きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

455. 2022年初場所千秋楽を勝手に語る

昨日御嶽海が本割で優勝を決めて幕を閉じた2022年大相撲初場所

今場所の主役となった御嶽海に関しては昨日記載したので、本日はその他力士について触れていこうと思う。

まずは横綱照ノ富士
終盤戦、特に12日目の明生戦以降は照ノ富士らしさは消えてしまい、黒星が重なる展開となってしまった。

千秋楽の御嶽海戦に関しても土俵に立っているがやっとだったのではないだろうか。

踵を負傷したという話も聞かれ、膝にしろ踵にしろ詳細は不明だが、最終的には気力も失われていただろう。

これが序盤戦で負傷したならば途中休場という選択肢もあっただろうが、1人横綱としての責任、また12日目終了時点では優勝争い先頭の1人であったため、照ノ富士としては休場という選択肢はなかったのだろう。

13日目隆の勝に勝った一番で全てを使い果たしてしまった様子である。

成績は11勝4敗に終わり、結果的には優勝次点にも至らなかった。

1人横綱としては物足りないという評価も下される可能性はあるが、照ノ富士はまだ横綱3場所目である。

そしてここまで横綱として連覇を果たしており、今場所たまたま成績が11勝に終わっただけに過ぎない。

歴代の大横綱と称される大鵬北の湖千代の富士貴乃花朝青龍白鵬も11勝で場所を終えたことはあるし、北の湖貴乃花朝青龍に関しては一桁勝ち越しの経験もある。

これが1年以上続くならばその時は進退問題に発展するかもしれないが、今場所だけで評価を下すのは間違いだろう。

とはいえ相撲内容に関してはある程度の見直しが必要かもしれない。

先場所辺りから相手に攻めさせるだけ攻めさせてそれを凌ぎ、最後は白星に結び付けるという横綱相撲を体現するかのような内容である。

これに関しては素晴らしく思う一方、やはり照ノ富士の膝の状態で何場所も取り続けるには無理があったのだろう。

今場所も序盤戦はそのような展開で5連勝としたが、6日目で玉鷲に不覚を取った。

そして膝への負担が蓄積して終盤戦の失速に繋がったとも言える。

基本的には左前ミツ狙い、そして廻しが引けなくても前に圧力をかけていく相撲を取ることが今後安定した成績を残す且つ横綱としての寿命を延ばすためには必要であると感じる。

とにもかくにも来場所の巻き返しに期待である。

次に今場所も大活躍の平幕阿炎だが、強さに関しては間違いなく三役クラスだろう。

元々三役で勝ち越せる力量を持ち合わせていた力士だが、以前は動きの中で勝機を見出だすような力士だった。

それがこの2場所を見ると突っ張りの威力がかなり増しており、序盤5日間、照ノ富士、隆の勝を下した内容は圧巻だった。

2場所連続12勝且つ連続次点の成績であり、上位圏外とはいえ上位との割がある程度組まれている中でこの成績は立派である。

来場所は三役復帰すると思うが、そこでもここ2場所のような突っ張りを見せることが出来るかどうか注目である。

御嶽海戦のようにまだ少し壁を感じる部分はあるため、そこら辺も埋めることが出来るかどうか。

そして千秋楽の琴ノ若戦だが、これは今場所トップ3に入るほどの熱戦と言っても過言ではなかった。

両者ともに自力優勝は出来ない状況だったが優勝の可能性は残されており、そして両者ともにある程度優勝を意識した中で相撲を取っていたのではないだろうか。

両者ともに気迫を全面に出し、いなしで体勢が崩れかけても懸命に残し、攻防の激しい一番だった。

特に琴ノ若に関しては正直このような激しい相撲を取ることが出来る力士なのかと驚かされた。

あまり闘志を全面に出すタイプではなく、若手でありながら落ち着いている印象を持っていたが、千秋楽の一番を見て琴ノ若の見方が変わった。

今場所11勝挙げたことも自信に繋がるとは思うが、それ以上にこの阿炎戦で何か心境に変化が見られるかもしれないと感じた一番だった。

今場所上位圏外ではあったが、豊昇龍が11勝を挙げた。

確かに要所で良い相撲は取っていたのだが、正直いつの間にこんなに勝っていたの?というのが率直な感想ではある。

この地位ならば身体能力に任せた相撲ではなく、立ち合いしっかり踏み込み、廻しを引いて力強い相撲を取ることが出来ている。

現状『中位以上、上位未満』の力量であると思われる。
いまだ絶対的な型はないため、どのような形に持ち込んで相撲を取っていくのか明確にすることが上位定着への鍵となるだろう。

それが明確化すれば三役定着どころかさらに上も狙える存在であることは間違いないだろう。

正代は千秋楽白星で締めくくったが、内容的にはもろ差しを許して苦しい展開だった。

今場所は立ち合いの圧力もなく、そしてあっさり差されて残り腰なく土俵を割る姿が多く目に映った。

この力士の場合立ち合い顎を上げる癖は修正不可能と思っていいが、問題は立ち合いの踏み込みだけで何とかしようとしているところではないだろうか。

元々私は何度か記載しているが、当たりを止められた後の対応が鍵だと思っている。

そしてもろ差しだけに拘るのではなく、四つに組んで上手を引き付けて寄るといった基本的なことを身に付ければ安定感は増すと思う。

相撲内容を見つめ直す時期に入っているのではないだろうか。

貴景勝も途中休場し、来場所は新大関誕生の一方で2大関が角番である。

貴景勝は1年に2場所程調子の良い場所があるが、大関として1年皆勤出来ない、そして安定した成績を残すことが出来ないというのは如何なものかと感じてしまう。

『角番』→『勝ち越し』→『好成績』→『休場』という流れだが、御嶽海の大関昇進、阿炎の躍進など役力士にも少しずつ変化が見られ始めているため、貴景勝もうかうかしていると大関の座も危ぶまれるだろう。

今場所は大関陣の不甲斐なさ、そして御嶽海を除く関脇、小結が全員負け越しとやや物足りない印象を残しつつも、御嶽海、阿炎、そして終盤戦は失速したが照ノ富士を中心に場所はしっかりと展開されていたようには感じた。

相撲内容に関しては全体を通じて見ると先場所より格段に良く感じた。

今場所は場所前からコロナウイルス感染拡大により、正直場所を開催するのは如何なものかと思ったこともあるのだが、千秋楽まで迎えられたことは本当に嬉しく感じる。

今場所も15日間お疲れ様でした。