本日は大相撲夏場所千秋楽である。
昨日照ノ富士が遠藤相手に不覚を取ったことで優勝争いが千秋楽まで縺れる展開となった。
優勝のパターンをおさらいすると
②照ノ富士が本割で貴景勝に敗れ、照ノ富士ー貴景勝の優勝決定戦
③②のパターンに、遠藤が本割で正代に勝利し、3人の巴戦
以上3つである。
そして題名通りなのだが、優勝決定戦に突入すれば過去のデータから考えると貴景勝の優勝が色濃くなる。
まず照ノ富士だが、過去優勝決定戦は3回経験あるが、全て敗れている。
過去の成績は以下の通りである。
場所 |
対戦相手 |
成績 |
2015年秋場所 |
12勝3敗 |
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2017年春場所 |
13勝2敗 |
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2020年11月場所 |
13勝2敗 |
面白いことに優勝決定戦を行った力士とは全員千秋楽本割で対戦している。
本日も敗れた場合そうなる。
そして鶴竜と貴景勝との本割では照ノ富士が勝利して、優勝決定戦まで持ち込んだが優勝決定戦で敗れるという展開であり、稀勢の里には本割、決定戦ともに敗れて逆転優勝を許している。
余談だが2015年、2017年は大関時代、記憶に新しい2020年は小結のため、いつも番付上位との優勝決定戦を行っているのだが、今場所は番付最高位(貴景勝と同位)である。
照ノ富士にとっては優勝決定戦はまさに鬼門と言える。
そして遠藤だが、過去に優勝決定戦で平幕が制した場所は一度も存在しない。
厳密に言えば2012年夏場所『旭天鵬ー栃煌山』の平幕同士の優勝決定戦が行われ、ここで旭天鵬が勝利しているため、結果平幕が優勝決定戦を制していることにはなるのだが、要は『平幕力士が役力士を倒して優勝決定戦を制したことがない』ということである。
過去の平幕力士の優勝決定戦の成績は以下の通りである(年6場所制となった1958年以降)。
場所 |
優勝力士 |
敗戦力士 |
成績 |
1961年秋場所 |
明武谷(前頭4枚目) |
12勝3敗 |
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1965年秋場所 |
明武谷(前頭5枚目) |
12勝3敗 |
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1969年名古屋場所 |
清国(大関) |
藤ノ川(前頭5枚目) |
12勝3敗 |
1972年春場所 |
長谷川(関脇) |
魁傑(前頭7枚目) |
12勝3敗 |
1994年春場所 |
曙(横綱) |
貴闘力(前頭12枚目) |
12勝3敗 |
1997年春場所 |
曙(横綱) 魁皇(前頭筆頭) |
12勝3敗 |
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2005年夏場所 |
北勝力(前頭筆頭) |
13勝2敗 |
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2010年九州場所 |
豊ノ島(前頭9枚目) |
14勝1敗 |
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2012年夏場所 |
旭天鵬(前頭7枚目) |
栃煌山(前頭4枚目) |
12勝3敗 |
今回もそうだが、平幕力士が巴戦となると12勝の成績となっている。
このように単純に過去のデータだけを踏まえると、貴景勝が有利に見えてくる。
ちなみに貴景勝の優勝決定戦成績は1勝1敗であり、上記の照ノ富士戦と2019年秋場所御嶽海戦(12勝3敗で敗戦)である。
照ノ富士にとっては膝の問題もあるため、1日に何番も取ることが難しいとも言える。
遠藤にとっても優勝するためには本割含めて大関戦3連勝が絶対条件である。
照ノ富士は9日目終了時点で星の差2つ付けており、また13日目終了時点でも星の差2つ付けていた。
過去のデータではいずれも優勝率100%であるため、照ノ富士にとってはどちらのデータが有利に働くのか。
照ノ富士としては是が非でも本割で決めてしまいたいだろう。
はてさて…