きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

374. 2021年名古屋場所千秋楽を勝手に語る②

昨日白鵬が千秋楽全勝相星決戦を制して幕を閉じた名古屋場所

昨日記載した通り、今場所は白鵬照ノ富士を語れば十分だと思っていたが、その他力士についても一応記載しておこう。

はっきり言ってしまえば他の力士は白鵬照ノ富士の異次元の強さについていくことが全くできなかった。

そして注目度においても両雄と肩を並べる力士は存在しなかった。

これに関しては場所前から『進退の懸かる白鵬』『綱取り照ノ富士』と位置付けられていたため無理もないのだが。

場所が進むにあたり、それがより顕著となったため、強さにおいても注目度においても他の力士は霞んでしまった。

照ノ富士と番付同位は2名いるが、貴景勝は2日目で早々黒星を喫してしまい、さらには翌日休場。

その負傷部位も頸部であるため心配である。

正代も初日、2日目と久々に正代らしい相撲を取っていたが、その後3連敗し、終わってみれば勝ち越しが関の山であった。

照ノ富士戦では少しばかり見せ場は作ったがそれが限界であり、現状は勝ち越しがやっとの力量しか持ち合わせていないと言える。

そんな正代相手にあれだけ警戒する白鵬は、勝利への執念、研究心が誰よりも備わっているということの裏返しなのかもしれない。

関脇に目を向けても御嶽海はある意味いつも通りの一桁勝ち越しに終わった。

上位陣相手に全敗ということを踏まえると、いつもよりも酷かったのかもしれない。

高安は初日、2日目の休場が響いたという意見もあるが、それを除いても6敗を喫しているため、どちらにせよ二桁には届かない結果であり、また御嶽海同様上位陣には全敗だった。

大関復帰は白紙に戻ってしまったが、照ノ富士の活躍を見て奮起してほしいところである。

期待の新三役若隆景、明生は明暗が分かれた。

若隆景は序盤戦こそ力を出し切っていたが、中盤戦以降は脆さが目立つ負け方が多かった。

対戦相手もおっつけられないように安易に差さないなど研究しているため、一筋縄にはいかなかったということか。

とはいえこの力士は良く考えて相撲を取るタイプなので、必ず一回りも二回りも成長して再び三役の地位に戻ってくるだろう。

明生は横綱大関から白星を挙げることは出来なかったが、地力はつけているため勝ち越しを果たすことが出来た。

この先立ち合いの圧力、鋭さを増していくことでさらに躍進する可能性は高いだろう。

前ミツを引いて頭をつける相撲を覚えたら相撲の幅も広がるだろう。

今場所白鵬照ノ富士の絶対的な強さには届かなかったものの、逸ノ城、豊昇龍の活躍は素晴らしかった。

欲を言えば逸ノ城に関しては12勝してほしかった思いも強い。

右四つに組めば強さを発揮するのは元からであるが、今場所はあっさりと後退するような相撲は少なく、どっしり構える場面が多かった。

その反面、右四つに組んでも両廻しを引かなければ中々攻めない場面も多かった。

今後の課題としては左前ミツを浅く引き付けること、そのための立ち合いを磨くこと、右を差したら腕を返して攻める技術を身に付けることだろう。

先輩の照ノ富士の活躍を見て自分にも出来るという強い思いで挑んでほしいところである。

そして豊昇龍だが、今場所も何度か記載しているが、立ち合いに重みが出てきた。

四つに組んでの力強さも出てきたが、まだ相撲が大きい傾向にあるため、前ミツ引いて食い下がる相撲、そしてさらなる立ち合いの強化が必要になるだろう。

順調にいけば来年には三役で活躍していることだろう。

日本出身力士に目を向けると平幕下位で琴ノ若が12勝の大勝で三賞を受賞した。

今場所の活躍は素晴らしいが、私個人としては現状そこまで期待できるものはない。

そして最近の長身力士で気になる点は『もろ差し狙いが多いこと』である。

なぜ窮屈なもろ差しを狙いに行くのであろうか。

もっと堂々とどっしり構えて四つに組む相撲を取る方が身体に合っていると思うのだが。

いずれにせよ現状四つのレベルは低いため、もっと磨いていく必要があるだろう。

幕下まで目を向けると、北青鵬が幕下優勝を果たして来場所の十両昇進を決定的にした。

序ノ口のデビュー以降、まともな相撲を取らず、苦労知らずであっさり関取昇進を果たしたと言っても過言ではないだろう。

身体だけで白星を積み重ねているが、身体があれば勝てるというほど甘い世界でもない。

それでも勝ててしまうのだから恐ろしい。

私は以前から狼雅に期待しているのだが、その狼雅はここ数場所幕下上位で苦戦を強いられている。

そして日本出身力士期待の北の若も幕下で苦戦を強いられている。

この両力士は相撲は確立されていながらも、伸びしろは十分にある力士である。

その彼らを差し置いて幕下をあっさり通過してしまったのである。

過去には把瑠都や怪我をする前の照ノ富士のように身体だけを武器にして昇進したケースもあるが、身体だけに頼っていては2名のように必ず負傷してしまうだろう。

部屋には大横綱白鵬がいるため、盗めるところはしっかり盗んで相撲を覚えていってほしいところである。

今場所は白鵬照ノ富士の活躍がなければどうなっていたことか。

どんぐりの背比べであることを再認識させられる場所でもあった。

現状稽古もまともにできないこともあるだろうが、それは皆同条件である。

周りの力士はもっと危機感を持って臨んでほしいところである。