きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

221. 2020年大相撲秋場所展望

明日から2020年大相撲秋場所が初日を迎える。

余談だが今場所は従来通りの『秋場所』という呼び方で問題ない様子である。

横綱が初日から休場。

白鵬横綱へ昇進して以降、初めて休場することになったのが2015年秋場所だが、ここから秋場所は5場所中4場所が休場である。

ここ数場所は出場すれば結果を残すものの、年間通しての結果という点では物足りないものを感じる。

全盛期を知っているからこそそれを余計に感じてしまう。

もう一人の横綱鶴竜も昨年名古屋場所に優勝を果たして以降、6場所中5場所で休場である。

横綱ともに来場所以降、進退を問われる場所となるだろう。

そして大関以下の力士は、進退をかける横綱に対して引導を渡す気持ちで取り組んでほしいところである。

さて場所の展望に話を移すが、横綱不在の中で番付最高位に位置するのが朝乃山、貴景勝の両大関である。

まず朝乃山だが、先場所は新大関として合格点と言える12勝であったが、終盤は屈辱的な連敗であった。

今場所の巻き返しが期待されるが、苦手の御嶽海、そして先場所苦杯を舐めた照ノ富士相手にしっかり対策が出来ているかどうか。

上位圏内で5場所連続二桁勝利を果たしており、間違いなく安定感は伴っているのだが、問題は『爆発力』である。

また以前から気掛かりだったのだが、やはり更なる高みを目指すためには『上手の取り方』が重要だろう。

現状朝乃山は上手よりも差し手を重要視していることが多い。

結果として右を差せなくても前に出る圧力で圧倒するし場面もあるのだが、更なる安定感、爆発力を求めるならば左前ミツを狙う必要があるだろう。

初日の対戦相手は、やや苦手としている遠藤である。

ここ2場所は連勝しているが、ケンカ四つの相手に基本差し負けているため、全くもって油断できない相手である。

初日に苦手を下し、序盤戦波に乗っていきたいところである。

もう一人の大関貴景勝は、大関昇進以降精彩を欠いているが、膝の怪我の具合は如何なものか。

以前から記載しているが、過度な体重増加が持ち前の機動力を潰してしまっているため、その辺りはどうか。

とにもかくにもこの力士は押ししかないため、基本的には余計なことは考えず、自分の相撲に徹することが出来るかどうか。

序盤戦で星を落とすことが多いため、うまく白星を積み重ねて波に乗っていきたいところである。

両関脇も大関への足固めの場所として重要な場所になりそうである。

まず御嶽海だが、2場所前は平幕とはいえ上位圏内で二桁勝利を果たしており、先場所初めて上位圏内で2場所連続二桁勝利を果たした。

そのため過去2度の優勝などを加味して、成績、展開次第では呼び声がかかる可能性もある。

過去2度の優勝は、横綱不在の中達成した優勝であり、今場所もその可能性は十分秘めている。

この力士は15日間で強さと弱さを混在させるため、非常に読みにくいのだがはてさて。

正代は三役で2場所連続勝ち越しを果たし、先場所は二桁にのせている。

もろ差しに拘らず、前に攻める積極性、圧力が増しており、地力を付けてきた印象を受ける。

先場所は危ない相撲をモノにする展開も多かったが、左が少しでも覗けば強さを発揮することを証明した。

今場所も先場所までの相撲を取ることが出来れば、優勝争いも十分可能だろう。

そして先場所の覇者 照ノ富士

今場所は上位圏内の中、15日間先場所同様の相撲を取ることが出来るかどうか。

ここ数場所の傾向から初日は鶴竜と割が組まれると思っていたが、鶴竜休場に伴い貴景勝と組まれた。

どちらにせよ初日から上位戦であり、相手にとって不足はないだろう。

過去1度だけ対戦しているが、当時と現在では両者ともに状況が大きく異なるため、全く参考にならない。

貴景勝の下からの押し、そして独特な間合いに翻弄されることなくどっしり構えて相撲を取ることが出来るかどうか。

そして照ノ富士としては、とにかく無理に引っ張り込んだり、強引な相撲は避けたいところである。

特に遠藤のような差し身の良い相手には、強引な相撲を取りがちなため注意していきたいところである。

その他平幕に目を向けると、高安辺りは状態が万全ならば台風の目になる可能性を秘めている。

先場所序盤戦の相撲を見ていると散々だったが、終盤戦はらしさも見られることが多かった。

そして先場所照ノ富士戦を見ていると、やはり下位で相撲を取るような力士ではないと感じさせられた。

腰高の修正は出来ていないだろうが、大関在位の頃からツボにはまれば強さを発揮するため注目である。

番付発表時にも記載したが、番付運良く幕内に復帰した逸ノ城にも注目である。

正直先場所までの相撲を見ている限り、完全復活には程遠い内容であったが、先場所の照ノ富士の復活優勝を目の当たりにして期するものはあるはずだ。

そして現在の朝乃山と100%の力を発揮できたときの逸ノ城の右四つの展開を想像したとき、逸ノ城の方が強いのではないかと期待してしまう自分がいる。

それは先場所、照ノ富士が朝乃山相手に右四つの展開で完全に勝ったことが大きく影響している。

逸ノ城の復活も期待したいところだがはてさて。

その他幕内復帰を果たした明生、朝青龍の甥である豊昇龍も注目である。

明生は先場所の相撲を見る限り、怪我はだいぶ癒えた様子であり、今場所も十分二桁勝利を狙えるだろう。

豊昇龍はまだ相撲が大きく、身体能力の高さで勝利している印象を受けるが、朝青龍も入幕当初はそのような内容に近いものがあった。

まずは幕内の土俵に早く慣れ、経験を積んでほしいところである。

横綱不在であり、両大関が意地を見せたいところであるが、大関の優勝はかれこれ20場所連続であり、今年に突入してから幕尻優勝は2度も見られている。

そのため誰が優勝するのか予想は難しい。

大混戦になるであろう秋場所
明日から楽しみである。