きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

628. 2023年春場所6日目を勝手に語る

大相撲春場所も中盤戦へ突入した。

綱取りへ崖っぷちの貴景勝は御嶽海に敗れて3敗となり、綱取りは絶望的となった。

残り全勝して12勝の優勝の可能性が0ではないとはいえ、さすがに状態を考慮すると厳しいと言わざるを得ない。

本日も昨日同様、立ち合いの当たりは良かった。
膝への負担を考慮して一気に押し込んでいきたかったのだろうが、二の矢攻めが出来ない。

二の矢攻めが出来なければそこから十八番である左突き落としにもいけない。

4日目以降、何とか気力で土俵へ立ち続けているが、本日の黒星により集中力の糸が切れた可能性もある。

私個人の思いとしては早めの決断を下してほしいという気持ちがある。

たった1人残された上位として責任を果たすために土俵に立ち続けることは立派だと思う。

先場所はその結果見事優勝を果たした。
先場所の優勝は責任感も立派だが、精神的にも大きく成長したと言える。

ただこのまま負けが込み、終盤戦で途中休場を決断するとなればこの先にも多大な影響を及ぼしてしまう。

大関の責任も大切だが、それ以上にこの先の貴景勝の身体の方が大切である。

決して今場所がラストチャンスではない。
まだまだチャンスは巡ってくるだろう。

決断を下すならば早めに下すべきだ。

本日注目の割である『琴ノ若ー大栄翔』は大栄翔に軍配が上がり、全勝を守った。

ターニングポイントとなる可能性も秘められていた一番だったが、大栄翔の執念が勝ったか。

今場所初めて大栄翔は自分の相撲を取ることが出来ず、劣勢に回ってしまった。

立ち合いすぐに琴ノ若に差されて突っ張ることが出来ず、絶体絶命であった。

しかし大栄翔は諦めることなく、土俵際逆転の突き落としを決めた。

優勝する力士というのは実力だけではなく、危ない相撲を白星に結び付ける事が多い。
まだ6日目だが、役力士は大栄翔以外2敗以上を喫しているため、大栄翔にとっては追い風の展開か。

一方琴ノ若としてはここで勝てば引きずり下ろすチャンスだったが、土俵際のツメが甘かった。

豊昇龍戦もそうだが、十分な形になった後の土俵際が今後の課題と言えるか。

今場所初めて3関脇が全員白星とした。

ようやく白星を手にした若隆景だが、本日は若隆景らしい巧い攻めを見せることが出来た。

厳しい展開であることに変わりはないが、この白星をきっかけにしてほしいところである。

『豊昇龍ー阿武咲』の一番は両者に苦言を呈したくなる内容だった。

まず豊昇龍だが、困ったら変化するという癖が毎場所見受けられる。

豊昇龍自身、このまま上を目指す気持ちがなく関脇に留まるならば良いだろうが、上を目指すならばこういう相撲は減らしていかなければならない。

なぜなら逃げ癖がついていてはいざというときに力を発揮出来ないからだ。

昨年九州場所はそれが露呈される形で終盤戦に連敗を喫してしまった。

先場所の序盤戦は覚醒したと思ったが、正直本日の相撲を見る限りまだ上を目指す力量がないと感じさせる内容だった。

期待しているだけに厳しいことを言わせてもらうが、とにかく本日は残念な内容である。

一方阿武咲は豊昇龍が変化を多用する力士であるとわかっていながらあっさり食ってしまった。

あまりにも無警戒だし、あれについていけないようではやはり上位定着は難しいと感じさせてしまう。

今場所は翠富士戦でも立ち合い変化を食っているため、対戦相手も『阿武咲は変化すれば落ちる』という認識に至るだろう。

もろに弱点を晒しているため、上位定着のためには克服が必要になるだろう。
昨日霧馬山を良い相撲で下しただけに残念である。

霧馬山が錦木を下して4勝目。
錦木の小手投げは織り込み済みであり、うまく外掛けで対処した。

取り組み後、左腕を負傷したのが気掛かりである。
今場所大関の足固めの場所のため、明日以降影響がなければ良いのだが。

昨日触れた伊勢ヶ濵コンビは翠富士が全勝を守ったが、錦富士は敗れて1敗へ後退した。

それにしても翠富士の相撲が素晴らしい。
攻めが早いし、相撲技術も最高峰である。

本日の対戦相手である遠藤も現役では上位の相撲巧者である。

その遠藤に対して完全に巧さ勝ちしたと言えるだろう。

今場所上位圏外の番付であるが、このままいけば間違いなく役力士と割が組まれるだろう(何ならもう組んでも良いと思ってる)。

そこでも力を発揮できるかどうか注目である。

そして本日目を引いたのが平戸海である。

実力者隆の勝相手に力強い堂々とした内容で白星を掴んだ。

星こそ五分だが、毎場所着実に力をつけている印象を受ける。

身体はあまり大きくなく、その中相撲が大き過ぎるときもあるが、今後も注目の力士である。

明日の注目の割は
『霧馬山ー琴ノ若
『翠富士ー高安』
この2番である。

役力士では大栄翔以外2敗以上であり、関脇以上ならば霧馬山以外3敗以上である。

霧馬山としては関脇以上の力士として意地を見せてほしいし、大関の足固めのためにも重要な一番となるだろう。

新関脇に対して酷な願いかもしれないが、こういう状況を乗り越えることで大関に近付くことが出来るだろう。

ただ問題は本日の怪我がどの程度のものなのか。
最悪の場合休場もあるため、何とも言い難いところである。

そして平幕全勝対決。
この一番に関してはわりと早めに組んでくれてありがたい気持ちがある。

そうでなければまた終盤戦上位の割崩しが行われる可能性が高くなる(まぁそれでも崩される可能性はあるのだが)。

ここまで両者自分の相撲を取り切っているが、高安としてはある意味当然と言えば当然の結果であり、そこまで驚きはない。

一方翠富士は上記の通り、存分に力を発揮していると言える。

経験が上回るのか、それとも勢いが上回るのか。
興味深い全勝対決である。

貴景勝の綱取りが絶望的となり、今場所この先どこに注目が集まるのか。

終盤戦に高安が首位に立っている状況ならば間違いなく『高安の初優勝』に注目がいくだろう。

しかしまだ中盤戦が始まったばかりのため現実味がない。

霧馬山の大関の足固めに注目したいところだが、怪我の心配がある。

私個人としては何とか役力士に踏ん張ってもらいたい気持ちが強い。

さすがにこのまま全勝で突っ走るとは考えにくいが、それでも優勝経験のある実力者大栄翔に期待したいところである。