きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

635. 2023年春場所12日目を勝手に語る

翠富士が絶対的に有利な状況から一変、役力士が力を示して翠富士、大栄翔が2敗で並ぶ展開となった。

翠富士が連敗。
大波兄弟相手に連敗となったが、翠富士どうこうではなく、単純に力を発揮すれば若隆景の方が力量は上といったところである。

1年間関脇に在位しているのは伊達じゃない。

両者激しく動き回る展開だったが、常に攻めているのは若隆景だった。

翠富士もよく残した場面はあったが、反撃までには至らず、残すのが精一杯といったところだった。

今場所の翠富士は間違いなく素晴らしい。
巧さ、速さ、そして今場所は力強さも感じさせる相撲であった。

しかし役力士との割が組まれてからは1勝2敗である。

これに関しては上記の通り、単純に力量が劣っているということである。

残り3日間、状況により変わるかもしれないが、役力士との対戦は続くだろう。

ここで勝てないようではあくまで『上位圏外で活躍した』だけに留まってしまう。

優勝のためにはもちろんのこと、この先上位圏内で相撲を取り続ける力士になるためにここで力を示す必要があるだろう。
残り3日間は落とすことが出来ない。

2敗大栄翔は7連勝とノッている北勝富士を圧倒した。

この一番も単純な力量、今場所の状態を鑑みれば大栄翔が俄然有利だっただろう。

しかし北勝富士も昨日琴ノ若を下して7連勝としているため、決して油断できない相手であった。

それでも大栄翔は意に介さず自分の相撲を取り切って力量の差を見せつけた。

2日前までは星の差2つとなり、やや絶望的な状況にも至ったが、あっという間に並んでしまった。

大栄翔としては残り3日間、変わらず本日のような相撲を取っていくだけだろう。

3敗の関脇同士、優勝争いの生き残りを懸けた『豊昇龍ー霧馬山』は霧馬山に軍配が上がった。

両者廻しを引いて十分な力士であるが、本日の相撲を見ると相撲の型がしっかりしているのは霧馬山だと感じさせる内容だった。

立ち合い霧馬山は前ミツ狙い、豊昇龍は張り差しだった。
この段階で両者の腰の位置がだいぶ違っていた。

先場所序盤戦の豊昇龍の相撲ならばまた違った内容になっただろうが、とにもかくにも霧馬山が丁寧に相撲を取った。

優勝争いに残ったことも大きいし、何より大関の足固めのための二桁まであと1勝とした。

同格相手に自分の相撲で白星を掴んだことは自信に繋がるだろう。

一方豊昇龍は兼ねてから言われている『絶対的な型がない』ことが露呈された一番と言える。

上記の通り先場所序盤戦の相撲内容ならば違った結果になっていただろう。

またあくまで今場所は霧馬山に軍配が上がったが、来場所以降どうなるかもわからない。
如何せん対戦成績はほぼ五分の相手だから。

とはいえ本日の相撲を見ると、霧馬山の方が型は持っており、やるべきことが決まっていたという展開であった。

豊昇龍としては優勝争いから脱落してしまったが、残り3日間で二桁に乗せられるか注目である。

3敗同士の『若元春ー遠藤』は若元春に軍配が上がった。

遠藤が予想以上に立ち合い鋭く前に出てきたが、若元春が土俵際でうまく残すことが出来た。

誉められた相撲ではないが、ここで白星を拾ったのは大きいだろう。

2敗の2名とは直接対決が終わっているため、自力優勝は消滅しているが、食らいついていけばチャンスはあるだろう。
如何せんその2敗力士どちらにも勝利しているのが面白い。

敗れた遠藤は昨日もこのような相撲を取りたかったところだろう。
黒星で良いことはもちろんないが、昨日の黒星よりは好感の持てる内容だった。

琴ノ若が明生を下して3敗を守った。
もろ差し狙いの明生相手に巻きかえて逆にもろ差しになって圧倒した。

この相撲を見ると昨日の相撲が本当に悔やまれる。
とりあえず本日切り替えて臨めたことは何よりであり、明日以降の活躍にも期待である。

最後に十両に目を向けると、朝乃山が2敗目を喫した。
相手は王鵬であり、現在の番付で言えば王鵬の方が上だが、正直朝乃山がここで負ける姿は思い浮かばなかった。

昨日から後手に回っている展開も気になるところではある。

先場所大翔鵬に敗れた際にも記載したが、過度な期待はせず静かに見守るのが良いといったところか。

明日の注目の割は
『豊昇龍ー翠富士』
この一番である。

過去は翠富士が5勝1敗と勝ち越しており、豊昇龍が明らかに苦手意識を持っている様子である。

しかし今場所は翠富士が優勝争い先頭の中で割が組まれた。
いつもと異なる状況でいつも通り豊昇龍と相撲を取ることが出来るかどうか。

ここ2日間、見ている分には固さはあまり感じられない。
役力士相手でも力を出し切れば翠富士としては十分チャンスがあるだろう。

ここで落とすようならば、流れは大栄翔を筆頭とした完全に他の優勝争いをしている力士に持っていかれるだろう。

豊昇龍としても大波兄弟のように三役の意地を見せたいところだし、自身が二桁に乗せるためにも負けられないだろう。

12日目が終了して優勝争いも佳境を迎えるが、結果的に2敗、3敗力士5名中4名が三役である。
落ち着くところに落ち着いており、また三役が横綱大関の穴を埋めるように力を示していることは喜ばしいだろう。

翠富士の活躍は素晴らしいし、仮に優勝となっても何ら文句はないが、それでも私個人の思いとしては三役に優勝してほしいという思いが強い。

本来ならばこういった重圧は横綱大関が背負うものであり、三役には酷だと思う。

とにもかくにも残り3日間、熱戦を期待したいところである。