きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

344. 2021年夏場所14日目を勝手に語る

終盤戦における連日の遠藤の存在感。

遠藤の高い相撲技術が照ノ富士の圧倒的なパワーを上回った。

ファンとしては最高の展開で千秋楽を迎えることになったと言える。

本日の遠藤の取り口は、照ノ富士攻略のお手本となるような素晴らしい相撲内容だった。

立ち合い踏み込み良く、すぐにもろ差しの形となり、照ノ富士が小手に振ってくることは想定内のため、右の差し手を深くしていきしっかり体を寄せた。

最後外掛けから下手投げと小手投げの打ち合いとなり、軍配差し違えの末、遠藤が白星を挙げた。

私自身、今場所最も鳥肌の立った一番だった。
さすがの相撲技術であり、本当に素晴らしい相撲内容だった。

遠藤は本来ならば遠の昔に三役どころか大関に昇進していてもおかしくないほどの力量を持っていたため、こんな地位で燻っていることがもどかしい程である。

正直今場所も10日目に勝ち越しを決めたとはいえ、期待値としてはせいぜい二桁勝つくらいだろうと思っていた。

それがまさかの優勝争いに関わる大関から連日殊勲の星を挙げ、さらには自身も優勝争いに顔を出す活躍を見せている。

これが上位総当たりの地位で見られるかどうか、早くも来場所の遠藤に注目が集まる。

一方平幕に不覚を取った照ノ富士だが、ここにきて今場所の中で最低、最悪の立ち合いをした。

右を差しにいくのではなく、はじめから抱え込みにいってしまった。

立ち合いの踏み込みも悪く、差し身の良い遠藤相手には完全に悪手であった。

正直あの体勢から小手投げを打てる照ノ富士も恐ろしいのだが、さすがに苦しすぎる展開だったか。

相手が平幕とはいえ、勝てば優勝という一番であり、ましてや相撲巧者ということは熟知していたため、油断していたということはないだろうが、差されても極めてしまえば良いという気持ちはどこかにあったかもしれない。

本日敗れても星の差1つでリードしており、優勝に王手であることに変わりはないのだが、貴景勝自力優勝の可能性が生まれてしまったという点は痛手と言える。

13日目終了時点で星の差2つ付けて逆転優勝されたケースは過去に存在しない。

嫌なことを考えてしまえばキリがないため、照ノ富士としてはとにかく気持ちを切り替えて臨むことだろう。

照ノ富士が敗れた瞬間、自力優勝の可能性が復活した貴景勝は正代を下し、明日の千秋楽へ望みを繋いだ。

立ち合い当たり負けし、上体も起こされたが、何とか左から突き落として凌いだ。

昨日遠藤に敗れ、精神面に影響が生じるのではないかと思ったが、目の前で照ノ富士が敗れたため息を吹き返したか。

この2日間、遠藤に振り回されている貴景勝だが、何はともあれ自力優勝可能な状況まで持っていけたのは大きい。

優勝するためには最低2勝以上必要であり、厳しい立場であるが、明日で終わりだと思えば力も出し切ることが出来るだろう。

その他優勝争いとは逸れた話になるが、高安が三役で2場所連続二桁に星を乗せた。

連続二桁は間違いなく良い収穫なのだが、こうなると先場所の終盤戦3連敗が優勝を逃したこと以外にも、来場所の大関昇進を懸ける場所においても響く形となる。

ここまで10勝、10勝と来ているため、来場所は13勝レベルの大勝をしなければ厳しいだろう。

楽をするという表現は適切かどうかわからないが、来場所のことを踏まえると明日も白星を挙げて11勝に乗せたいところである。

明生が勝ち越しを決めて三役昇進濃厚となった。

三役の枠で2枠空いた内の1枠は若隆景が確定であり、残り1枠を遠藤と争う形となるだろうが、近年は下位の大勝よりも上位の一桁勝ち越しを優先することが多いため、明生の方が優勢か。

これに関しても仮に遠藤が優勝した場合、展開は変わるかもしれないが。

とにもかくにも明生が2場所連続上位圏内で勝ち越したことは喜ばしい出来事である。

自己最高位東前頭5枚目の豊昇龍が負け越しを喫した。

今場所は上位初挑戦の場所で2大関から白星を挙げ、大物の片鱗見せたが、やはり総合すると絶対的な型がないことによる弱さを露呈する形にもなった。

立ち合いの踏み込みも圧力及び鋭さはないため、今場所は跳ね返される形となったが、圧力さえ増せば来年は三役常連になっていることだろう。

あとは右四つ、左四つどちらかに絞って磨いていくことも重要だろう。

明日で千秋楽のため三賞予想もしていくが、予想は以下の通りである。
・敢闘賞:高安(条件)
・殊勲賞:遠藤
・技能賞:若隆景、遠藤(条件)

遠藤の殊勲賞、若隆景の技能賞は確定と言ってもいいだろう。

敢闘賞は該当者なしの可能性も高い。
高安は元大関ということもあり、11勝での受賞は厳しいかと思われるが、先場所も条件付きだったため予想としてあげた。

そして遠藤の技能賞だが、私自身は無条件で受賞させても良いと思うが、『勝てば』もしくは『優勝したら』の条件付きの可能性が高い。

常々技能賞の『勝てば』の条件付きは意味がわからないと思っている(7勝7敗の力士を除く)ため、止めていただきたいのだがどのような決断に至るか。

明日で千秋楽。
9日目終了時点で照ノ富士がいつ優勝を決めるのかということに注目していたが、まさかここまで縺れるとは思っていなかった。

照ノ富士が本割で決めるのか。
それとも決定戦か。
はたまた巴戦か。

とにかく結びの一番『照ノ富士貴景勝』に注目である。

照ノ富士が捕まえるのか。
それとも貴景勝の押しが勝るのか。

はてさて…