きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

201. 2020年七月場所3日目を勝手に語る

大相撲七月場所は3日目を終了した。

3日目ともなると、各々の力士の調子も把握できる頃である。

本日は第一人者 白鵬から振り返ろうと思う。

その白鵬だが、過去の遠藤戦は張り差しが主体であったが、本日は立ち合い低く、圧力もしっかりかけており、右のおっつけも強烈だった。

白鵬が対戦相手を圧倒すること自体は何ら不思議でないのだが、本日のように『力強さ』を感じさせるという点では少し珍しい一番に感じた。

あの右からのおっつけも、そこらの押し相撲のおっつけの数倍強烈だったのではないだろうか。

間違いなく年齢による肉体の衰え、力量の衰えはあるはずだが、精神力に衰えは感じさせない。

退化しながらも進化を続けている辺り、他の力士とは別の道を行っているということだろう。

注目の新大関 朝乃山は先場所苦杯をなめた豊山相手に、右をしっかり差して攻め切った。

立ち合いは右を固めていったが、勝手知ったる豊山もそうはさせまいと徹底して左おっつけにいっていたため、中々右差しを果たすことが出来なかった。

しかしそれでも慌てず、我慢しながら常時前へ圧力をかけて右を差すことに成功した。

先場所は我慢できずに叩いて墓穴を掘ったため、先場所の反省をうまく活かした内容だった。

欲を言えば朝乃山は右差し主体の相撲のため、更に上を目指すならば左前ミツ狙いの立ち合いが出来るようになれば良いのだが、とはいえこの3日間は最高のスタートを切ったと言える。

角番の貴景勝隠岐の海相手に不覚を取り初黒星。

押し込もうとする意識はあるのだろうが圧力を感じさせず、やや苦し紛れに左からいなそうとしたところ隠岐の海に攻め返されてしまった。

とはいえ本日の内容は隠岐の海も素晴らしかった。

左をうまく使って貴景勝の右を使わせず、いなしてきたタイミングでうまいこと押し倒した。

隠岐の海という力士は、平幕中位~下位で大勝することはあるが、上位で勝ち越すことは皆無に近かった。

三役での勝ち越しもないため、上位にとってはカモにしやすい相手であるという認識だったが、先場所は上位圏内で勝ち越して今場所三役復帰を果たし、自信を付けている印象である。

ベテランの領域に達しているが、ここ数場所の隠岐の海は以前よりも強さを感じるようになった。

一方貴景勝は昨日懸念していた『押し切る事が出来ない』というところが問題か。

独特な間合い、タイミングの良いいないしも絶対的な押しがあってこそ成立するものである。

とにかく連敗だけは避けたいところである。

両関脇に目を向けると、本日は明暗が分かれた。

御嶽海は阿武咲相手におっつけられ、さらにはもろ差しを許したが、逆転の首投げで命拾いした。

本来の相撲内容とは程遠く、また立ち合いからの馬力、圧力も中々見られないが、白星を拾っている辺り地力がある証拠か。

何とか我慢して相撲を取り続けて、上位戦まで白星を積み重ねていきたいところ。

『爆発力』では先に大関へ昇進した貴景勝、朝乃山よりも上のため、何とか食らいついてほしいところ。

正代は前に出る意識はあるが、上体が起きているため、隆の勝のおっつけ気味のいなしに大きくバランスを崩してしまった。

昨年の九州場所あたりからもろ差しに拘らず攻める姿勢が見受けられ、それが良い方向に向かっていたが、やはり『顎が上がる』最大の問題点がネックであるというところか。

平幕下位では琴ノ若、琴勝峰、照ノ富士が変わらず良さそうである。

照ノ富士としてはこの両者と割が組まれたとき、どのような相撲を取るのか楽しみなところである。

十両に目を向けると、明生の怪我の具合が大分癒えてきたように感じる。

身体も大きくなったためか、攻めの圧力も感じられる。

明生にとっては夏場所が中止になったことで、怪我の治療に専念できて良い方向に働いたというところか。

元々昨年から期待を寄せていた力士のため、早く幕内に戻ってきてほしいところである。

明日の注目の割は
白鵬ー隆の勝』
『朝乃山ー大栄翔』
この2番である。

隆の勝が白鵬相手にどれだけ相撲を取ることが出来るかどうか。

狙いとしては右を差して走りたいところだが、右を差すということは白鵬の絶対的型である右四つを許すということである。

だからといってもろ差しで相撲を取るタイプではないし、そもそも白鵬に対してもろ差しの形になること自体容易いことではない。

とにかく立ち合いしっかり当たり、突き放してから流れを作ることだろう。

突き放すことすらさせず、すぐに組んで白鵬が一方的に勝利する場面も目に浮かぶが、期待を寄せている隆の勝が初めて白鵬に挑むということに興味を抱く。

朝乃山はかつて苦手としていた大栄翔が相手である。

ここ数場所の内容に加え、ここまでの相撲内容ならば問題ないと思うが、かつて苦手にしていたということで変に意識してしまうと狂う可能性がある。

とにかく立ち合いに集中し、左を引っ張り込みにいかず、前へ圧力をかけることだろう。

この3日間は白鵬、朝乃山が強さを発揮して3連勝とし、下位では琴ノ若、琴勝峰、照ノ富士がそれぞれ良さを発揮して3連勝としている。

序盤戦は誰が抜け出す形となるだろうか…