるだろう。
またこの3力士の3場所間のそれぞれの対戦成績は以下の通りである。
豊昇龍 | 大栄翔 | 若元春 | 合計 | |
豊昇龍 | × | 1勝2敗 | 1勝2敗 | 2勝4敗 |
大栄翔 | 2勝1敗 | × | 2勝1敗 | 4勝2敗 |
若元春 | 2勝1敗 | 1勝2敗 | × | 3勝3敗 |
『大栄翔>若元春>豊昇龍』とここまで3場所の合計白星通りの結果である。
3場所間に限らず、この中で幕内12勝以上の成績を残したことがある力士は『大栄翔だけ』である。
しかも大栄翔は13勝で優勝の経験もある。
これらの結果を踏まえるとやはり大栄翔が有利なのだろうか。
誰が大関昇進を果たすのだろうか。
3人同時昇進も夢ではないと思うが、それでも私は何だかんだで昇進は1人に留まると予想する。
実力伯仲のため誰と予想するのは難しいところだが、私は『豊昇龍』と予想しておこう。
『なぜ?』と問われたら単純に『若さ』と答える。
若さの勢いで豊昇龍が昇進を果たすのではないかと予想するがはてさて…