3大関が苦戦を強いられた夏場所だが、御嶽海、正代の2大関は皆勤負け越しを喫してしまった。
御嶽海は今場所が大関2場所目であり、先場所は11勝を挙げ、新大関の場所としては合格点と言える成績であった。
夏場所初日、苦手の高安を下して好発進かと思われたが、終わってみれば6勝だった。
怪我による問題はあるだろうが、ここ最近大関へ昇進した力士は3場所目までには負け越しを喫する力士が多い。
栃ノ心、貴景勝、朝乃山、正代、御嶽海と5人連続となるわけだが、御嶽海以外の4名は『途中休場』により負け越しとなっている。
そこで今回、大関2場所目までで皆勤負け越しを喫した力士について以下にまとめた(昭和33年以降に大関へ昇進した力士を対象)。
1場所目 |
2場所目 |
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若羽黒 |
13勝2敗(優勝) |
7勝8敗 |
7勝8敗 |
13勝2敗(次点) |
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全休 |
4勝11敗 |
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6勝9敗 |
8勝7敗 |
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8勝7敗 |
5勝10敗 |
過去は5名と少なく、これといって共通点もない。
若羽黒は新大関優勝と華々しい大関デビューを果たしながらも、翌場所皆勤負け越しを喫している。
豊山は新大関の場所こそ負け越したが、その後は要所で13勝を挙げることも度々あった。それでも念願の初優勝には惜しくも届かなかった。
武双山はわずか2場所で関脇へ陥落してしまったが、翌場所特例復帰にて大関へ返り咲き、その後は1度だけ12勝して優勝争いに加わるも、最高10勝に留まることの多い力士となった。
雅山は新大関の場所で負け越し、結局短命大関として終了した。陥落してから5年ほどして、再度大関昇進のチャンスがあったが、惜しくも昇進を果たすことは出来なかった。
豪栄道は昇進後2年程は勝ち越しが関の山であったが、1度だけ全勝優勝を果たす活躍を見せた。
このようにバラバラな結果であるが、1つ言えるのは2場所目までに皆勤負け越しを喫した力士で『横綱へ昇進した力士は存在しない』ことである。
三重ノ海は2場所目、3場所目と休場により負け越し、関脇へ陥落しているが、今回の皆勤負け越しには該当しない。
やはり横綱へ昇進する力士は、こんなに早く負け越すことはないということか。
私は昨日『御嶽海は今後に期待』と記載したが、この事実を知ると呑気なことも言っていられないように感じてきた。
御嶽海は今年で30歳となるため、年齢的にも中堅であり、うかうかしてはいられないだろう。
まずは怪我を治し、来場所以降の活躍に期待である。