きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

347. 2021年夏場所千秋楽を勝手に語る

本割で貴景勝照ノ富士を下して優勝決定戦へ突入し、優勝決定戦では照ノ富士が勝利して逆転を許さず、4回目の優勝を決めて幕を閉じた2021年大相撲夏場所

同一力士の関脇・大関の連続優勝は史上初、大関復帰場所での優勝も史上初、自身大関として初の優勝と自身初の決定戦勝利、そして同一力士の12勝による連続優勝は武蔵丸以来2人目と珍記録も含め、記録ずくめの優勝となった。

本割は右を差しにいったが貴景勝に左を固められて果たせず、すぐに突き落とされてしまった。

15日間で最も脆い相撲だったため、膝が悲鳴を上げたのではないかと心配された。

しかし優勝決定戦では右差しではなくかち上げを選択し、離れる展開となったが常時圧力をかけ、最後は叩き込みで決めた。

昨日遠藤に敗れ、そして本日も本割で敗れて追い付かれてしまい、照ノ富士にとって嫌な空気が漂っていたが、優勝決定戦未勝利というジンクスを打ち崩した。

今場所は13日目まで圧倒的な強さを誇っていた。

髷掴みによる反則負けを喫した11日目の妙義龍戦よりも、9日目の高安戦の方が内容としては苦しい展開だった。

反則負けを喫した後も磐石な内容で2連勝とし、14日目での優勝決定は間違いなしと思われていた。

それがまさかの遠藤戦不覚。
あの一番に関しては遠藤が素晴らしすぎたこともあったが、それと同時に照ノ富士が最も雑な相撲を取ったとも言える。

そして本日本割も脆く突き落としを食ったため、精神面の強さに定評のある照ノ富士もさすがに重圧を感じていたか。
そして膝も限界に近付いていたのではないだろうか。

優勝決定戦は気力で勝ち取ったとも言える一番であった。

場所前私は『照ノ富士、朝乃山以外の力士が優勝』と予想した。

大関へ復帰したことへの安堵感は少なからずあるだろうし、それにより気の緩みが生じるとも思っていた。

しかしそれはただの杞憂だった。

結果的に12勝と星数はやや物足りなさも感じるが、立派な優勝である。

来場所は綱取りの場所となるだろうが、本人も語っているように力士生命は決して長くないだろうから、一発で決めてほしいところである。

優勝決定戦まで持ち込んだ貴景勝大関として十分な成績を残したと言える。

悔やまれるのは9日目の大栄翔戦である。
星の挙がらない力士にあの場面で落とすのはあまりにも痛手過ぎた。

とはいえ先場所減量し、今場所は体型に慣れてきた様子であり、貴景勝らしい相撲を取ることが出来た様子である。

一発の押しの威力だけではなく、回転の良い突っ張りも随所に見られていた。

決定戦敗戦の悔しさをバネに来場所奮起してほしいところである。

今場所のような相撲を取っていけばチャンスはあるだろう。

正代は角番脱出が関の山だったが、5勝5敗から良く巻き返したし、千秋楽遠藤戦は大関の意地を見せた一番となった。

今場所は立ち合いの踏み込みがあまりにも悪く苦戦を強いられていた。

左が少しでも覗けば無類の強さを発揮するため、立ち合いの踏み込み、そして左差しへの意識をもっと高めることだろう。

現状は大関、関脇すれすれの力量であるため、来場所巻き返しを期待したい。

そして千秋楽まで優勝争いを盛り上げた遠藤は、千秋楽正代に敗れて決定戦進出を逃した。

立ち合いの踏み込み良くすぐにもろ差しになったが、土俵際で正代に左を巻きかえられ、左からの攻めに屈してしまった。

正直大関戦2連勝を全く予想していなかったため、結果論もいいところだが、12日目琴恵光に敗れたことが痛手となってしまった。

とはいえ今場所の優勝争いは遠藤の活躍によって盛り上がったと言っても過言でないため、十分立派だっただろう。

元々こんな地位で相撲を取る力士ではないため、上位での活躍を期待したい。

関脇高安は隆の勝との関脇同士の一番を落として星の上積みならず。

これで2場所連続10勝となり、来場所大関取りの場所になるとはいえ、相当な星数が求められるだろう。

今場所の取り口を見ていると、12勝してもおかしくないほどの充実ぶりだった。

四つの安定感は大関在位時よりも遥かに上である。

本日敗れたこともそうだが、優勝争いを考えた時、もうひと頑張りしてほしかった。

それは御嶽海にも言えることである。
何とか二桁に乗せたが、途中3連敗が痛手だった。

とはいえこの力士の場合、15日間で強さがころころ変化するため計算しにくいのだが。

そして今場所前半戦で照ノ富士に独走を許した背景として隆の勝、大栄翔の不振が挙げられる。

隆の勝は大関昇進への起点の場所にするためにも二桁勝ちたいところだったがまさかの黒星が二桁となった。

今場所は立ち合いが悪く、そして横への動きに対応できていなかった。

以前とある記事で膝を負傷して保存治療しているとの情報を目にしたが、怪我も影響していたのか。

いずれにせよ来場所は平幕から出直しである。

そして大栄翔も場所前から足を負傷していたとの事であり、今場所は全くらしさが見られなかった。

爆発力を秘めた力士なだけに残念な結果だった。

今場所は負け越したとはいえ豊昇龍の大物の片鱗を見せた場所であったし、先場所に引き続き若隆景、明生が上位で活躍したため、実りのある場所でもあった。

来場所は白鵬が進退を懸ける場所となるだろうが、その中で照ノ富士が綱取りを成功させるかどうか。

早くも来場所が楽しみである。

三賞にも触れておくが、受賞者自体に不満はないが、遠藤は殊勲賞だろう。

しかも条件の『優勝したら』って何だよ。
本割で決定戦に進出した2大関に勝利したのは何だったんだよ。

まぁ深くは突っ込まないでおくか。

最後になるが、今場所も千秋楽まで観戦できたのは喜ばしいことである。

朝乃山の一件は本当に腹立たしいが、その他親方、力士も再度気を引き閉めてほしいところである。

土俵上で熱戦を繰り広げてくれた力士の皆様、本当にお疲れ様でした。

そしてファンの皆様も15日間お疲れ様でした。

さて明日から退屈になるものだ…