本日中盤戦が終了したが、4名いた2敗力士の中で2敗を死守したのは隆の勝、一山本の2名。
隆の勝はやや合い口の悪い遠藤相手だったが、冷静に対処出来たと言えるか。
昨日土俵際に注意しなければならないと記載したが、隆の勝もそこを警戒していたためか、立ち合いの踏み込みは浅かった。
それにより遠藤に当たり負けしてやや攻め込まれる場面があったが、その後うまく攻め返すことが出来た。
それこそ土俵際危なかったが、横綱、大関相手に連勝した後平幕相手に落とさなかったことは大きいだろう。
終盤戦も気負うことなく、立ち合いしっかり当たっていけるかどうか。
10日目終了時点で一番勢いのある力士は隆の勝だろう。
今場所の場合、明日にはどうなるかわからないが。
一山本は身体が動いていると感じさせる内容であった。
10日目の勝ち越しは十分早いが、いつもの場所の感覚で言えば下位の力士が10~11勝に到達するレベルと言ったところか。
ここまでの一山本の活躍は素晴らしいが、優勝争いという点では全くイメージが沸かない。
一山本としては気楽に臨むことが一番だろう。
上位陣に目を向けると、照ノ富士が磐石の内容で豊昇龍を下した。
今場所の豊昇龍は地力をつけている印象を受けるが、それでも一発がある力士ではないため、照ノ富士としてはある程度余裕を持って相撲を取ることが出来ていた様子である。
立ち合いこそ少し警戒した様子だったが、胸を合わせて右四つ、そして左上手十分となれば負けるわけがない。
黒星3つはあまりにも一方的な内容であり、むしろここまで7勝3敗でいることが不思議なレベルだが、勝っている内容だけ見れば比較的安心出来る。
横綱として見た場合、ここまで7勝3敗は物足りない成績だろうが、現状の照ノ富士の状態を踏まえるとまずまずと言ったところか。
トップとは星の差1つのため、終盤戦以降も必死に食らいついていくしかないだろう。
大関陣は当然のように毎日1勝2敗ペースである。
御嶽海はくせ者の翔猿を下して星を五分に戻したが、磐石には程遠い。
とりあえず星を五分に戻したことが何よりか。
北勝富士には悪いが、貴景勝はこんなところで落としているようでは勝ち越しも厳しいだろう。
今場所は本当に引き叩きが多すぎる。
本日の引きも決まるわけがないだろう。
今場所立ち合いの当たり、突き押しが弱いことは初日からわかっていることだが、それに加えあまりにも我慢が足りないように感じる。
正代は7敗となり、勝ち越しに後がない状況に立たされた。
本日は若隆景の相撲が素晴らしかった。
今場所初めて連勝としたが、皮肉なことに課題としていた上位戦で結果を残している状況である。
若隆景としては内容も良く星を五分に戻したため、勝ち越しに向かってひた走りたいところである。
その他取り組みで霧馬山が阿炎を下して7勝目。
過去阿炎の突っ張りで一方的に敗れていたが、本日は大きく下がることなく、うまく回り込むことが出来ていた。
昨日大栄翔戦もそうだが、今場所の霧馬山は力強さを感じさせる相撲内容であるため、突き押し相手にもあまり下がることがない。
この相撲内容が続けば終盤戦も楽しみな存在である。
ここ2日間の反省を踏まえてのことなのか、本日は物言いの多い1日となった。
事実際どい取り組みが多かったわけだが、やはり際どい取り組みを目にした場合、物言いが多くなっても当たり前だが不快には感じないし、進行の妨げにもなっているようには感じなかった。
そのためこの先も際どい取り組みにはしっかり物言いをつけてほしいと思う。
明日の注目の割は
『隆の勝ー豊昇龍』
『照ノ富士ー阿炎』
この2番である。
隆の勝は上位戦が終了しているが、まだ若隆景、豊昇龍と役力士との対戦が残されている。
終盤戦の関門の1つとも言える豊昇龍戦だが、過去は1勝3敗と合い口が悪い。
立ち合い突き放して右差し速攻で圧倒出来そうな気がしないでもないが、豊昇龍も抜群の運動神経、足腰によるしぶとさがあるため中々そうもいかないといったところか。
隆の勝としては立ち合いに集中すること、そして土俵際に注意することだろう。
そして照ノ富士ー阿炎だが、ここ数日記載している通り、照ノ富士にとって鬼門ではないだろうか。
今場所は立ち合い一発がある相手に一方的に敗れているため、阿炎に一発で持っていかれる可能性が高い。
昨年九州場所も土俵際まで押し込まれ、今年の初場所は一方的に敗れている。
照ノ富士としては踏ん張りどころだがはてさて。
明日から終盤戦へ突入するが、優勝争いは隆の勝、照ノ富士、霧馬山の3名に絞られたと思う一方、宇良の存在がかなり不気味と感じるのは私だけだろうか…
好調だと思った力士が翌日に敗れる、たった1日で展開が大きく動いている今場所だが、何とか3敗までには留まってほしいところである。
1番1番しっかり取り組みを見ると熱戦も多く展開されている。
その結果物言いも多い展開となっている。
しかし場所全体で見ると締まりがないと感じさせる。
最大の要因は上位陣の不甲斐なさにあるが、終盤戦である程度挽回できるかどうか注目である。